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『異色官僚』佐橋滋(050514)
不思議な巡り合わせで,「粗にして野だが卑ではない」系の本を,同僚のM・Hさんが借してくれました。M・Hさん,ありがとうございました。速攻で読みました。
■『異色官僚』(佐橋滋/現代教養文庫・社会思想社/本体660円)
かああ〜。この本,今,インターネットで調べたら「絶版・重版未定」とのこと。ま,つまりは「絶版」ということでしょう。信じがたい。これは名著でございます。「粗にして野だが卑ではない」オヤジさんが,通産省にもいらしたのですね。昔,城山三郎さんの『官僚たちの夏』という小説をたいそう面白く読んだのですが,そのモデルとなった佐橋滋さんの自伝です。今となっては,『官僚たちの夏』でしか(『官僚たちの夏』は絶版にはなっておりませんでした),この「粗にして野だが卑ではない」オヤジさんの物語を読めないのは,あまりに惜しい話であります。誰かこの本を復刊してくれませんか? うー。この本がこの国から消えてしまうとすれば,これは,大きな文化的損失でございます。
この本で感動するのも「卑ではない」人の生き様。職業や家庭生活を通じてパブリック(公的)な視点を失わない生き方。純粋な青年の心意気を保ったまま歳を取る。パブリック・マインドを持った自分に殉ずるというダンディズムといったものを感じます。戦後日本は,こういう人たちの使命感・責任感を大きな精神的支柱として復興したのだと改めて思います。「俺たち生き延びた者は,頑張らなかったら,あの世で戦友や戦争で亡くなった方々に合わせる顔がない」とおそらくは心の中で思っていたに違いない人たち。現在,2005年日本国際博覧会(愛・地球博)協会事務総長の,あの坂本春生さんを通産省として初めての女性幹部候補生(いわゆるキャリア組)として採用したのもこの佐橋さんだそうです。
『「粗にして野だが卑ではない」石田禮助の生涯』『異色官僚』と,2冊続けて,非常にいい読書をしました。勇気が出ます。会社や上司の顔色を窺って仕事してどうすんのよ…なんてね。自分と社会のために頑張って働かなきゃね,なんてね。
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