『ナースマンがゆく』小林光恵(030222)
 小林光恵さんの最新刊。テレビドラマで,TOKIOの松岡クンが演じたのが「ナースマン」。男性看護師さん。「男性看護師」という言葉があまり不自然でないのは,前提として,われわれの中に「看護師は女性」ということがあるからですが,逆に「女医さん」というのはその裏返しみたいなものですね(ト,この本にも書いてありますが…)。

  

■『ナースマンがゆく』(小林光恵/幻冬社文庫/本体495円)

 看護に燃える若い男性が看護学校を出て初めて女性ばかりの職場に入ってからの様々な出来事を綴ったのが前作の「ナースマン―新米看護士物語―」。右上が角川書店から出ている文庫本,右下が最初に主婦の友社から出た単行本です。これがテレビドラマになったわけでございます(私の好きなモー娘。のナッチも出演しておりました)。

 「ナースマン」は小林光恵さんの造語です。スーパーマンやスパイダーマンみたいに,強そうな感じはしませんが,何となく信頼できて安心できそう&愛嬌のある語感で,これを思いついたときの小林さんは「いける。これいいよね」などと何度もつぶやかれたことでしょう。

 さてさて今回の小林光恵さんの新作は,そのナースマンのその後を描いたもの。ナースマンはちょっとオトナになっており,それなりの苦労もした風で,病院も移っておりました。彼の日常がよく描かれており,われわれ患者があまり気づかないところで看護の現場はかなり多忙な様子がわかります。私もこのところ多忙ですが,直接人の命に関わる仕事ではないので,それを思えば,医療の現場にいる方々には,通常,多忙でなくとも相当の負荷がかかっているはずなんだなあと改めて思ったりもしました。

 私が1994年3月に入院してからもう丸9年が経過しょうとしています。早いモンです。当時,幼稚園に入園しようとしていた娘がこの4月には中学入学です。

◆文庫◆
 
角川書店/本体495円

◆単行本◆
 
発行:メディアワークス
 
発売:主婦の友社
 本体1,200円

 『ナースマンがゆく』を読んで,いろいろなことを思い出してしまいました。この本は入院経験がある方や医療の現場にいらっしゃる方は,そんな読み方をされるに違いないと思います。また,そうでない方々は,医療の現場ってこんな感じなのかと,肩の凝らないエンターテイメントとしてテレビで『ナースのお仕事』を観るように読むことができるでしょう。小林光恵さんの作品にはいつも気になる人が出てきますが,今回もそういう登場人物が何人もいます。毎度のことながら深刻ぶらないタッチがいいです。さらっと明るく,とはいえ患者や周りの人を観察して,いろいろ気を使って話を進めていく視点は,お人柄もあるのでしょうが,やはり看護教育を受けた方ならではのものなのかなと改めて思いました(こういってはナンですが,テレビドラマでは,なかなかこういうところが表現できないですよね。「せんぱーい!」とか言いつつ,会話などでこういう部分を表現しようとしてもなかなかむずかしい)。オススメです。


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