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2008.6.4最高裁大法廷「国籍法規定違憲判決」に異議あり(080607)
2008年6月4日,「結婚していないフィリピン人の母と日本人の父の間に生まれて生後に認知された子が日本国籍の確認を求めた裁判」で,最高裁の違憲判決が出ました。
私は,子どもは親を選べないので,こんな場合,最終的結果的には今回のような対応をすることについては基本的によいと思う(偽装認知等についての心配もいわれておりますが,まずはオトナの都合でなく,子どもたちのことを考えたい)のですが,この判決そのものにはかなり違和感を感じました。
■まず,大まかに言って「家族生活や親子関係に対する意識の変化や実態の多様化を考慮すると,2003年以降,国籍法の規定は違憲になった」という表現について。これ,たとえば,「自衛隊の海外派兵は,憲法制定当時は違憲だったが,最近の状況を考慮すると合憲になったといえる」とか「超低レベルな生活保護政策への転換をしても,昨今の国や自治体の財政状況を考えると違憲(憲法25条(※)違反)とはいえず合憲」なんてのが,アリになっちゃいそうな「言い回し」であります。「憲法の番人」が状況によって合憲違憲の判断がフラつくという,「憲法を軽くする」ようなことを自ら言っちゃあ,メッチャマズイじゃんよ〜思います。状況に応じて臨機応変に対応するのは,議会とか行政の役割であって,最高裁(特に重要な憲法判断をする大法廷)は,終審裁判所(憲法81条)として,デンと「動かざること山の如し」でなきゃイカンであります。
※憲法25条〔1〕すべて国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。〔2〕国は,すべての生活部面について,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
■それと,判決で国籍を認めちゃったのもどうかと思います。「日本国民たる要件は,法律でこれを定める」(憲法10条)という憲法の条文を,(最高裁なんだから特に)尊重して然るべきであって,しかも憲法10条は「家族生活や親子関係に対する意識の変化や実態の多様化」によって,国民たる要件が変化することを見通している文言になっています。判決で国籍を認めるのでなく,2人の裁判官が反対意見で述べられたように「国会の立法措置」で,国籍の要件を変えるのがスジだと私も思います。
つまり,何だか今回の最高裁の判決は,憲法を「軽く見ている」あるいは一般法とほぼ同等レベルに「軽くしようとしている」という感じがするのです。これは危険だと,強く思います。
とはいえ,まあ,何と言っても,超優秀な最高裁判所の裁判官の皆様が判断されたことですので,私のようなチンピラがまさに愚考し出した批判など専門的には当然どうということもないのですが,しかし,一方,こと憲法に関しては,民法商法刑法訴訟法(さらにそれより細かい法令…)なんてのと違って,国の法律の大本の基本法なのですから,政府には国民にきちんと周知するようにしてほしいし,憲法判断について国民は「消費税って何パーセント?」「ガソリン1リットルいくら?」ということ以上に敏感でいなくてはいけないと考えます。
というわけで,憲法に絡む事柄ついては,庶民感覚として変だと思ったら変だと大声で言わせていただきたい。
今回の最高裁の判断の多数意見は次の9名の裁判官によります。
島田仁郎,泉徳治,才口千晴,今井功,中川了滋,
那須弘平,涌井紀夫,田原睦夫,近藤崇晴
「最高裁判所の裁判官の任命は,その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民審査に付し,その後10年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し,その後も同様とする」(憲法79条2項)のとき,私はこの方々のお名前を見たら×をつけたい。
覚えていられるかなあ? ま〜ず,無理でしょうねえ。裁判官って,なってしまえば結構安泰そうでうらやましい。犯罪とか人や組織の争いという「メシのネタ」は無限にありますものねえ〜。私も東大法学部にでも行けばよかったなあ〜。(爆笑)
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