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『ワーキングプアの反撃』雨宮処凛・福島みずほ(071104)
福島みずほさんの『憲法を手に格差と戦争をくいとめよう』(2007.8.15)で,雨宮処凛(かりん)さんのことを知りました。
■『ワーキングプアの反撃』(雨宮処凛・福島みずほ/七つ森書館/本体:1,300円)
雨宮さんは可愛らしいご容貌とはちょっと違って,おっしゃることは硬いことが多いです。ビンボーやヒサンを逆手に取ったようなイベントを仕掛けられたりもするので,腹が座っているというのか,ともかくこの方には,雰囲気にだまされて「軽い人」だと思って接すると,後でまさに強烈な「反撃」を食らわされるゾという感じがいたします。ちょっといくつか引用。
雨宮―いちばん厳しい三十代のフリーターは,あと何年かすれば統計から消えてしまいます。厚生労働省の定義では,フリーターは三十四歳までで,三十五歳を超えるとフリーターではなくなってしまうんです。そうやって見えなくされることによって,どうなっていくんだろうと思います。(56〜57ページ)
これなど,大事な指摘だと思いますねえ。役所と戦ってきた人の実感が伝わってくるようです。役所がモノサシを変えることによって「財政支出」を抑制しようとする作戦は,ここ何年も私たちが食らっているオナジミの作戦でございますねえ。また,たとえば「肝炎患者」の医療費を補助するに当たっては,まず「C型」のみでかつ「慢性活動性」とみなされ「さらに○○が〜○○であること」といった「要件」がたくさんつくんですね。これは法の適用の「迅速さ・正確さ」を確保するために必要な部分もあるのですが,そうした基準に当てはまらない人から見れば,「そもそもその法の〈適用範囲〉がおかしい」ということになるんですね。
いま,まさに,多くの肝炎患者がそういうことを考えていますよね。「薬害の人」は特定しやすいからまだいいけど(そうでない面ももちろん多いと存じますが),普通の「原因不明で感染してしまった多くの」患者のことも考えてくれよな,とか,肝炎にもいろいろ種類があるとか,肝炎対策の薬にもイロイロあるぞとか…。で,患者の中でいろいろ争いが起きたりすると,それぞれの運動が弱体化しちゃったりもして,結局,国の思うつぼになってしまったりもするんですねえ〜。
ワーキングプアを含む労働運動もこういうところに気を付けないとね,と雨宮さん・福島さんもおっしゃっております。
雨宮―「競争から降りたい」ということでロハスに走る人もいると思います。(92ページ)。
これもねえ。実感としてわかるわ。「勝ち組」とか「成功哲学」とか「勝利の方程式」とか言ってる人たちを見ていると,何だかくたびれますよね。こんなやつらとチームを組んで消耗すんのはご免だゼと強烈に思いますねえ。
私なんかに言わせれば,「勝ち組」とか「成功哲学」という考えを持っている時点で,アンタは「時代遅れの骨董品」になっちまってるってことなんですけどね。「常勝」なんて目標は「隠蔽」とか「ごまかし」「欺瞞」なんてのを生む「諸悪の根元」でございますねえ。組織にとっても個人にとっても…。
なんか,だいぶ本書から離れてしまったかな? この本は,これから就職活動を始める息子に回します。収入の下はここまであるということと,苦しんでいる人たちがいるということを知っておいてもらいたい。
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