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『ITと呼ばれた子 幼年篇』デイヴ・ベルザー/田栗美奈子訳(031017)
中学1年の娘が「買って来て」と言っていた本。大学1年の娘が買ってきました。たまにはお姉ちゃんらしいことするんだな。いい感じ。「面白そうだねー」なんて眺めているうちに一晩借りて読了。
■『ITと呼ばれた子 幼年篇』(デイヴ・ベルザー/田栗美奈子訳/ソニー・マガジンズ/本体650円)
母親から虐待された子の話。IT(それ)と呼ばれた子供。モノ扱いされた子供の話。私は,幼児虐待や少年犯罪,子供の自殺に関する新聞や雑誌の記事にはいつも目を引かれてしまいます。私の読書経験から言えば,失礼ながらこの程度の話では驚きません。人の心の中には,残念ながら鬼=悪魔がいる。たいていの場合は眠っているけれども,何かのきっかけで心の中を支配してしまうことがあることは,我々は経験上わかっています。この本を中学1年の娘はどう読むでしょうか? 中学1年の娘にとっては,これはそれを最初に知る衝撃の1冊になるのでしょうか,それとも私と同じように,日常のニュースなどで見聞きする話と比べ「よくあること」ですませてしまうのでしょうか。
この本に出てくるのは心が壊れた母親,被害を受ける子供,兄弟(この兄弟にもいじめられる),そして何より子供達にとって不運だった弱すぎる(残念ながら知的レベルも低く,実のところ愛情の薄い)父親。この子のオヤジは最後にはツマも子供も放りだしてしまったのでした。
「よくある話」と思ってしまうのが怖い。「あってはならないこと」がよくある国・ニッポンの住民だからということでなく,こうしたことは絶対イカンのだという感覚自体がどこの国でも麻痺しているようです。水木しげるさんが『娘に語るお父さんの戦記』(近頃の読書031012)で書かれていた「いったい文明なんてなんだ〜」を思い出します。
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