『民族の時代』山内昌之(061209)

 BOOK-OFFで発見。

■『民族の時代』(山内昌之/PHP研究所/本体:1,650円)

 

 山内昌之先生は東京大学教授(国際関係)。

 米ソ対立と冷戦構造が解消して以来,世界の緊張を高めたのは民族問題である。ソ連に象徴された社会主義と,アメリカが代表するリベラルな民主主義との対立の終わりは,地球上に共通の普遍主義(ユニバーサリズム)をもとに平和をうちたてる絶好の機会になるはずだった。しかし,それは,…(12ページ)

 上は,「はじめに」の書き出し。国際関係の専門家が「民族」をどう語るのか,大いに興味を持って読みました。新総理大臣が「美しい国へ」と訴え,「国家の品格」がいわれる日本のことを考えるうえでも,きっと参考になるだろうと思いました。面白かった。オススメです。

 この本は1994年7月の発行。12年も前の本。国際情勢はそのときから変化しているわけですが,そんな流れについていけない私には,ちょうどいい教科書になりました。最初のほうに出てくる「20世紀初頭の独立主権国家数=50,1993年国連加盟国=184」という指摘(2006年6月28日にモンテネグロが加盟して現在192か国)には改めて驚きました。2つの大きな戦争や冷戦を経て,国家の数は増え続けているのでございます。「民族自決」といわれれば「それはそのほうがいいじゃん」と単純に思うわけですが,そんなに多くの「国」ができちゃったら,国際秩序なんてできないぞというお話も出てきます。「それも確かにそうなんだろうなあ」とも思ったりもして…。ついでに日本国内のことを考えて「地方分権」とか「市町村合併」「道州制」,さらに今また再編の議論が盛り上がって来ている東京都内における「特別区」って何だっけ? などなどと考えて,私はわけがわからなくなってしまったのでございました。

 興味深い話多数。どうもありがとうございました。山内先生。


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