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『いま、なぜ地方分権なのか』西尾勝・新藤宗幸(070616)
山口二郎先生,福島みずほさん,倉田真由美さんの鼎談『本当に憲法改正まで行くつもりですか?』に続く第二弾。憲法について,大きな理念というかその精神を身近なところで語った後は,より具体的な制度について学びましょうということですね。
■『いま、なぜ地方分権なのか』(西尾勝・新藤宗幸/実務教育出版/本体:780円)
西尾勝先生(『行政学[新版]』,『分権改革と政治改革 自分史として』),新藤宗幸先生(『技術官僚』)はさすがでございます。いわゆる法令の「縛り」などに関する今後の分権改革のあり方や展望だけでなく,警察,参議院,道州制について語られたところなどでも,うなってしまいました。細かく立ち入ってご紹介する力量が,私にないのが残念。
新藤先生の「はじめに」(この「はじめに」という文章そのものも簡潔にこの20年弱の地方分権に関する動きを総括してしまったオソロシイものなのですが)からちょっと抜粋。6ページ。
地方分権改革は,単に霞が関各省の握る権限や財源を自治体に移管することではありません。この改革は本来,市民に最も身近な政府である自治体を総合的な地方の政府として確立し,地域の状況に応じた政策や事業を市民自らが決定できるシステムの構築のために必要とされています。またそれを通じて日本の民主主義政治体制を発展させることが求められています。中央からの権限や財源の移管は,そのための条件整備なのです。
そうだと思うのですよ。私も。国が自治体に何かを押しつけるっておかしいんですよ,基本的に。だって「自治体」なハズなんだもん(と,口がとんがる)。もちろん外交や国防の問題など「国単位」で各国や国際機関などと調整しなければならない場面はあるわけですが,それにしたって,国民の意向,自治体の意向を無視したものであってはならないハズなんですよね。「地方の時代」とか「地方の自立」なんて言葉は,いつ頃あったかわからなくなるくらい化石化しているわけですが,「戦後レジーム」でなく,江戸時代以来の「お上頼み意識」「寄らば大樹意識」からこそ,われわれは脱却しなきゃイカンのだと思います。
もう一つ。西尾先生の「おわりに」からも。190ページ。
この対談においては,国の官僚主義体制,自治体の職員主導体制は是正されなければならない,国においても自治体においても政治主導体制の確立が必要であると強調した。しかし,それは公正中立で有能な行政職員の必要性を否定しているのではまったくない。この点は,くれぐれも誤解のないようにしてほしい。現代社会の複雑な諸問題を的確に解決していくためには,健全なる政党政治の確立と公正中立で有能な職員機構の確立の双方が不可欠なのである。
このご指摘もまた,ズシンと来ますねえ。いま,不祥事のない政党,中央官庁ってどこ? って感じですものねえ。酒酔い,痴漢などまで含めたら,警察も含めて自治体でマトモなとこはどこ? と聞きたいぐらい。政治家もお役人も私たちも,しっかりしなきゃねえ〜。
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