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『新しい家族のための経済学』大沢真知子(070815)
1か月ほど前の「CSRとワークライフバランスのお勉強」(070710)のときに,この人の本を読んでみたいな〜と思った,大沢真知子先生のご著書。
■『新しい家族のための経済学』(大沢真知子/中公新書/本体:760円)
タイトルだけを見ると,“新しい家族”のための経済学とも読めるし,新しい“家族のための経済学”とも読めます。サブタイトルは,「変わりゆく企業社会のなかの女性」です。…というわけで,本書の書名のニュアンスは,前者の“新しい家族”のための経済学です。
大沢真知子先生は1952年生まれ。Ph.D.(経済学博士)。日本女子大学教授。専門は労働経済学。
大沢先生の文章はわかりやすく,出てくる実証データも単純なものが多くて助かります。内容は,主として女性の就業に関する分析や提言なのですけれども,
歴史的にみれば,妻が専業主婦である時代は短い。重要なことは,経済が変化するなかで,結婚や夫婦のあり方から子供をもつことの意味まで,大きく変化することである。女性の生き方が変われば,当然男性の生き方も変化せざるをえない。(65ページ)
…というわけで,われわれ(若くない,新しくない)男性も大いに考えさせられるところがあります。ついでに言ってしまうと,特に子どもたち(まずは長女)に読んでもらいたい。
拝読しながら,伊田広行さんの『シングル化する日本』を何度も思い出しました。
高学歴化する女性,付加価値の高い商品・サービス需要,高齢化ということになってくると世の中は確かに変わっていくことでしょう。
古いパラダイムが世帯や家族を単位としているのに対して,新しいパラダイムは個人を単位としている。(244ページ)
つまりは男性も女性も「個として自立」することを前提とした社会に変わってきているということで,その過程においては「負け組」や「ワーキングプア」が生じる場面もあるわけですが,その実態に公的セクターも社会全体も,まだまだ全然対応しきれていないんだな,と思ったことでした。また,この本は1998年の発行です。その本を今読んで新鮮に感じるということは,もしかして,実態と社会的システムの不整合が,この本が出た頃よりさらに拡大しているということを示しているのではないですかね? 『憲法を手に格差と戦争をくいとめよう』で,雨宮処凛(かりん)さんが紹介されていた,自殺願望をベースにした戦争肯定の話も思い出されます。
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