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『世界史の中から考える』高坂正堯(030330)
この本は高坂先生が亡くなられてから出版された2冊目の本(カバーにある五百旗頭〈いおきべ〉真・神戸大学教授の文章による)。高坂正堯先生は国際政治学者で京都大学教授だった方です。優しい目。柔らかい話し方をする方。でもおっしゃる内容はかなりシビアでした。1996年に62歳で急逝。実に惜しい。いかにも京都の学者さんという雰囲気も大好きでした。
■『世界史の中から考える』(高坂正堯/新潮社/本体971円)
この本は新潮社の「FORESIGHT」1991年1月号〜1994年11月号に連載された内容をまとめたもの。上質の,おいしい読書でございました。主な章のテーマは次のとおりです。「ロシアの悲劇」「陸奥宗光の時代と現在」「真珠湾の教訓」「先達に学ぶアメリカ研究」「バブルで滅んだ国はないI〜IV」「政治の善し悪し・近代初期イギリスの政治からI〜VIII」「日本政治史から考えるI〜XI」など。
「先達に学ぶアメリカ研究」では,イギリスのブライス駐米大使のこんな言葉が紹介されています。「アメリカ人の歴史を見ると,外国に対して相当不正と思われるような行為を犯した例はあります。しかし,その不正は,外国からの抗議とか請求とかによらず,アメリカ人自身の発意で,それを矯正しております。これはアメリカの歴史が証明するところです。われわれは黙ってその時期が来るのを待つべきです」。そしてその後,高坂先生はこう述べています。「実際,アメリカは自ら反省するのが本筋なのだけれども,そればかりに頼るわけにはいかない。そこで,いかにその誤りや欠点を指摘するか,いかに忠告するかというマナーが重要になってくる」(85ページ)。
こういう文章を読むと,“先生,何で今いらっしゃらないのですか”と思ってしまいます。あー,本当に残念。今の世界の状況を,高坂先生はどう捉え何とおっしゃるのでしょうか。
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