3 二代目へ

二代目の宿命は、社長や古参の社員より、知識経験のないことであるが、先代や周囲の期待に応えるべく奮闘する。
彼らの多くは、背伸びしてでも統治しようとし、納得の得られない指示で見張り、恫喝管理を行い社員のやる気をなくし、あたら人材を失う。

3−1 花は捨てても実を採る

 何故、社員を見下くだす態度を取るのか?
特に、会議の席上で、批判、批難を、あの見下ろす調子でやったのでは、社員に、「お前らはバカで俺は利口なのだ、俺の云うことをきいて、そのとおりやればいいのだ。何故、俺の云うことが聞けないのか」、といっているのと同じだよ。
二代目が、この14年、苦労したのはよくわかっている、先代から、早く社員を超えろ、と云われ続けて頑張ったのも。
古手が居なくなった今、現業も一番詳しいのだろう、社員のやっていることが間違っていたり、もたもたしているように見えるのだろう。
しかし、だからといって、あのような扱いをしたのではやる気など出るわけがないと思うがどうだろう?
仮に、自分がそうされたら?立場を替えて考えてみたらどうだろう?。
先日辞めたM君も、二代目は何故辞めたのか分からないといったが、彼は、二代目が自分を少しも認めずガミガミいうだけだからいやになったのだと漏らしていたそうな。
二代目自身もM君を育てようとしていたにもかかわらず、そう取られていたとは・・・。
相手が、どう受け止めているか、どう感じているかが、問題なのだ。
俺は間違っていないと突っ張るが、確かに間違ったことを指摘したのでも、云ったのでもない、しかし、やる気をなくさせたり、辞められたりでは結果が少しも良くはならない。
経営者は、花は捨てても実を採って結果を出し、目的を果たすものだよ。


3−2 二代目の役割とは

二代目と先代の口論に対してのアドバイスである。

また、先代と揉めたらしいね、そう焦りなさんな。
先代は現場に入れ、といい、二代目はその必要はない、という。
わたしもそう思う。
現場で、係長や、課長の仕事、あるいは、パートの手伝いをして現場の評判を良くするのが二代目の役割とは思わない。
もし、そうだったら、社長としての給料は払えない。
ただし、現場の実情は掴んでいて欲しい、熟練はしないまでも。
そして、問題があれば作業者に直接云わずに管理者に言って欲しい。指摘にしろ、理由を訊くにしろ、対策を訊くにしろ、その上でアドバイスなりするだけの知識は必要だ。
任せるということはそういうことだから。
決して、頭越しに指示はしないことだ、たとえまどろっこしくても。
でないと、組織が壊れてしまう。
現場は、ベテラン作業者に任せて、彼らがやる気の出るシステムを構築して権限委譲する、先代に頼っていた作業者たちに自ら考えさせる自立自助の風土を作るり、次の時代の飯の種、新しい柱をもう一本打ち立てるのが後継者の役割だろう。
我々の時代は、先代のやり方をそのままなぞりながら超えなければならなかった。
今は、コンピューターとインターネットという先代が使えなかった強力な武器が有る。
これで、やり方を変え、先代が出来なかったことも可能だし超えることもそう難しくはなくなった。
一目置かせることはずっと簡単になった、だから、そう焦りなさんな、先代とも明日じっくり話すから。


3−3 何を依頼しているか 

 経営者が何を依頼しているのか明確にしないと、<やる気にならねばならない気>にもならないよ。
折角賞与を出しても、例によって、査定結果を、管理、監督者に説明しないとは、組織をぶち壊す行為だよ。

計画案も、二代目は必要としないと思われているようだ。
Sさんの作業が遅れて提出が未だなのもよくないけれどもね。
二代目が必要なくても、彼ら(生産現場)は自分たちのために必要とは感じてきたようだから、大進歩だけどね。
会社に対する貢献度で査定しているのだ、と、組織に感じさせないと、それも元に戻ってしまうが。


3−4 正しいことをいっても

 正しいことをいっても、結果が良くならなければ何もならない。
自己満足、自己顕示が目的であれば別だが。
よく見る風景は、上司が会議で批判する内容がそれである。
現象、担当者を批判しても、せいぜい当面策とはなっても根本策でないため、新提案、再発防止などには繋がらない。
語調、語句によっては、バカにされたと受け取られ、むしろ、反発、反感を生んでいる。
しかも、それがたまたま発見された現象についてであれば尚更のこと重箱の隅を突付いただけで意味がない。
社益とならない問題に当事者が気がつく、根本的、内発的に改善される自己責任システム、すなわち、実績からみる貢献度評価システムが必要とされるのはそのためである。


