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『経営戦略を問いなおす』三品和広(070908)
ちょっと番外編。上司から「これ読んでみ」と渡されたコピー。つまり,本の「部分」を読んだ覚書。
■『経営戦略を問いなおす』(三品和広/ちくま新書/本体700円)
三品和広さんは1959年生まれ。神戸大学大学院経営学研究科教授。以下は,覚えておきたいなと思ったことの羅列(私のメモも含む)。ご参考になれば幸いです。それにしても,わが上司はお楽な仕事ぶり。私はこうした書籍を読むと,それをレポートのような形にまとめ,わが社に比してどうだという感想などをつけて回覧するのですが,上司はコピーだけして(それも,何か思うところのある部分だけ飛び飛びに),配ってくれちゃうだけなのでした。ご自身のされていることと,たいていの経営書に書かれていることをちゃんと比べてくれればいいんですけどねえ〜。よく勉強をされる方なのですが,「知識は知識」で頭に入るものの,身体には回っていかないんですねえ〜。(苦笑) ま,でも私にとっては勉強になるので,ありがたいことではあるのですけれども…。
◆推論の途中を間違えることは滅多にない。間違えるのは推論の前提となる仮定(=暗黙の仮定)。
◆現状を大きく変えようと思えば,市場や競合,または社会や技術の変化を巧みに捉え,それに乗じることを考えるに限る。
◆計画と戦略が一体化しているのはマズイ。計画の立案と遂行に熱心になればなるほど,組織は機能性を失う。計画は計画として必要だが,現行業務のための計画とは別に,組織を超えた次元(多分,事業観)で,経営者が明日の戦略を打ち出さなくてはいけない。
◆長期の営業利益はそうは変わらない。
◆変わりにくい長期(営業)利益,それを10年単位でいかにシフトアップさせていくか,それが本当の戦略。
◆企業の長期(営業)利益は,個別商品の浮沈を超えた次元(多分,事業観)で決まっている。
◆優れた企業は成長を「目的」としない。「目的」は,実質のあるところにあり,それが大きな価値を生み出すから自然に顧客が集まってくる。その結果として成長が実現する。
◆売上高営業利益率に注目すると,40年を通じてこれが上昇傾向にあるのは100社に1社。全体の4分の3は10年で1%ポイント以上利益率が低下している。
◆売上は,伸ばすより選ぶことが肝心。売上の「成長」を「目標」とするのでなく,「利益」(率)に注目するべき。
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■成長戦略を見直す3つの要所
◆立地(照準)
立地(何業を営むのか)によって企業の命運は大きく決まる。需要があって供給の少ない「立地」を選ぶに限る。荒廃の進んだ旧天地を捨て新天地に打って出るのは難業であり時間もかかる。であるがゆえに戦略の核心。旧天地には莫大な投資もしており顧客も残っており,社内にもさまざまな意見がある。そうして大半の経営者は尻込みし「機」を逃す。企業に(30年といった)寿命があるように見えるのは,世の企業の大半が創業の事業とともに心中を遂げるからである。豊かなポテンシャルに恵まれたという意味でビッグ(自動車・電機など)であるか,または競合がいないという意味でユニークであるか,どちらかに該当すれば望ましい「立地」といえる。ポイントは,売り先をどこに設定し,売り物を何とするのか。
◆構え
【戦略の三択問題】(チャンドラー)
経営資源を
1.既存事業のグローバル展開に振り向けるのか
2.新規事業の想像による多角化に振り向けるのか
3.既存事業をベースとした垂直統合に振り向けるのか※企業発展のためにはどれかに手を染めなくてはならないが,どれにも手をつけるのは戦力の分散になる。よって選択になる。○垂直統合…川上川下の製造工程の範囲を広げること。だが,ポイントは業界の常識を覆すこと。常識より統合の度合いを上げる,下げることにより独自の利点が生まれるならばそれを活かす戦略を組み立てる。
○シナジー…多角化の程度とその構成。これという顧客のニーズに何でも応えるなど,事業を一体として運営することに意味がある。「シナジーの幻想」に騙されては凡庸な結果に終わる。わかりやすいシナジーを追いかけるのは,あまりにも虫がよい。難業に挑まないと,非凡な結果は生まれない。
◆均整
○ボトルネック…ライン全体の生産能力は全工程のうち最も生産能力が低いところで決まる。
→戦略の要諦はラインバランス=均衡にある
→全体像=パッケージングを見ないと戦略は空回りする
※ローカルなコンテクストの下で「立地」「構え」「均衡」をいかに揃えるかが戦略の要諦。
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◆管理をマスターしたら次は経営という発想は誤り。管理と経営は別物。守る管理と攻める経営では機能が違うため,管理をマスターしても経営ができる保証はなく,管理をマスターしなくても経営はできる。
◆実務は知識でするものだが,経営は知識でするものではない。知識の本質は過去の経験だが,経営は本質的に不確定な未来に向かって作用するもの。そこで求められる大局的な判断に,広い教養は役に立つが,実務の知識は必ずしも必要ない。
◆経営は「事業観」をもってするもの。
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わたくしの直属の上司は役員。どんな「事業観」をお持ちなのかさっぱり不明。われわれの提案に対しては,何やら必ずコメントはくれるものの,話を先に進める「根っこ」がないため常に話題は拡散。いつまでこれが続くことやらと思う一方,せっかくの機会なので,私は最悪でも健康回復とお勉強だけはしようと思っている次第なのでございます。(苦笑)
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