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『県庁の星』桂望実(051006)
新聞広告で見て直観的に「これは面白そうだ」と思いました。かなり売れてるらしいです。
■『県庁の星』(桂望実/小学館/本体1,300円)
岡山遠征で,帰りの岡山からの新幹線に乗る前に購入。カバーを見たときに,あの『巨人の星』のチャ〜ン,チャララ,チャッチャラ〜ンというテーマソングが頭をよぎり,さらにオロナミンCの大村昆さんの顔まで頭に浮かびました。テレビおそるべし。
さて,パラパラとページをめくると,若い人たちの日常語の連発,他人との距離をいつも測っているような文章にウンザリ。定型化された公務員のイメージが書きつづられている部分も,う〜んという感じ。「ま,売れてるらしいんで付き合いますよ」と決めてさらに読み進めていくと,いつの間にか,ど〜んと物語の中に入り込んで,最後まで一気に読んでしまいました。桂さん,お上手。面白かった。肩の凝らない,いい読書でした。
マーケティングの基本のような話,俳句の作句の話,スーパーの舞台裏やクレーマーの手口などいくつかの伏線,細かいエピソードがうまく絡み合って,あの「ウォーター・ボーイズ」的ノリの作品がきれいに完結。ウォーター・ボーイズは高校生の話ですが,31歳の「県庁さん」や周囲のオトナたちも,かなり頼りなく危ういところで生きてるぜ,なんて辺りが読者から支持されている要因でしょうか。元気出して行こうぜってね。あるいは,水戸黄門的な,庶民の“こんな為政者・公務員であってほしい”という「願い」の発露なのでしょうか(そんな気もする)。話は単純ですが面白い。アルバイトでユニクロで品出しをしている長女,スーパーで品出しをしている長男も興味深く読みそうです。
映画化される話もあるとのこと。この本を読みながら,キャスティングをしてみるのも一興です。ちなみに私が演出家なら,二宮素子役は戸田恵子さんで決まりです。ネットでざっと検索したら,県庁さん役は織田裕二さんらしいです。
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