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近頃の読書(020421)
■『ハリーポッターと賢者の石』『ハリーポッターと秘密の部屋』『ハリーポッターとアズカバンの囚人』(いずれもJ.K.ローリング作・松岡佑子訳/静山社/本体1,900円)
我が家にあるハリー・ポッター・シリーズ第1作『ハリーポッターと賢者の石』は奥付によると初版は1999年12月。第2作『ハリーポッターと秘密の部屋』が2000年9月,第3作『ハリーポッターとアズカバンの囚人』が2001年6月。ようやく読みました。話題の本ではありましたが,私はあまりファンタジーとかミステリーには興味がなく(つまらんオヤヂで…),妻や子たちがいくら盛り上がっていても手に取る気にはなりませんでした。先日ふと気が付くと,読みたい本がなく,それならば,ちなみに…と『賢者の石』を読み始め,後はそのままどおおお〜っと3冊読んでしまいました。
多くの読者を獲得しただけあって,大変面白い読み物でした。翻訳もよいと思います。少なくとも「日本語としてこれは変だろう」と思う部分がないのが凄いし,さらに文章のリズムがいい。原作者は当然評価するとして,訳者・スタッフの方々の力量も並々ならぬものがあると感心いたしました。この辺までですと,普通のヒットだったのでしょうが,カバーや本文のデザインもいいです。カバーを見て,かつて大ヒットした村上春樹さんの『ノルウェーの森』,NHK出版から出た『ソフィーの世界』(ヨースタイン・ゴルデル著/池田香代子訳 監修須田朗)を思い出した人も多いのではないでしょうか。本文のデザインもよくできてまして,お洒落で読みやすい。内容がいいのは当然の前提として,さらに持って歩いても開いても,これは知性を演出するファッション・アイテムになったんじゃなかろうかと思います。『ノルウェーの森』『ソフィーの世界』もそうだったのではないでしょうか。デザインも大ヒットの大きな要素になっていると思います。これら一連の作業を仕切っているのは訳者で静山社社長の松岡佑子さん。凄いですねえ。読後「いい仕事ですねえ」「ありがとうございます」と心の中で言ってしまう良書でございました。次が楽しみ。ついでにコレが映画でどう料理されているのか,観てみたくもなっております。
■『市民のための地方自治入門』(佐藤竺監修・今川晃編著/実務教育出版/本体2,000円)
ハリポタで空中浮遊など冒険をした後,再び現実に(ハリポタ的に言うとマグルのオジサンの家に帰ってきたってところでしょうか)。かつて細川元総理が熊本県知事だった頃,地方自治に興味を持ったことがあり,久々にちょっとお勉強。私のお勉強は興味のあるところをフラフラするだけなので,いっつも中途半端で少しも深まらず,毎度「入門」なんてのばかりを読んでおります。
この本を監修された佐藤竺先生は成蹊大学名誉教授。行政学会の御大。編著者の今川晃先生は四日市大学総合政策学部教授。気鋭の行政学者というところでしょうか。このお二方と他4名の学者さんが12章を分担執筆されています。「市民のための」とあるのですが,従来通りの古い大学の教科書風なつくりで,私のようなレベルの低い市民には読みづらかったのが残念。ところどころに入っているコラム(23本)は読みやすいのですが,基本的に学者さんのマジメな概念的な文章が続きます。地方自治の概念・歴史・現状・今後の課題を幅広く網羅(制度・組織・財政・住民との関わり・国や自治体間の関係・自治体職員について・政策など)。索引がよくできていますので,手元には置いておきたい本です。私には,具体的な事例を挙げて解説された第9章『政策と住民のかかわり』(田島平伸・岩手県立大学総合政策学部助教授執筆)と,自治体の社会保障政策や環境問題について解説された第12章『社会の変化と自治体の役割』(飛田博史・〈財〉地方自治総合研究所研究員執筆)が特に勉強になった気がします。何かというと「お上」に期待するだけでなく,自分たちで主体的に地域の問題に取り組んでいる自治体の話は励みになりますし,示唆されるものが随分多いです。
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