|
『石膏色と赤』吉行淳之介(030322)
いつのコトだったか忘れてしまいましたが,吉行淳之介さんの『夕暮れまで』という小説を拝読したとき,綺麗な文章というのはあるのだな〜と心底感心しました。母にも読むように薦めたのですが,その母から言われたこと。「こんなエッチなのばかり読んでちゃダメよ」。“ち・ちがうんだ,かあちゃん”と思ったことでした。
■『石膏色と赤』(吉行淳之介/講談社/920円)
で,その『夕暮れまで』を読んでから,『驟雨』『砂の上の植物群』などいくつかの吉行作品を読みました。特に大きな刺激は受けなかったのですが,読後感はいずれも悪くなかったように思います。今回はそんな美味の文章をぜひ読んでみたいと思って,この本を買ったのでした。本のデザインが格好いい。装幀・大泉拓,表紙写真撮影・若月英生。特にこの若月氏の写真がいいです。吉行淳之介的気分ってこんな感じじゃないでしょうかね。
この本は吉行氏がいろいろなところに書かれた随筆をまとめたもの。昭和51年=1976年,27年も前の本ですね。予想通り玉石混淆というか石多数。うー。残念。まあ,でも,懐かしいおじさんと会って話したような気分。つい最近のような印象がありますが,いま調べたら吉行さんが亡くなったのは1994年7月26日でした。9年も経っているんですね。遠藤周作さんは1996年9月29日でした。ふう。昭和が遠くなっていく。
|