『祝祭都市』山口昌男(030930)
 『河童のコスモロジー』(近頃の読書(2003.9.15))が面白かったので,また,つい山口昌男先生の本を読んでしまいました。

■『祝祭都市』(山口昌男/岩波書店/定価1,600円)
 
この本は岩波書店の「旅とトポスの精神史」というシリーズの1冊。サブタイトルは「象徴人類学的アプローチ」。トポスって何? 象徴人類学って何? ではありますが,例によって見世物小屋を巡るかのごとく(縁日の屋台がせいぜいで「見世物小屋」を巡ったことはないのですが),楽しく拝読いたしました。トポス=場所の複数形らしいです。象徴人類学ってのは何だかわかりません。そこら中にあるものを何とかの「記号だ」とか言って適当に意味づけするってことでしょうか? よくわかりません。
 
よくわかりませんが,森鴎外の『舞姫』にしろ,『四谷怪談』にしろ,「都市」ということを念頭に置きながら読むと,すごい読み方ができるんだなあということはわかりました。都市という秩序(=中心)と廓や芝居小屋がある混沌・無秩序・祝祭空間(=周縁)。われわれの身の周りにはそういう装置がたくさん埋め込まれており,都市も例外ではないというのは身体で理解できることでございます。山口先生の本を読んでいると,この周縁(生と死の間の死に近い方,正と邪の邪に近い方というか邪とも言えるのですが)の魅力にすっかりはまってしまって,根が悪人な私は,現実がやたら息苦しく(生き苦しく)感じられてしまうのでした。
 …というわけで,しばらく山口先生の本を読むのはまたお休みに。私にとっては山口先生の本は麻薬みたいなもので,「かなり怪しく根拠のない集団内秩序にただ従っているだけのお利口さん」に囲まれてウンザリしてますんで,そんなときに「だからさー,祝祭空間にはこんなのがあるんだよ〜」なんて話をされると,そっちのほうへ猛烈に行きたくなってしまうのでした。


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