『人生の知恵の宝庫「パワー言葉」』すぎやまチヒロ(020911)

  

■『人生の知恵の宝庫「パワー言葉」』(すぎやまチヒロ/知的生きかた文庫・三笠書房/本体533円)
 実は名言集,結構好きなのです。勇気づけられますものね。すぎやまチヒロさんは漫画家。『まるで漫画』『丸かじり「日本国憲法」』『漫画で覚える四字熟語』などの著書があります。私はこの人の描かれるおじさんがいかにもダメおやじっぽく,おばさんはずうずうしいオバタリアンで,若い男性はしょうもなくて,OLや女子学生もセクシーだけど間が抜けている,けれど何だか人間に対する愛情を感じてしまうなんてところが好きなのですが,今回は,そういった方々は登場しません。この本は各方面の有名な方の上半身のイラストとその言葉,すぎやま氏の解説で構成されています。新刊です。ちょっと引用。

 明日は,明日は
 と言ってみたところで,
 そんな明日は
 いつまで待っても来やしない。
            島崎藤村(小説家)

(略)明けない夜はないとか,明日という字は明るい日と書くのねとか,むやみに明日に期待を持たせるが,これを単純に信じていては将来は明るくない。
 先日,後楽園ホールにボクシングの試合を観に行った。メイン・イベントの前の前座試合で,ダウンしてもダウンしても立ち上がる四回戦ボーイの姿に,私はえも言われぬ身震いを感じた。知らぬ間に拳を握りしめて,「きっとお前には明日があるぞ」と心のなかで叫んでいた。こういう選手には輝ける明日が来ると私は信じている。
 未来に希望が持てなくては,たしかに人は生きていく甲斐がない。だが,そのためには,明日からではなく,今から始めなくては明日につながらない。
 充実した今日の延長線上に,明日はあるからである。

 当たり前すぎる記述ですが,でも,改めてこう言われると我が身を振り返ってしまいます(島崎藤村を小説家と断じているのは遺憾ですが)。すぎやま氏があの後楽園ホールにボクシングを観に行かれるというのはちょっと意外。拳を握りしめちゃうのはわかる気がします。

 ご覧のとおりカバーが格好いいです。『アテネの学堂』。ラファエルロでございますね…なのですが,何と,これ左右反転してます。ビックリ。ワザとなんでしょうか。しっかり収まっているけれど…。で,カバーをハズしてみると表紙はダ・ビンチの,例の飛行機とかの素描です。この雰囲気はいいですねえ。知的な感じ。とはいえ,ファンとしては「やっぱり漫画もふんだんに入れてほしかったなあ」と,押さえがたい欲張った感想を持ってしまうのでした。すぎやま氏の味をもっとアピールしてほしかったなあ〜。リングサイドで,涙流して鼻水垂らしてダウンした選手を応援するオッサンは絵になると思うんですけどねえ。片手にアンパン持たせるかどうかは悩みますが…。


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