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『犬と鬼』アレックス・カー(071105)
10月19日(金)の『シンポジウム 観光立国日本を目指すために』で,この方の強烈な講演を聴き,早速購入したのです。私ったらマジメ。もちろん,ピーンとくるものがあったのです。
■『犬と鬼』(アレックス・カー/講談社/本体:2,500円)
その私の直観ははずれなかったどころか,大当たりすぎて,ほぼ当方の全力を傾けての読書となり,読むのにエライくたびれました。これは名著だわ。カーさん。お疲れさまです。ありがとうございます。
アレックス・カーさんは,その経歴を見て,ひと言で紹介するのが難しい。アメリカ人で日本学研究からスタートし,中国・アジア研究者,通訳,イベントのプロデューサー,不動産ビジネスマンなどとして活躍。マルチな人なのでございます。
この本は書名がおもしろい。文化人類学とか民俗学の本みたいでだいぶソンをしているように私は思いますが,とはいえ,内容が素晴らしいので,講談社さんもビビらずにガツンとこれで押されたのでしょう。それを意気に感じて,もっかい言っときましょう。「これは名著だわ」。
10月19日のシンポジウムでは,主として「景観」についてお話を伺ったのですが,この本では,その他の文化,経済,社会,教育などについて,ザックザックと言ってくれております。これがまた残念なことに「弁解の余地なし」みたいな苦〜い味でして,ついつい目をそらしたくなるし「俺のせいじゃねえもんなあ〜」と逃げたくもなるのですが,カーさん,しつっこいのでございます。許してくれません。で,なかなか本から顔を上げられなくなります。実は私の体調がこのところ優れないのは,この読書で頭と心と体力を使いすぎたからかもしれません。真面目な話。
ちょこっと引用。プロローグから。
日本の器用に組み立てられた「行政」という名の機械は,致命的に重要な部品が一つ欠けている。それはブレーキだ。いったん進路を取り始めると,他の国々では考えられないほどの過剰次元に行きつくまで,継続する傾向にある。(13ページ)。
薬害エイズから何も学んでいないとしか思えない国家機関とか,住民のお金を着服した職員を罰しようとしない腐った自治体とか…。でもねえ,腐りそうなものを平気で人に食わせようとする民間企業もありますので,これは私たち日本人が集団になったときの傾向なのかもしれませんねえ〜。
本書にちりばめられているいくつもの指摘のうちの,「ブレーキがない」というたった一つですら,近頃のニュースを見ていると,随分とコタエます。
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