●長野県・田中康夫知事不信任(2002.7.7)
そうなるのだろうなあ…と,最近の報道から思っておりました。県民が選んだ県議会議員の方々が,県民が選んだ知事に不信任決議をつきつけたわけですね。外からたまに見ているだけで詳しいことはわかりませんが,こういうことは起こりうるでしょうし,こういうことが「異例」というのが異例…という気もします。
就任当初は県職員から,そして今回は県議会から「No」と言われてしまった田中氏。田中氏自身の失敗もあったかもしれませんし,もしかすると選挙のタイミングがずれていた県議会議員のほうが民意からかけ離れたところで不信任を可決してしまったのかもしれません(議員は民意に敏感ですから県民の皆さんの中に「田中氏ではダメだ」という声も,ある程度あるとは思いますが)。誰でも失敗はします。集団で失敗もする。迷いもある。県議も知事も,「選んだのは県民」です。長野県民の皆様はこの事態をどう考えられるのか大いに興味があります。
先日お話をうかがった三重県の北川知事は,「知事は県民の皆さんからの支持をバックにやるだけやってもめるようなら,最後は議会解散なり知事選をやって再び住民の意見を聞くしかない」と,おっしゃっていました。私はこれに賛成です。波風立てないことも大事ですが,波風立てないことを優先して政治に大きな影響力を持つ個人や企業・団体などの既得権益保護を最優先したり,怠慢な繰り返しを正当化するといったことは認めがたい。多少もめてでも,これは民主主義の必要なコストなのだと割り切って,これからの県のビジョンを再確認することが大切だと思います。そういう意味では,今回,長野県の県政については根っこのところから議論する環境が整ったわけで,これは将来の長野県のためにはよいことなのではないかと思います。
知事など首長は多選,議会はオール与党で政争もなく,活気のない安定の上で政治家や政治家に近い人たちだけが利権を貪っているような自治体はたくさんありますし「国」だってそうなのでは…。首長と議会の緊張関係も必要です。こうした緊張関係を保つ仕組みを可能にするのは住民です。田中氏にとっては辛いことが多いと思いますが,ここは議会解散なり知事選なりあるいは両方で,県民の声を噴出させていただきたいと思います。
長野は他の自治体のいい見本になるのではないでしょうか。今後どうなるのかさっぱりわかりませんが,「自治ってこういうことだよ」といういい事例になってくれることを期待しています。三重の北川知事のお話をうかがった興奮が残っている観客席からの無責任な期待で,当事者の長野県民の皆様には申し訳ないですが…。 |