『経済学殺人事件』M・ジェヴォンズ(050814)
 いつかどこかで買った本。本棚で探し物をしていて発見。ちらっと見たのが運のつき。そのままごろんとなって一気読み。夏休みらしいでしょ。

■『経済学殺人事件』(M・ジェヴォンズ・著/青木榮一・訳/日本経済新聞社/定価1,200円)

 この本は,1986年発売の本。なかなか面白かった。ミクロ経済の理論がいろいろな場面にちりばめられて,経済学という道具を使うと,ある事象はこのように分析できるという実例がたくさん出てきます。殺人事件解決の決め手も,効用最大化理論から導かれる2つの商品の価格についての推論でした。私はこの,経済学を道具にして,たとえばこの事例はこんな風に考えることができますという話が大好きでございます。またこんな本に巡り会いたい。
 M・ジェヴォンズはマーシャル・ジェヴォンズというペンネームです。経済学を少しでもかじったことのある人なら,「あの有名なマーシャルとジェヴォンズをくっつけただけかい!」と思いますよね。2人の大学教授の共作だそうなので,それぞれが好きな学者名をくっつけたんでしょうかね。お気楽で面白い。

 この話のラスト・シーンがシャレてます。離れているところに住んでいる娘が久しぶりに帰ってくるのですが,「今夜は仕事があるので,明日会う」なんて言っていた主人公が,ケインズが人生の終わりに「何か後悔することはないか」と聞かれて「一つだけある。それは,シャンペンをたくさん飲まなかったことだ」と答えたという話を思い出し,そそくさと家に帰るのです。ちょっとね。“お決まりのパターン?”という感じはあるけれども,私はこんなエンディングが大好きであります。

 ちなみに私の場合は,こんな場面でどうするかについては,病気のおかげですでに体得済みでして,迷うことなくとっとと帰宅します。


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