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『憲法九条を世界遺産に』太田光・中沢新一(061016)
昔,爆笑問題のナントカという本を読んだときに,残念ながら,あまり面白くありませんでした。そんなわけで,あまり期待せず,この異色の組合せとタイトル,「売れている」という新聞記事を見て,購入。
■『憲法九条を世界遺産に』(太田光・中沢新一/集英社新書/定価:693円)
これ,とても面白かったです。オススメです。分量も適当で,2時間もあれば読めます。活字が大きいのも老眼の私にはありがたかった。
宮沢賢治の話から入って,中沢新一先生の博識を絡ませて憲法文化論というか憲法人類学みたいなことが語られていきます。知的かつ文化的な読み物でございます。ちと意味不明ですかね? こんな発言があります。
中沢 太田さんの言うように,日本国憲法は,確かに奇蹟的な成り立ち方をしています。当時のアメリカ人の中にまだ生きていた,人間の思想のとてもよいところと,敗戦後の日本人の後悔や反省の中から生まれてきたよいところが,うまく合体しているんですね。(58ページ)
太田 憲法九条があるおかげで,(中略)たくさんの意見が出て,迷い続ける。じつは,その迷いこそが大事なんじゃないかと僕は思うんです。(135ページ)
多くの日本人に共有されているであろう思いに,文化的根拠を与えてくれるような本に仕上がっていると思います。
ただ,庶民の率直なこんな気持ちも,為政者の意向で簡単に無視されてしまうことも私たちは知っています。じゃ,どうすんのよ,というところを,このお二人はどう考えておられるのか知りたかったなあ。
テレビで「憲法九条を変えてもいいと思っている国会議員一覧」か何かを流して,太田さんに「この人たちは落選させちゃいましょうキャンペーン」でもやってほしいところです。衆院選は終わっちゃったので,来年の参院選前にやってほしいなあ。憲法改正の要件は,以下のとおりです。衆参両院の3分の2が「憲法改正賛成」の人や政党で占められたら,憲法改正の発議がありえるということです。
■憲法96条1項 この憲法の改正は,各議院の総議員の3分の2以上の賛成で,国会が,これを発議し,国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には,特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において,その過半数の賛成を必要とする。
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