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『彷書月刊編集長』田村治芳(050116)
全然読む予定に入っていませんでしたが,毎度お世話になっているG先生より送っていただいた本。G先生毎度ありがとうございます。ちらっと「あとがき」に目を通したのが運の尽き。そのまま全部読んでしまいました。
■『彷書月刊編集長』(田村治芳/晶文社/定価1,900円)
晶文社には,「古本屋3部作」いうのがあり,『石神井書林 日録』(内堀弘・著),『古本屋
月の輪書林』(高橋徹・著)に続いてとうとう3冊目も読んでしまいました。はは。お得意さんだ。この本は買ってないけど…。
この本は本,古本にまつわる話,昭和初期の頃の話なども交えた田村さんのエッセイ集で,いろいろな雑誌などに書かれた文章を集めたもの。古本屋さんという何やら異界の先輩のお話を,肩の凝らない酒場とか喫茶店で聞いている感じ。田村さんは1950年生まれなので,私より8歳年長。田村さんはオモシロガリの物知り。ストリート・ワイズでございます。文章もお上手。オススメです。
たとえばこんな文があります。『ふるさとは貧民窟なりき』(小板橋二郎)という本の紹介で(182ページ)。
「その面白さ,偏見をぶちかます,怒濤の筆力は,本書を読んでもらえれば,すぐわかる」
特に〈偏見をぶちかます,怒濤の筆力〉ってところがいいですねえ。こんなフレーズをさらっと書かれるのでしょうか。素晴らしい。
面白い話満載ですが,特に中江兆民が大酒呑みだったという話は傑作でした。酒呑みの多少の失敗談には驚かないワタクシではありますが,兆民先生にはかなわない。ここを読んだだけでもだいぶ得した気分。あんまり品がない話なんで紹介できないのが残念(私はこういう話が大好きなんですが)。もう一文。古本の売買について書かれた文章(230ページ)。
「ゴミをゴミとしておもしろがるのも,おもしろいんじゃないの。つくってつくれるものではないが,ここに出てきたゴミやボロをつむぎ,古本たちの死に場所をよみがえる場所にしよう。なんてね。わたしだって考えるゴミなのだから」
「考えるゴミ」ですって。名言ですねえ〜。シビレましたあ〜。
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