『路上観察 華の東海道五十三次』路上観察学会(041225)
 路上観察学会(赤瀬川原平・藤森照信・南伸坊・林丈二・松田哲夫)の本。この人たちの本で未読だったら,見かけたらまず買ってしまいます。

■『路上観察 華の東海道五十三次』(路上観察学会/文春文庫ビジュアル版/本体752円)

  

 真ん中の写真は品川で撮影された「アゴがはずれたオニ」(林丈二氏撮影/16ページ),右の写真は二川で撮影された「よそ見はいけません」と題された写真(松田哲夫氏撮影/223ページ)。この人たちにかかると,町で見かける景色には,ほんとに,人間の営みの“味わい”があるなあ〜と,感じてしまいますが,そんな無粋なことを言わないお約束で,路上観察学会の方々はひたすら面白物件を採集しては皆さんで楽しんでおられます。素晴らしい。そして確かに可笑しい。今のようにデジカメなんてない時代には現像・プリントし,分類・整理し,コメントまで書いていたと思うと,その尋常でない熱意にさらに頭が下がります。我が家の子らに私が伝えられることはこんなことかな…なんて思います。面白いことを見つけたり味わうセンスは,(路上観察学会の皆さんから学んだことも多く)自分では結構イケテルんじゃないかなと思っております。

 写真がメインの本なので,あまりスキャンして載せてしまってはいけないことは充分承知しつつ,この分野に触れずにはいられません。右は路上にペイントされた標識(24ページ)。右上が「轢断自転車」と呼ばれる基本形。ペイントの欠損の具合を楽しむんですね。上は林丈二氏撮影〈品川〉,下は赤瀬川原平氏撮影〈掛川〉。「妹も危うし」と題された作品で「兄妹仲良く手をつないで横断歩道を渡る。ふとしたすきに兄は下半身をやられている」というコメント付き。こんな視点を持つだけで,町の中を歩くことが随分楽しくなってきます。よく見ると標識の絵やコメントには笑えるものが多いです。

 その他諸々。町を見る視線が随分変わります。世の中は表層だけ見てもかなり面白い。そんなことに気づかせてくれる本です。オススメです。入院中や自宅療養中の方は,早く外に出たくなって快復が早くなるかもしれません。


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