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『世界一かんたんな経済学入門』西村和雄(021108)
京都大学経済研究所教授・西村和雄先生(分数ができない大学生(2002.7.6)参照)の最新刊。
■『世界一かんたんな経済学入門』(西村和雄/講談社/本体1,600円)
“来ましたね〜,とうとう”という感じでしょうか。巷では“経済学役に立たないゾ論”がよく言われますが,西村先生は,“経済学的な物の考え方は有用なんだぞ論”をわかりやすく一般の方に解説しようと,かなり工夫されています。(1)相談,(2)回答,(3)やさしい経済学(=経済学ミニ知識)が1つのセットとなっており,これが50本。右上の写真は(2)回答の部分です。右側がスケッチブックを破いたように見えるのは,そういうデザインなんです。イラストも満載。なかなか凝った造りで,そのせいかこのお値段。うー。先生,これちょっとお高い感じです。
テーマは,「食べ放題の店に行くのは得か?」(効用最大化の条件),「浮気を許せない女性は幸せになれるか」(ナイフ・エッジ定理),「小学生は好きなことだけやればいいのか?」(包絡線定理),「過去のある女性は結婚相手に告白すべきか?」(ベルマンの最適性原理),「文部科学省に任せるとなぜ学力が低下するのか?」(コンテスタブル市場),「結婚したとたん妻が家事をしなくなったのはなぜか」(モラル・ハザード),「定年退職した男性が生きがいを見つける方法とは?」(複雑系)などいろいろ。ビジネスに関する相談やら教育問題やら,男女間のことなど。より多くの読者の興味を引くようにテーマ立ても多彩。これは編集者からのリクエストかもしれませんが…。
『なるほど。こんな風に考えたことはないなあ〜』ということがたくさん書いてあります。我が家の2人の高校生にも読ませたい。近頃は数学的なものの考え方を説いた本が売れていますが,「物の考え方」を学ぶことの重要性に,多くの人が気づいてきたのだと思います。人間だれしも何かしら失敗をします。感情や直感を頼りに場当たり的にばかり行動していると,反省のしようがありません。誰かのせいにしたり,社会や組織のせいにしてその場の個人的な精神的安定を確保するのがせいぜいです。でも論理的に考え戦略的に行動した結果であれば,後の検証もしやすく失敗から学んだことの共有もしやすい。もちろん成功した要因も比較的はっきりつかめるでしょう。経済学は,そのための有用な道具です。オススメです。我が社のエライ方々にも是非読んでもらいたいなあ〜。
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