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『声に出して読みたい日本語』齋藤孝(070507)
この本はかなり売れましたよね。随分,話題になりました。やっと読みました。初版は2001年9月18日なので,ほぼ6年遅れでございます。まあ,そんなもんでしょ。急いで読まなくてはいけない本とは,私には思えない。
私の手元にあるのは2002年10月4日(お〜,私の44歳の誕生日じゃん)の79刷。すげ〜。約1年の間に78回も再生産したんですね。増刷が各2000部として,増刷分だけで2,000×78=15万6,000部。印税を10%(最近はこんなにないらしいですが)とすると,本体1200×0.1×156000=1872万円にもなります。でも,これだけ売れて増刷が各2000部なんてことはありえないでしょうから,齋藤先生はこの何倍もの収入を得られたことでしょう。発行元の草思社さんも相当に潤ったことでございましょう。羨ましい。一方,こんな計算をしてしまうのはあさましい。はは。それはともかく。79回もの増刷ってのは,結果から見れば,おそらく「効率」という観点からいうと,ロスも少なくなかったと思います。それもそれとして,驚異的なベストセラーだったことは間違いない。
■『声に出して読みたい日本語』(齋藤孝/草思社/本体:1,200円〉
さて。そんなに多くの人に支持された本書は,当たり前といえるのでしょうが,面白い。素材はだれでもその気になれば集められるものなんですけどね。齋藤先生には申し訳ないですが,先生の解説より原文の持っているそもそもの「言葉の力」に,とことん圧倒される思い。そんな言葉,現代にマッチする言葉を選んだ齋藤先生の感性というか力量というか人間としての経験の集積の発露というかが,素晴らしいことについては心の底から御礼を申し上げますが。確かに「声に出して読みたい」言葉(書名に偽りアリと糾弾するつもりはさらさらありませんが,漢詩なども掲載されています)多数。すっかりハマリました。
藤村の『初恋』。
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
→あたたたた。やば。
啄木。
不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて
空に吸われし
十五の心
→啄木は,生まれ変わって尾崎豊になったのかも。なんてね。
一茶。
目出度さもちう位なりおらが春
→くうぅ。この心象風景。わずか17音。シビレル。
宮本武蔵。
千日の稽古を鍛とし,万日の稽古を錬とす
→たいていのことは3年もやれば格好がつく。
でももっと究めるには10年かかるという話。ハゲみになる。
そうそう。あまりいわれていない気がしますので,ちょっとひとこと。このカバーのデザイン。裏も含めて超面白い。前橋隆道さん。これはいいわあ。帯のダイヤ型の文字組は,私は嫌いですけれども,スミと赤のコントラストもメッチャ格好いいわ。
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