近頃の読書(020509)
 ここのところ,何だかんだで忙しく,読書はもっぱら就寝前30分ほどという感じでした。この2週間くらいは「小沢昭一さん特集」。『ドキュメント綾さん』は読後すぐに知人に貸してしまって,手元に現物がなく価格がわかりません。また,『私は河原乞食・考』はカバーがどこかに行ってしまい,写真なし価格不明です。すみません。

      

■『ドキュメント綾さん』(小沢昭一/文春文庫),『陰学探検』(小沢昭一+永六輔/創樹社/定価680円),『私は河原乞食・考』(小沢昭一/文春文庫)
 この3冊は,読んでよかったと思える本でした。特に『ドキュメント綾さん』と『私は河原乞食・考』は名著と言っていいように思います。『ドキュメント綾さん』は小沢昭一さんが今でいう「ソープ嬢」から,サービスや生い立ちなどを聞いてまとめたもの。個室を劇場とみなしての客と演じ手のあり方のようなものを,また人の生き様を,小沢さんは探っています。それは『私は河原乞食・考』にも言え,役者とは何か,芸能とは,芸とは,ついでにゲイとは…なんてところにも話が及んでいます。この本の付録についている「落語と私」は名文です。この付録は実に真面目なおいしい文章でございました。『陰学探検』は小沢さんがブルーフィルム関係者,芸者さん,ポン引などいろいろな人から淫靡方面の話を聞いて,それを永六輔さんが編集したもの。この本の中で永六輔さんが「小沢さんは真面目に不真面目になろうとしている」という評をしています。これは鋭い。まさにこれらの本の中で見られる小沢さんの人となりはそんな感じです。いずれの本でも,どんな人と話しても小沢さんは真摯で基本的に控えめです。対談をした際などは相手の方への細やかな心遣いも感じられ,「ええおっさんやなあ,エッチだけど…」と何度も思ったことでした。

■『チョットいい犯罪』(山中伊知郎 イラスト南伸坊/図書新聞/本体1,359円)
 私は犯罪関係の本(ノンフィクション)も何故か結構好きでして,最近では佐野眞一さんの『東電OL殺人事件』を読んで以来の犯罪モノです。今回は軽い読み物で,南伸坊さんのイラストも楽しみながら読みました。本文は残念ですが犯罪を楽しんでしまおうとしすぎた記述が多く(私の修行不足もあるのでしょうが)「この件は,私には笑えない」というのがだいぶありました。が。もちろんこの本で紹介されたいくつかのナサケナーイ犯罪には,ココロシミジミとなるものもありましたし,著者のヒトゴトでない生活ぶりに思わず共感してしまうところもあり,わたくし的には,そこそこ満足できる読書でした。
 
南伸坊さんのイラストは期待通りなかなかいいセンでした。ご自身やお仲間の本と違い,お行儀のいい仕上がりです。これはこれでよいのですが,どうも著者の書かれた記述が南さんにはシックリきてないようだなあ…と,何度も思いました。プロの立派な仕事ではあるけれども,南さんの場外乱闘気味なところが好きなファンとしては,正直言ってすこーし物足りない,などと思ってしまいました。


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