3−5 70点で満点とせねば

新工場稼動のご苦労はお察しします。
一日も早い稼動を願っています。

計画は漏れが認められたので、再度点検して提出させます。

 さて、なんと書いたらよいかと迷っています。
ストレートに書けば社長は反発し、逆効果かもしれないし、書かなければ事態は悪化するだろうし。
しかし、二代目が虚心坦懐に受け止めてくれることを期待して書きましょう。

当社の問題は、社員(班長、社員)の仕事への姿勢はほぼ問題なくなり、二代目への反感だけが問題として残っているだけです。
それも、目的の共有(利益の改善)という姿勢にはなっているのだから、感情的なものだけ。
その発生するところは、繰り返しになるが、少しも変らないようだからあえていうと、、見下げた物言い、褒めることなくとがめるだけ、何についても自分が正しくそれに従わせようとする、と、彼らに受け止められていること。
班長以上の全員が、そのことで辞めたい、といっている。
昨日は、叔父さんまでがそれを心配して言ってきた(新工場作業の手伝いをしてそれがよくわかったと)。
業績をよくしよう、自分を認めさせよう、とするのはいいが、上記結果は継続を阻害し、経営者としては落第になる。
皆、二代目の能力を認めているし、大方は正しい、と認めているのに反発されるとは不幸なことです。

アンケートを取ったら、相変わらず、サービス残業が問題にされているとのこと。
残業を申請どおりに認めたらいいじゃないの。
認める、と口では言いながら、文句を付けるから(彼らはそう受け止めている)から、いやいやあるいは恩着せがましく残業しているのだから。
今の仕組みだと、残業が経費増大であり、パートが困るということは、労使とも共通認識として理解されている。
残業手当が増えれば、燃料その他経費も増え、ボーナスが減る仕組みになっているのだし、彼らもそれを理解しているのだから。
二代目があえて、それを非難する必要はない筈。
彼らとて、残業せずに賞与を取れるほうが得で楽なことは分かっているのだから。
二代目が心配するような残業で稼ごうなどというのは、社員相互に牽制が働いてそうはならない筈、まして、パートに稼がれてしまうのでは尚更。
大体、残業で稼ごうというのは能力のないもので、能力のあるものは短時間高能率を目指すもの。
ということは、相互監視、牽制が働くのです。

 仕組みとしては、彼ら自身で、やり方を工夫し成果を挙げるような仕組み、貢献度で評価する仕組みになっているのだし、彼らもそれを理解してきたのだから。
ただし、経営側から、やり方を高圧的(従来の二代目的)に指示したら結果責任は問えない。
せいぜい、いうことをきいたかどうかぐらいしか査定できないし、それでは、尚更、辞めるものが出るだろうし、元に戻ってしまう。

やはり、やり方を問わず、結果を問わないと。
要は、彼らのやり方に30点ぐらいの問題があってもケチをつけないこと。
70点だったら、改善されている筈だし、30点の問題は自覚しているのだから。
自覚しているにもかかわらず、二代目からまた指摘され、見下げられるから嫌気がさすのだから。
これは、立場を替えればだれだってそうなるのではないですか。
先ず、70点を褒めなさい、そのうえで指摘、アドバイスするなら感謝されるのだから。

以上の度量がなければリーダーの資格はない、というより、部下からも周りからもリーダーとして認められないし、やる気のあるものは辞めて、行き場のないものだけが残る、結局、組織の継続は成らないのです。


3−6 認めよう

25日に、売り上げは生産部門で予測する内容で、計画案提出を予定です。
今期実績を参考に、計画の実現度を役員間で審議してください。

それと、褒めずにケチばかりつけていると、ようやく出た芽を摘んでしまうよ。
任せて、自主的に考えてやって欲しい、と、いうやり方だと信じられていないから、元気がなく、諦めムードが漂って、やる気が出ないでいる。
そうなると、行くところがあれば辞めてやる、としか思わない。

給与改定をするなら、査定後にその裏付けを説明して行ってくださいよ。
でないと、自主的に事を進めてくれ、その結果で評価をする、という仕組みが、また元の見張り管理に戻ってしまう。
やり方を任せなくては、結果に対する責任は問えないのだから。

