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『21世紀大予測』集英社新書〈非売品〉(070419)
この新書は,日頃お世話になっているHさんにいただいたもの(ありがとうございました。H様)。集英社新書創刊にあたり,各界の第一人者50名に,未来を予測・考察してもらったものとのこと(カバーより)。
■『21世紀大予測』(集英社新書)〈非売品〉
非売品なんですねえ。これ。創刊前にばらまいたんですかねえ? それならよろしいのですけれど,かなり面白く読みました。1999年12月発行。「21世紀のテクノロジー」「21世紀の生活・文化」「21世紀の政治経済と国際関係」の3部構成。
冒頭の,「『集英社新書』創刊のご挨拶」の中での,集英社社長・小島民雄さんのお言葉。
出版とは,時代に棹さす営為でなければならないと考えます。時代に飲み込まれ,ただ時代と同伴するだけの出版活動では,活字が本来持っている力を,十全に発揮しているとは言い難いでしょう。
見つめ,立ち止まり,考え,そして目標に向けて立ち上がる,そのための武器として出版というものをとらえ直す,その作業が,いま私たちに求められているのだと思います。
なるほど。これは出版という分野だけでなく,あらゆる情報発信に関わる産業なり人に当てはまりそうです。でも,一方で,わたくしとしては,「時代に飲み込まれ,ただ時代と同伴するだけ」でも精一杯なんですけどという気分でもあります。(^_^;)
いくつかご紹介。
■地震について。島崎邦彦氏(東京大学教授)。
(地震による)死因の9割以上は,家屋の倒壊による圧死である。震災による犠牲者を少なくするには,家屋の耐震性を高めること,これに尽きている。(31ページ/耐震偽装にまた怒りが込み上げます)
21世紀後半まで(中略)まず東海地震が起きる。(中略) そして21世紀前半には必ず,南海地震が起こる。(32ページ)
警告は既に発せられているのであり,人々が無視し続けているにすぎない。(中略)21世紀前半に神戸の悪夢が再現されることは,まず間違いない(33ページ/これ,本当にコワイ話です。特に東海,南海地震にひっかかりそうな方は,先日の日経の記事に出ていた地震調査研究推進本部のサイトをぜひご確認くださいね)。
■旅について。澤田秀雄氏(エイチ・アイ・エス社長)。(109ページ)
今後は,世代別に対応した商品,大型客船などゆったりとした旅を希望される熟年向け,またハンディキャップを持ったり健康に不安のある人には介護つきの旅など,きめ細かな商品が求められてくることでしょう。(中略)経済のグローバル化,インターネットの普及は,世界的な大移動の幕開きとなるでしょう。
■老人介護について。舛添要一氏。(141ページ)
「介護はプロに,家族は愛情を」という社会を実現させないかぎり,悲劇は繰り返されることになる。とくに,介護のコストについては,国民全体で負担する,つまり消費税で負担することを確認する必要があろう。
■紛争について。浅井基文氏(元・東京大学教授)。(162ページ)
忘れてならないことは,日本が侵略戦争の責任をまったく未精算なまま今日に至っていることだ。(中略)その認識を我がものにすることこそ,日本がまずはなすべきことだ。
その歴史認識を我がものにした平和大国・日本が取るべき選択は,超大国アメリカの危険極まる戦略の発動を抑え,国際的な紛争の諸原因(中略)の除去に,国際社会が全力で取り組むためのリーダーシップを取ることでなければならない。
こんなところにしておきます。1999年当時の本ですが,今でも十分参考になります。今後は,ちょくちょく見ることにしようと思っています。
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