初見とポジション
 

高い音とポジション

 楽器の性格上ベースは高い音を出すことが困難です。予め高い音を出すことが判っていればまだましなのですが、初見で急に高い音が出てきたときはびっくりして弾けるものも弾けなくなるなんて事はしばしばあります。インプロビゼーションにおいて高い音を出すのは自分の自由意志ですから、これはこれで楽なのです。なぜ楽なのでしょう?それは視線を指板の方に向けていられるからです。譜面を見ているとそうはいきません。
 ですから初見の場合高い音がいつ出てくるかを知らなければならないでしょう。知っていた方がいいでしょう。 ではどうやって予め知るのでしょう?それはカウントをとっている僅かな時間内です。ワン、トゥー、ワントゥースリーフォー。この時間は大切です。暗譜している場合はそのテンポとリズムを体で感じて気持ちを昂揚させる事に専念出来ますが、初見の場合は譜面全体を見通し把握することに時間を使うのです。全体的に把握することは以下の通りです。
  • キーは何か、何拍子か。
  • 転調はあるか。
  • D.SやCoda、リピートはどうなのか。(これが鉛筆で修正されている場合は鉛筆の濃さを見て、それが生きかどうかも知る。)
  • 高い音が集中して出てくるか。集中してない場合は気にとめなくて良い。
 ざっとこんなところでしょうか。スローで簡単な譜面でしたら演奏が始まってもこれらの作業に時間を充てる事が出来るでしょう。横目でチラチラといった感じでしょうか。でも現実にはスローな曲ばかりではありません。そんなときはあきらめましょう。出たとこ勝負です。オロオロしないで気持ちを落ち着けて下さい。次の作業があります。セーニョマークの出現です。五線の上部に表記されていますから出てきたら「ああ、ここいら辺だな」とおよその場所を覚えておきましょう。でてこなければそれまでのことです。リピートマークの位置も覚えられたら覚えましょう。
2 初級 初見とポジション
 

キーとポジション

 ではポジションはどう決めたらいいのでしょう。キーが分かっていて高い音が出てくるのかどうかが分かっている場合はポジションはどう決まるのでしょう。
 まず、キーが決まればそのキーで演奏しやすいポジションが決まります。例えばCメジャーキーであればCメジャーのスケール(音階、この場合はドレミファソラシド)の音がより多く演奏できるポジションがそうです。
 第IIポジションなどはどうでしょう?右の譜例のように11個の音が出せます。第Iポジションはどうでしょうか。同じく11個の音が出せます。しかし、開放弦という特別な音を使うし主音であるCの音は1つしか出せません。ただ、より低い音が必要なときには良いでしょう。
 第Vポジションはどうですか?出せる音数は10個。少な目です。しかも上のBの音が出ないので、連続性には欠けます。ただしこのポジションはペンタトニックには有利に働きます。第VIIポジションはいいですよ。音数は12個です。一番多く出せます。ただし、低めの音が出せないので高めの音が必要な時はいいですね。
 この第II,VIIポジションを指板で図示すると下のようになります。
第IIポジション
第VIIポジション

 中に白い点のある黒丸が中指で押さえるC(主音)です。つまり中指で3弦または4弦上で主音(この場合C)を押さえられるポジションがそのキーが演奏しやすい、ということです。まあこれが結論なんですけどね。
 そうすると第IIポジションではもうひとつ弾きやすいキーがあります。Gメジャーです。弾き方は上の図の右側、第VIIポジションとおなじです。これを第IIポジションで弾けばGメジャーのキーになります。この方法であらゆるキーを考えて下さい。ここで全てのキーについて解説はしませんが、第Iポジションという特別なポジションについては次のセクションで解説します。 

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特別な第Iポジション

 一般の入門書ではここら辺が曖昧にされていると思うのですが、第Iポジションだけは特別です。例えば、4弦上で中指はF#の音ですからF#メジャーが弾きやすいです。さらに開放弦を使うと半音下のFメジャーキーも弾きやすいです。下に図で示しました。
F#キー
Fキー
 この様に半音違いでも弾けるのです。同様にBとBも弾けます。ここまでの考え方は、中指で3、4弦上の主音を押さえるというものです。しかし主音がどこにあってもよいとすると、何とあらゆるキーで弾くことが出来るのです。なぜでしょう?それは半音で連続的に、つまり1つも欠落音なしに音がつながっているからです。
 原因は何でしょう?ここから先は余談です(私は大切なことだと思っていますが一般性に欠けるので余談と言いました)。人間の指が5本だからです。6本あればあらゆるポジションであらゆるキーが弾けます。しかし6本は無理。ならば弦が長3度チューニングならば可能です。これらは余談です。
 さて、練習用の譜面を下に示しますので、in tempo で練習して下さい。

4 初級 初見とポジション
 

キーとポジションの練習

 この章のまとめとして、あらゆるポジションでの練習をしてみましょう。ここでは皆さんの自作のカードを使ってもらいます。カードの作り方を説明します。先ず厚紙でカードを21枚用意します。大きさは大きくてもトランプ位で小さくても花札あたりがいいでしょう。名刺サイズもいいでしょう。大切なのは裏から透けて見えないことです。カードに書き込むのは...
 合計21枚です。初めは最初の7枚を使います。裏返しにしてよくシャッフルします。その7枚全てを横に1列に並べます。楽器を構えます。7枚をすべて表返しにします。例えば、F,D,B,G,C,E,A とすると先ずFメジャーのキーが弾きやすいポジションに左手をおきます。具体的に言うと、第Iポジションに手を置き出せる最低音のEから最高音Bまでの12個の音を出します。次に第VIIポジションに手を置き出せる最低音のCから最高音Fまでの11個の音を出します。次は第XIIポジションですがハイポジション過ぎるので、やらなくていいでしょう。そして次はDメジャーキーで同様にやります。二度と言うつもりはなかったのだけれど、ここまでの熱心なあなたは、もうお解りだと思いますが「最低音から最高音まで」と言われたら、
  • 最高音から最低音まで
  • 一つおきに、つまりドミレファミソファラ、またはドミソシ、レファラドなど
くらいの応用は言われなくても自分で考えて練習してくださいよ。
 7通りやったら次は、C# D# F# G# A# の5枚とD E G A B の5枚、合計10枚をさらに加えて17枚のカードで同様の練習をします。
 最後は全てのカード、21枚でやります。
 このカードは後に再び使います。また、あなた自身で工夫してどんどん使って下さい。
 これで初級を終わります。
 
以上。

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