『市場経済学の源流』井上義朗(060608)

 井堀利宏先生の『経済学で読み解く日本の政治』(2006.6.3)を面白く拝読したので,経済学的雰囲気にもうちょっと浸ってみようと,この本を読みました。

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■『市場経済学の源流』(井上義朗/中公新書/本体660円)

 井上義朗先生は1962年生まれ。この本は1993年3月初版。私の手元にあるのは同年4月の再版。この本が出た当時の井上先生の肩書は千葉大学法経学部専任講師(現在は中央大学商学部教授のようです)。30歳になったばかりで新書を書かれ,しかもわずかな期間でそれが再販になっているんですねえ。何だかすごいです。

 さて。この本の副題は「マーシャル,ケインズ,ヒックス」です。マーシャル,ケインズはよく耳にしますが,ヒックスについては,マーシャルやケインズほど,知られていないように思います。「市場経済学」といわれると,例の需要曲線と供給曲線を使った分析があって,それだとうまく行かないことがあるので,ケインズが「有効需要」といった概念を導入して市場を刺激することを提案した,なんてことを思います。で,不勉強で情けないですが,ヒックスは,いろいろなところで名前が出てくるけれども,何がすごいのか私にはわからないでおります。で,この本を読むとわかるかな? と思っていたのですが,井上先生には申し訳ないのですが,よくわかりませんでした。わかったことは,

「ヒックスという人はきわめて多くの顔を持った人物である。経済学にはいろいろな専攻分野があるが,ヒックスはおよそそのすべてに一回は顔を出している。しかも,そのほとんどにおいて,後のスタンダードとなるような業績を残している」(145ページ)

 ということで,私などが,「こういう人」といえるような人ではないのだなということ。

 いや〜経済学説史は,当たり前ですが経済理論をちゃんとわかっていないと難しいわ。井上義朗先生の経済動学に寄せる期待の大きさはわかりましたが…。


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