純正律と平均律
 

周波数を2,3,4,...倍してみよう

 質量が1/2になると周波数は2倍になります。ベースで考えますと例えば3弦の開放弦を弾くとAの音が出ます。この弦のちょうど半分のところは12フレット上になります。そしてここを押さえて弾くとオクターブ上のAの音が出ます。12フレットの上に軽く指を触れて弾いても同じ音が出ます。これはハーモニクス奏法です。触れた指は離してもいいです。むしろ離した方が音の伸びはいいです。
 つまり、1オクターブ上がるということは周波数が2倍になるということです。これを第2倍音と呼びます。

 では弦の1/3、1/4、...の場所はどこでしょう?周波数が3、4、...倍になるとどんな音が出るのでしょう?弦の長さを物差しで測ればいいでしょう。
 すると1/3の場所は7フレットの上あたり、そして19フレットの上あたりになります。ハーモニクス奏法で音を出してみるとどちらもEの音だと判ります。これが第3倍音です。第2倍音からみると第3倍音は完全5度上の音になります

 1/4の場所は3箇所あります。しかし、真ん中の12フレット上でハーモニクス音を出しても第2倍音が出るだけです。ですから5フレット上と24フレット上の2箇所です。では何の音が出るのでしょう?これは実際に出さなくても理論だけで求められます。4倍は2倍の2倍です。4=2x2です。で2倍の周波数になると1オクターブ上の音がでますからさらにそのオクターブ上、つまり2オクターブ上の音が出ます。これが第4倍音です。


 ここまでのまとめをします。周波数が2倍になると音程は1オクターブ上がる。3倍になると1オクターブ+完全5度上がる。つまり次の4つが言えます。
  • 周波数1:2は1オクターブ(第2倍音)
  • 周波数1:4は2オクターブ(第4倍音)
  • 周波数2:3は完全5度(第3倍音)
  • 周波数3:4は完全4度(上記から判る。第3倍音からみた第4倍音)
 こういう考え方で進めて行くのが純正律です。覚えておいて下さいね。(考え方というより自然発生的なものでしょう)
2 理論 純正律と平均律
 
第5倍音

 5は素数なので新たに考えなくてはいけません(ワカルカナ?)。その5箇所はどの辺になりますか?測ってみると、4,9,16,28フレットの上あたり(およそ)になることが判るでしょう。28フレットの付いている楽器はないでしょうからJazz Bassタイプの楽器でいうと「フロントマイクのやや左」ということになるでしょう。
 それで何の音が出ましたか?....「あたしゃパソコンの前に座っているんだよ。何の音が出たかったって言われたって楽器が手元にないんだよ。大体このベース講座はタカビーなんだよ。読んでいて腹が立ったぞ!」....いやあもっともです。では答えは後回しにして平均律について話を進めましょう。

3 理論 純正律と平均律
 
平均律

 1オクターブで周波数が2倍になる為には半音で周波数が何倍になればいいのか。この発想で出来たのが平均律です。1オクターブは12個の半音で成り立っていますから、
 AxAxAxAxAxAxAxAxAxAxAxA=2
 A12=2 12乗すると2になる数 つまり A=(2の12乗根)=1.059463094......=1.06


 となります。私は電卓片手に表を完成させました。
1オクターブ内の周波数比
C C# D D# E F F# G G# A A# B C
1.00 1.06 1.12 1.19 1.26 1.33 1.41 1.50 1.59 1.68 1.78 1.89 2.00

 C=1.00とすると、C#=(2の12乗根)=1.06です。さらに半音高いD=1.06x1.06=1.12となります。このように1.06倍を繰り返して出来た表が上の表です(正確には1.059463....倍)。
 この表をもとに純正律での考えを当てはめてみましょう。まず、「オクターブは2倍」これはいいでしょう。完全5度は2:3です。完全5度=2:3=1:1.5ですから1.5を表から求めますとGです。正確にはG=1.4983ですからGに近いといえます。
 完全4度=3:4=1:1.333...表から求めるとFですね。正確にはF=1.3348...です。まとめますと...

