『ソールズベリー ヒーローの輝く瞬間』ハリソン・E・ソールズベリー(070427)

 先日,いきなりオリジナルのブックカバーが欲しいと思って,和紙で試作品(下右)をつくりましたが,その中身になっていたのがこの本。

■『ソールズベリー ヒーローの輝く瞬間』(ハリソン・E・ソールズベリー/柴田裕之[訳]/NHK出版/本体:1,942円〉

  

 この本は1995年2月の刊行。私がまだ,インターフェロンを打ち終わって,ヘロヘロ状態から脱しきっていないときに,N・Iさんからいただいた本。すみません。読むのに12年もかかってしまいました。(^_^;)

 著者のソールズベリーさんは高名なアメリカのジャーナリスト。1993年に亡くなっています。このソールズベリーさんが会ったいろいろな方々について語ったのが本書。ロバート・ケネディ,アレクサンドル・ソルジェニーツィン,マルコムX,アンドレイ・サハロフ,周恩来など有名な人だけでなく,あまり知られていない人も出てきます。が,このソールズベリーさんが取り上げた方々は,みな,結果はともかくとして,それぞれに社会をよい方向に変えようとした,あるいは,社会に役立つことを追求した方々。この本を読むと勇気が出ます。N・Iさんはきっとそれを私に贈ってくださったのでしょう。今頃,申し訳ない。でも,いま,この本を読めたことは,私にとってはタイムリーでした。どうもこのところ沈みがちなもんで…。そうそう先日,4月24日にその死が報じられたアメリカのジャーナリスト,D.ハルバースタムも本書で取り上げられています。

 印象に残った記述を1つだけ。中国 の広西壮族自治区というところのハンセン病隔離病院で,50年以上にわたって患者の世話をしてきたシスター・フワンを扱った項から。(276〜278ページ)

 どうやって文化大革命を生き抜いたのか,どうしても知りたくなったので,訊いてみた。(中略)シスター・フワンはほほ笑んだ。その瞬間,わたしは何かあったことを悟った。この手の笑みは数え切れないほど見てきている。(中略)その笑みを見てわかった。彼らが何をしようとも,あの,人に至福を与える輝かしい表情を奪うこともできなければ,頭を下げさせることもできない。それができるのは,神だけだ,と。(中略)ローマ・カトリック教会がどんな人間を聖者の列に加えるのかは知らないが,無知なわたしなりに確信した。――シスター・フワン・ロウシャンに会ったわたしは,聖者を見たのだ,と。


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