『ノンキャリア』飯田晴平(030818)
 国家公務員の採用試験はI種,II種,III種という3つに分かれていて,I種試験から採用された人をキャリア組といい,それ以外の人をノンキャリアというのですね。昔は上級(大卒程度)・中級(短大卒程度)・初級(高卒程度)となっていたのですが,今は,I種・II種が大卒程度,III種が高卒程度の試験です。で,このキャリア組というのがいわゆる高級官僚の候補者で,東京大学とか京都大学とかの卒業生が毎年大勢採用されています。

■『ノンキャリア』(飯田晴平/健友館/本体600円)
 
新宿の紀伊國屋に行ったときに見かけて,ちょろっと買ってしまいました。新書版56ページ。手帳みたい。でも何だか表紙のオジサンが淋しそうで,そういえば,ノンキャリアの人ってどういう気持ちで働いているのだろうかと大いに興味があったのです。警察関連のドラマでよくある,現場の叩き上げの刑事が年下の本庁からやってきたエライさんにトンチンカンな命令をされても逆らえないという,あの状況があることが当然予想されるノンキャリア。採用試験だけで昇進ルートが異なり,その後20年30年努力してもそう上のポジションに上がれないことがほぼ確定してしまっているというノンキャリア…。うーん。上のポジションになることだけを目標に働くなんてことには興味はありませんが,最初から年下の人に使われることがわかってるってのはいやな感じ。これじゃあヤル気も出ない気がします。やりたい仕事をするためには,一定のポジションにつくということが必要なケースだってあるとも思いますし…。

 なんてことを思っており,その答がこの本の中にあるかなと思ったのですが,何だか,飯田さんと健友館さんには申し訳ありませんが,関係各方面に気を遣われた記述が多く,拍子抜けしてしまいました。帯に書いてある「建設省の元ノンキャリアが語る役人生活の光と影」ってのだけで,そうそう読者は引っかからないと思います。“市販”に耐える本なのか,これは…と思ってしまいました。


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