『たかが信長,されど信長』遠藤周作(040529)
 『妖女のごとく』に引き続き,読んでない遠藤周作先生モノ。

■『たかが信長,されど信長』(遠藤周作/文藝春秋/定価1,100円)

 実は,遠藤周作先生の歴史物は,何冊も読んだのには読んだのですが,私には今ひとつしっくりこない感じであまり印象がありません。キリシタン関連の研究を多くなされた遠藤周作先生であれば,当然,信長・秀吉・家康あたりは随分研究されたことでしょうし,高山右近・小西行長などキリシタン大名を扱った作品もあります。でも,何だか…といったところです。この本は対談集。津本陽,会田雄次さんらのとの対談が掲載されています。懐かしい遠藤先生の会話を楽しませていただいたというところ。こういう読書もありだよな…と,思います。名曲でなくても吉田拓郎節が懐かしかったりもしますし…。
 この本の本筋ではないのですが,「対論番外」と題された辻邦生さんとの「作家はなぜ歴史小説を書こうとするのか」は面白いと思います。遠藤周作先生は評論からスタートされ,フランス文学に関する造詣はかなりのものがあるようです。読み手である私に知識がないので,その凄さがわからないのが残念ですが,辻邦生さんとの対談を読むと,このお2人が相当な読書家であることがわかります。こうした作家の小説談義は面白い。
 それとこの本の欄外の資料にはちょっと驚きます。小さなスペースに用語解説やら,図版が載っています。その図版も,例えば「一向一揆の旗」などという,ちょっと簡単には持ってこられないものが多い。巻末に図版の一覧が載っていますが大したモノです。こんなところで,ちょっと得した気分になった読書でございました。


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