『笑うカイチュウ』藤田紘一郎(031114)
 知人が薦めてくれたので読んだ本。文句なし。名著。オススメ。

■『笑うカイチュウ』(藤田紘一郎/講談社文庫/本体467円)

 

 参りました…と,頭を下げたくなりました。カイチュウを始め,さまざまな感染症について,軽妙だけれどもカシコイ文章で解説していただき,マコトにありがとうございました,というところです。藤田先生は東京医科歯科大学教授。奥付の上の略歴によると,この本で1995年の講談社出版文化賞・科学出版賞を受賞されたそうです(あれ,いま気づいたけど,カバーには「1996年講談社出版文化賞・科学出版賞を受賞」なんて書いてあります。まあ,読者にとってはいつでもいいんですけど,講談社さん的にはこの不一致はダサイっすね)。

 感染症については,われわれC型肝炎感染者は無関心ではいられませんが,ともかく,カイチュウにせよ何にせよ,われわれの周りには病気になる危険が一杯ということがわかります。とはいえ,この藤田先生はカイチュウとの共生などというお話もされ,タダモノではない感じ。どこかに書いてあったように思いますが,ご著書は30冊以上だそうです。また何かの機会に巡り会ったら,ぜひ読みたい。学者さんのエッセイって,養老孟司さんにせよ,土屋賢二さんにしろ面白いですよね。庶民の常識なるものから何か突き抜けているからですかね? ま,庶民と同じレベルの常識しか持っていないようでは,その分野の「学者」「プロ」なんて名乗れないに決まってますけど…。

 私は当初全然気づきませんでしたが,このカバーも妙にいい味。下の茶色はこの本でも頻発する言葉でもある「ウ○コ」でございますね。上のオレンジがお尻。真ん中の虫が可愛いかつ印象的。イラストはしつこくなく軽い,明るい。カバーの文字も丸い字でシリアスな感じはちっともありません(あんまり自然なデザインなので,最初はつい全体を見落としてしまいました)。で,本文は軽くて明るい文体だけれども,意味なしではないんだよ―なんてところの,この本の内容・味わいを見事にカバーで表現しているように思います。カバーデザインは菊地信義さん。この人もタダモノではないでございます。


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