もうひとつ、Sに、万一、取り付け騒ぎが起きたときは、債権相当の資産をさっさと預からないとババだけ掴むことになる。
班長たちには、具体的に説明しておいたけど、そういう場合は専務が率先しないと行動しないよ。
そのときの行動は、愛社精神に比例するんだけどね。


3−7 現状問題と対策

幹部達が辞めそうな雰囲気になっている企業である。
二代目社長への反感が、頂点に達している。
顧問としての私も苦言を呈したゆえに遠ざけられて、最近は先代会長と現場しか意思疎通が出来ない状態だが、メールでの提言である。


社長へ
読みたくなければ削除するのもいいでしょう、しかし、会長からの依頼もありメールします。

問題と対策

問題現象1
業績対比表を軽んじている。
M係長などは、来月の業績対策会議が、6日が13日となってもいいと思っている。

理由
彼らは、社長が、業績対比表、すなわち、実績数値で貢献度を測っていないと思っている。
S課長補佐は、なんとか6日に間に合わせたい、としているが、優先順位の問題だろう。
社長が、軽んじていれば優先順位が下がるだけ。
物理的に、無理があるなら、社長が調整する必要あり。

原因
決算賞与の評価がこれによって行われていないから。
彼ら(係長以上)には、結果について、いくら支給されたのか知らされていない、説明されていないと聞きました。
賞与支給内容を見ましたが、貢献度、期待度、といった見地からも、過去との整合性、といった点からも、部長、課長、係長たちから理解、納得が得られるとは思えない。
金をくれればいいじゃないか!ではやる気にはならないでしょう。
特に、M係長についての評価は過去との整合性からいっても説明がつかないでしょう。
今、一番、変わりつつあるのはM係長なのだから、不慣れが生んだミスよりも、期待度を付けるべきでしょう。
現に、蒸気温度が気になるとか、部下の指導に苦慮しているし、品質についても認識度は高い。
Wさんとこの二人がサービス残業も一番多いのではないか?(R課の業績表からそう読み取れる)。
これでは、辞めろ、といわんばかりの評価でしょう。
もったいないよ、M係長は。
ただし、かなり、嫌気がさしている。

このような評価方式とその結果では、業績に対する関心は薄れ、上役のご機嫌のみを窺う風土に逆戻りでしょう。
専務はそれでよくても、部下たちがそれは嫌だ、辞めたいといっているのが今の図式でしょう。

対策
評価を、業績対比、不良改善、クレーム改善、等実績から行う。
それも、組織に従った評価を重んじ、信賞必罰について被評価者の理解、納得を得る。
でなければ、部下は上司の言うことを聞かない。

社長の顔を見ておべっかを使っているだけでは、現場の改善は不可能、却って、言うことを聞かない部下に班長が嫌気がさすだけ。
現状は、その方向になりつつある。


問題現象2

顧客満足度対策について

現象
社長満足度対策会議になっている。

理由
社長がミスを追及するから、課長会議もミスの追及会議になっている。
総力戦で(社長も含めて)、衆知を集めて改善しようとする方向ではない。
「いくらいっても、良くならない」、と部長、営業が、生産側を責めているだけ、という状態。

原因
具体的クレーム、不良結果が、現場に具体的に示されていない、だから、対策が具体化しない。
要は、顧客満足度を求めるなら、その前に、顧客不満足度を先ず、解消すること。
満足度は、その上で、品質、価格、接遇、を改善すること。

対策
すなわち、赤伝を数字にする、クレーム回数、配送の朝礼でのクレーム、を数値化する、毎月、アンケート調査をする。

 毎月のアンケート調査は、クレームの具体化で具体的改善が図られ。計測も可能になると同時に、客先への誠意の表現ともなる。
社長や営業が、いきなり、溜まった不満をぶつけられずに、こちらから、今、対策しております、と挨拶出来る。

客先から文句が来る前に、現場から、品質に疑問を感じたら上司に挙げさせる。
今は、客先から文句を言われるまで、あるいは、切られるまで、受身でいる状態。

部下が、係長のいうことを聞かないなら、課長が、あるいは、顧問が言って聞かせる。
本人のためだけではなく、全体が迷惑をするのだからと。
生産目標がのみが頭にあって不良を作っている傾向もあるから。

