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『古くさいぞ私は』坪内祐三(030404)
かねてより坪内祐三さんは凄いという話を聞いており,先日ナマでお会いした(山口昌男講演会(030328)参照)こともあって,ちなみに読んでみました。
■『古くさいぞ私は』(坪内祐三/晶文社/本体2,600円)
確かに。「古くさいかも,あなたは」という気がしました(けなしているわけではありません。尊敬を込めて)。同い年でこんなに昔のことを勉強している人がいたなんて驚き。同時代を東京という同じ土地で生きてきているので,感覚的にわかる記述も多いですが,坪内氏が勉強されたことは当然ながら私にはついていけません。日本文学のこと,英米文学のことなど,その他いっぱい。また,それをベースにした坪内氏の現在を見る視点や考えられることも,“うー,全然私と違うやんけ〜”というのが素朴な感想です。
この読後感をどこにどうしまえばいいんだあ〜? と大いに戸惑っております。世の中というものは,いろいろなさわり方があり,人それぞれに感触が違うと思いますが,それにしても…という感じです。“坪内祐三さんは凄いぞー”と教えてくれた友人に感謝。私はまた要チェックな書き手を発見してしまいました。しかも同時代の人。
今後も坪内氏の書かれたものを読んでいって考えます。今回はただ驚くばかりでございました。
ちなみに,この本で色川武大さんのことを書いた文章があります。私は高校生の頃,阿佐田哲也さんのほう(「麻雀放浪記」「Aクラス麻雀」)で親近感を持っていたのですが,22歳頃のとき,仕事で出かけていった東京・中村橋近辺で自転車に乗った氏を見かけたことがあります。大きなオジサンでした。パパイヤ鈴木さんのヘアースタイルを黒髪の鈴木清順さんにすると,阿佐田哲也さんになります(こういう話は坪内氏に受けるかなあ?)。ずっと忘れていたささやかな思い出。
そうそう。この本はなかなか凝ったツクリです。装幀は南伸坊さん(カバーだけでなく,章ごとの扉のイラストも洒落ています)。編集は中川六平さん。本文の組み方が凝っていて,これは現役編集者でもある坪内氏とそうとうすったもんだして作られたようです。で,ふと気が付けば,かつて読んだ『石神井書林
目録』(内堀弘/近頃の読書(2002.1.5))という本もこの中川さんが担当されていたのでした。造本…なんてあまり考えたことがありませんが,この中川氏はかなり気を遣われているご様子。大変でしょうが,楽しそうな仕事でうらやましい。
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