『メキメキ頭がよくなる「超」思考法』中川昌彦(031004)
 周縁・祝祭空間のお話でなく,といって,大学の教科書のような難しい本でなく,やさしい実利的な本でも読むべということで読んでみました。

■『メキメキ頭がよくなる「超」思考法』(中川昌彦/実務教育出版/本体1,500円)
 
中川昌彦さんは不思議な人。『雑談上手になる本』(実務教育出版)とか『ベスト・リーダー5つの条件』(こう書房)とかの自己啓発モノのご著書が多いようですが,ふと目にする雑誌などに書かれたコラム(目からウロコ的な“切れる”コラムが多いです)などを拝見すると経営評論家でもあり,この本は「思考法」の本であり,ちょっと掴み所がない方だなあという感じがします。いわゆる「マルチ人間」なんですね。ダ・ヴィンチみたいな方なのでしょう。この本は,中川氏の頭の良さとか集中力が随所で感じられる好著です。
 
この本を読んで,「メキメキ頭がよくなる」ことは,もちろんない(思考法の本を読んで頭が良くなったり,技術的な本を読んでスポーツができるようになるなんてことはありえない,その後のトレーニングが肝心。ダイエットとかもそうですが…)のですが,参考になります。いろいろなものの考え方のスタイル・方法論などが紹介されています。ちょっとご紹介。

 右は,この本に掲載されている「自分が他人に対してとる基本的な態度」を表した表(p.103)です。相手と自分の関係の濃さなどを考慮し,これらの態度を使い分ければ,少なくとも相手から嫌われることはないという作戦です。この表の内容も面白いのですが,ものの考え方として,こういう表を使うということが大事なんですね。明示的ですし。

 ビジネスの世界で,気の利いた企業の研修プログラムでは,KJ法やPERTなど,思考法・問題解決法・合理的手順などについてよくとりあげられています。こうしたことは学校の「基礎教育」に入っていてしかるべきだろうと思うのですが,何故か未だに高校レベルにすらこうした思考法のプログラムは入ってきておりません。大学の経営学部あたりではこういうことを学ぶプログラムが入っているようですが,もったいない。話の内容はそう難しくなく,初歩的なことはなるべく若い頃に教えてあげればいいのにと思います。「総合的な学習の時間」とかでやったらどうですかね? モノを考えるときに,こんな風に整理したり,あるいは考えが行き詰まったときにそれをどう揺さぶるかなんてことにつき生徒にやさしく解説すれば,先生方も面白いでしょうし勉強にもなると思います。ついでに言えば,作文を超える論文の書き方も,中学・高校でちゃんとやるといいんですけどねえ…。


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