  • 純正律では完全5度は、2:3=1:1.5
  • 平均律では完全5度は、1:1.4983
  • 純正律では完全4度は、3:4=1:1.33...
  • 平均律では完全4度は、1:1.334839...
 先ほどペンディングだった第5倍音はどうでしょう?基音(もとの音、第1倍音ともいう)をCとすると第2倍音も第4倍音もCですね。ですから....
 第4倍音:第5倍音=4:5=1:5/4=1:1.25=(表から)=C:E およそですよ。つまり長3度の音が出ます。これをまとめますと....
  • 純正律では長3度は、4:5=1:1.25
  • 平均律では長3度は、1:1.2599
 第3倍音:第4倍音:第5倍音=3:4:5=G:C:E ですから、3:5=G:E=(長6度)です。5/3=1.666....確かに表を見るとA=1.68ですし、CとAは長6度です。まとめます。
  • 純正律では長6度は、3:5=1:1.666....
  • 平均律では長6度は、1:1.68179
4 理論 純正律と平均律
 
話を純正律に戻して第6倍音

 6を素因数分解すると、6=2x3です。3x2の方が判りやすいかも知れません。つまり第3倍音の1オクターブ高い音です。右に基音をCとした倍音を並べて見ました。第4,5,6倍音でドミソと続くところが特徴的ですね。  

5 理論 純正律と平均律
 
倍音は続くよどこまでも

 線路は続くよどこまでも。という歌がありますがあれは嘘です。必ず終点があります。「でも環状線ならどうなの?」うーん、なるほどね。ではあの歌は山手線などの環状線の歌なんだなあ。野を越え、山越え、谷越えて...
 いかんなあ。ひとりで原稿を書いているとくだらない事を考えてしまう。しかし、しかしですよ。倍音は無限に続きます。理論上はね。現実には音は空気の振動として私達の耳に達するのならば考えるべき上限はあります。ましてや、物理研究をしてるわけではなく音楽で扱う音を考えているので、第16倍音まででいいでしょう。ここまで考えればその結果は音楽に生かせることが出来ます。もしあなたがそれ以上の倍音について考える必要があると感じたならば、どうぞあなたの考えを進めて下さい。そしてあなたの音楽性が高まることを私は期待しています。
 ここで倍音を分類します。

  • 第2,4,8,16倍音.....基音とオクターブ違い
  • 第3,6,12倍音.........基音と完全5度
  • 第5,10倍音.............基音と長3度
  • その他(今のところ)です。
 その他もこれから分類することが出来ます。例えば、第9倍音はどうですか?9=3x3ですぞ。完全5度上のさらに完全5度上の音になりますね。つまり長9度、オクターブ下げると長2度になります。右に基音をCとして譜面を書きました。C:G=2:3 G:D=2:3 よって C:G:D=4:6:9 となります。単に長2度ならば C:D=8:9 となります。ここで間違って欲しくないことは D:E=8:9 とはならないことです。基音が違えば同じ長2度でも周波数比は違うということです。今はCを基音に考えています。ハ長調です。純正律では調子が変われば周波数比も変わると言うことです。このことは追々判ってくると思うので話を先に進めます。
 1,2,3,4,5,6と来たので第7倍音について考えましょう。7は素数なので新たに考えなくてはいけません。前出の平均律の周波数比の表を使いましょう。どうやって?もうこれは数学の問題ですね。基音(第1倍音)となるCは2倍しても4倍してもCですから(第4倍音):(第7倍音)=C:X エックスです。このXが判ればいいのです。
C:X=4:7
7C=4X
C=1とすると(表でC=1.00なので)
7=4X
X=7/4=1.75
表より X=A#(=Bb)
 およそですが短7度(増6度)になります。まとめますと....
  • 純正律では短7度は、4:7=1:1.75
  • 平均律では短7度は、1:1.78179(=2の12乗根の10乗)
6 理論 純正律と平均律
 
表を使ってまとめます

 まだ第11倍音、第13倍音については触れていませんがここでゴチャゴチャ言うとまた「もういいよ。やめて!!」となりますから兎に角まとめます。


純正律の周波数比

オクターブ

ファ
1
           
2

完全5度、完全4度

ファ
2
     
3
   
4
   
2
     
3
 
     
2
     
3
3
   
4
       
 
3
   
4
     
   
3
   
4
   

長3度

ファ
4
 
5
         
     
4
 
5
   
       
4
 
5
 

短7度

ファ
b
4
         
7
 

長2度

ファ
8
9
           

簡単な比でまとめると
ファ
ファやや#
ラややb
b
8
9
10
8・4/3
11
12
13
8・5/3
14
15
16
      10.66..       13.33..      
 

以上。
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