『霞ヶ関構造改革・プロジェクトK』新しい霞ヶ関を創る若手の会(060419)

 新聞で,こんな本が出たというのを随分前に見ていたのですが,やっと読みました。

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■『霞ヶ関構造改革・プロジェクトK』(新しい霞ヶ関を創る若手の会/東洋経済/本体1,700円)

 官僚というと内に籠もって,国会議員に「先生,先生」とかすり寄りつつ,内心は「こいつが現職の間はうまく利用してやろう」なんてことを考えている人ばかりのような気がしますが,この本はすがすがしい。若い人たちの一生懸命な姿勢が見える好著です。“ニッポンのエリートは,やっぱり頭いいじゃん!”と,頼もしく思えたことでした。組織にどっぷりつかった人から見れば「理念はね〜,わかるけど」とか「気持ちはね〜,わかるけど」とか「君らこんなこと言ってるけど実現する手順について,どんだけ考えてるわけ?」なんていくらでも言える内容ではあるのですが,でも,30歳を少し超えたばかりの若い人が,ここまでの「構想」をまとめあげたことは思い切り高く評価していいと思います。明治維新を実現した地方の人たちも藩政改革で「修行」をした人たちでした。

 省益(課益・係益?)志向という,まさに「部分均衡志向」が「合成の誤謬」を生んでしまう,霞ヶ関の病理,官僚制の陥りやすい罠(寡頭制のの鉄則ということを思えば,霞ヶ関に限らず,どのような組織も陥りやすい罠)とでもいいますか,に,「自覚的である」ということは非常に大切だと考えます。「縦割り」と批判される日本の府省庁の壁を,彼らは「ほぼ同期入省者」という限られたサークルの中だけとはいえ,超えてみせてくれました。そしてこの本では,国家としての理念を挙げ,それに見合った仕組みづくり,仕組みだけでなく,理念との照合・評価といったことまで目配りがされています。しつこいですが確かに「甘いんじゃないか」と思われる部分は多々ありますが,このように大きなフレームを考えたということが大事です。彼らはこれから国内行政においても国際交渉の舞台でも経験を積む人たちです。その彼らが,いったんこうしたフレームを構想した意義は大きいと考えます。経験を積むに従って,今回の提言に立ち戻り,考え直したりさらに詰めたりという作業を,この優秀な官僚達はしてくれることと思います。周囲が「芽を踏み,根を刈ろう」としなければ…ですが。

 霞ヶ関の人たち,政治家の皆さんには,ぜひこの人たちを大事にしていただきたい。

 それと,民間企業の人にも,この本は参考になります。30歳そこそこの子供たち…じゃあないんですね。彼らは当然ですが,クールに現実を見つめ,解決策を考えています。青いかもしれないけれど,こういう意見を頭から否定するのでなく,参考にしつつ汲み取った上で様々な決断をしていくことが,組織の活性化や実力の向上につながると考えます。

 あ〜面白かった。興奮した…っと。こういう芽がね,どんどん育っていくことをココロから期待します。オススメです。


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