『「不利益分配」社会―個人と政治の新しい関係』高瀬淳一(061209)

 『情報政治学講義』(2006.4.12),『武器としての〈言葉政治〉』(2006.1.17)の天才・高瀬淳一教授の新刊。

■『「不利益分配」社会―個人と政治の新しい関係』(高瀬淳一/ちくま新書/本体:680円)

 この本は2006年8月発行。『武器としての〈言葉政治〉』のサブタイトルが「不利益分配時代の政治手法」となっており,うまい言い方だなあ〜と感心しておりましたが,この“不利益分配”という言葉に筑摩書房の方が反応して生まれたのが本書とのこと(「あとがき」より)。ちょっと抜粋。

 歴史的にみれば,政治は利益分配どころか,市民の財を取り上げることに熱心だったのである。そのうえ,戦争のときには文字通りの「献身」を求めるのが政治なのだ。(54ページ)

 ひとたび集団が危機に陥れば,ふだんは個人の利害だけを念頭に行動しているメンバーたちも,集団の存続のために自分のもっている価値観やエネルギーを提供しなければならなくなる。そこには「個の利害」を超越する「集団の利害」が存在することを納得できる状況ができあがっていなければならない。
 こうして,危機のさいには,集団の結束や一体感の醸成が不可避となる。この機能を担当するのが真の「政治力」である。
(114ページ)

 前記のような政治の検証や分析を踏まえて,さらに小泉前首相の国民的支持動員方法に見られる「デファクト(事実上の)首長公選制」や「無党派層」ならぬ「自立派層」が語られた後,

 今後の政治では,「パーソナル化する政治リーダー」と「自立化する有権者」との直接的なつながりが大事になってくる。(180ページ)

といったことが語られます。で,われわれはどんなことに注意すればいいのよ? というところが本書のおもしろいところ。オススメです。


Google

TOPへBACK

このサイトは「目次部分」「本文部分」という2分割の画面で表示される仕様にしていますが,検索エンジン経由ですと単独のページがピックアップされる場合があります。そのような場合には,恐れ入りますが以下をクリックして,新たにアクセスし直してください。
【注】2分割で表示されている場合に下をクリックしますと,フレームの中に2分割の画面ができてしまいますのでご注意ください。その場合はブラウザの「戻る」ボタンを押していただくと,現在の画面に戻ります。
http://homepage1.nifty.com/kanen/