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『もつと面白い廣告』天野祐吉(030316)
広告―この世界もなかなか奥が深く,かなり楽しいものがあります。赤瀬川原平・南伸坊さんたちの「路上観察」に学んで以来,興味を持ってきました。
■『もつと面白い廣告』(天野祐吉/ちくま文庫/本体505円)
『広告批評』元編集長の天野祐吉さんは文章がお上手。とても読みやすく楽しい読書をさせてもらいました。知人に広告を作っている人がいて1つのコピーを作るのに,100本近く案を考え絞り込んでいくなんて話を聞いたことがあります。そこまで言葉を練り込んで一発決めようとしているんですね。広告屋さんは。昔,糸井重里さんの「おいしい生活」に脱帽したことがあります。ウディ・アレンの顔とこのコピー1つのポスター。あれには参りました。あれでモノの見方を変えられた気がしました。それと比べて上の「今や時代は経費節減と奮闘を促す」の大袈裟さ。「袖口カバーの広告が時代を語るか〜」と笑ってしまいますが,でもね,お役所なんかいまだにこのノリだし,私なんかも相変わらず大袈裟さな精神論が多いわけなんですな。はは。いつだって企業は「経費節減と奮闘を促す」に決まってる。寅さんのタコ社長も。
| さてさて,右の今治水。「こんじすい」ってすっかり商品名が浸透しててあまり気にしてませんでしたが,「いま,治る水」なんですね。すごいネーミング。商品名の上に「いまなをる歯薬」と書いてあります。綺麗な女性に痛む歯に今治水を塗ってもらっている成金めいたオジサンのイラストがすごいっすね。今治水も当初は自信がなかったらしく,この綺麗な女性に「なをったでしょ、ネ、ネ、」なんて言わせてます。何だかいいですねえ〜。大正14年の広告だそうです。 |
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このほか面白い広告の紹介多数。書名が『「もっと」面白い「広告」』でなく『「もつと」面白い「廣告」』ってのが,何だかレトロ感覚を味わおうと言っているようでよいですね。本も面白いけど,現存する企業の昔の広告を見ると,企業努力の跡がうかがえて,何だかその企業を身近に感じてしまいます。よい読書でございました。天野さん,ちくまさん,ありがとうございました。
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