以上、利益対策会議で上記の提案、アドバイスを行った。


以下は、社長に対して

問題現象3
現象
新規営業について、営業、生産とも積極性がない。

理由
社長が、実績での信賞必罰を問題にしていないから、新規営業への熱意も低い。

原因
営業については、社長が責任があるが、現場(営業、生産)にも、貢献すればそれなりに報いる、すなわち、業績貢献度評価をする、と信じさせなければ、以前のように、面倒なことはやらない、で終わってしまう。
いまのままでは、社長が営業して、いわれたものをやればいい、で終わってしまう。

対策
原点に戻って、信賞必罰を明確に、実績への貢献度、期待度、で評価すること。
今回の、決算賞与評価のやり方は、目標管理、実績評価システムをぶちこわしてしまう。
万一、社長がそれを望んでいると知ったら、気の利いたものは皆辞めることしか考えなくなる。
現実にはそうなっているといってもいいが。


問題現象4
部長が、ともすれば根気が尽きかけている。

理由
上は、解ってくれない、下は、社長の前では何も言えない、というわけで、上下でサンドイッチにされ、勝手にしろ、といった気分に時々なっている。
私が感じるし、課長に聞いてもそうだという。

原因
無論、サンドイッチ状態に耐えられないこともあるが、M課長との逆転給与も原因している。
M課長は、気楽に言いたい放題、そのくせ、社長の前ではいわない、のだから。
今回、給与明細を見たら、本給で大きく差がついている。
まあ、面接時にT部長も工場長候補ということで承知だったのだが、不満に思っても当然だろう。
せめて、手当てで差がつくならまだしも。

対策
逆転現象を修正してゆくべきだし、口頭でもそのつもりがあることをTさんに告げたほうがいい。
現状をみていると、M課長より、T部長の方が全体を纏めるには向いているし、信頼もされている。
今回、決算賞与で差をつけたのなら、その由説明した方がいいでしょう。
今の、給与で、留まっているのは奇跡的。
彼は、社長の立場、気持ちが解ってきている、だから、叱咤激励したいのだが、それでは辞めてしまうし、うまくいかないのはわかっているから堪えている、それを社長が分かってやらなきゃ立つ瀬がないじゃない。

以上、とりあえず


3−8 本音は辞める前日にしかいわない

 経営者の自己存在証明とは、限りない辛抱がいる仕事だから、経験者としてはどうしても味方したくなる。

会長が話をしたいというので、以下の内容を話しました。
ですから、メールは必要ないかと思ったけど、気になるので書きます。

W(営業)、W2、M、M2、K、S、Tと面談したけど、私には辞める本音を言っても、社長には辞める間際でないといわないと思う。
本音を訊きたかったら、前日に頼んだらどうかな。
部下は、いってもムダだと思えばいわないし、まして、言い返されたり、しっぺ返しが怖ければいわないもの。
とすれば、本音を訊きたければ辞める前日しかない。
社長は、顧問に3年言われても変わらないのだから、自分達が言ってもムダ、というのが彼らの言だけど、辞める前日ならいうかも。
たとえ、社長にいわなくとも、周りに言う筈。
実際に、私の顧問就任前から周りから聞かされていたし、今回はもっと広がるだろうから。


以下は、社長に言う筋合いではない余計なお節介かもしれないが。

彼らには、今回の賞与の感想を聞きました。
社長は、評価については自分は触っていないから、上司の評価そのままだからね、といったそうだけどそれでは通らないし、評価の意味がない。
直属の上司を通して管理しても、決定者はオレなんだと分からせなければ舐められるだけ。
社長が彼ら管理、監督者の評価をすり合わせもせず認めたと、彼らは受け止めている。
また、今回、社長と部長、部長と課長、課長と係長、係長と部下の面談が行われていないとは評価作業の意味がないじゃないの。
この作業を通して、目的共有のためのコミュニケーションをすることがこのシステムの目的だとあれほど繰り返していった筈なのに。

謙虚になっての健闘を祈ります。


3−9 反応するしないはトップ次第  03・12・22

目的、情報の共有もなく、関連会社の利益に頼り、放任状態の部門についての提言である。
提言の改革もなく、聞くところに寄れば、3年後、関連会社の不振で売却されたが、結局閉鎖。
危機感も、決断力もない、二代目経営者失格例。

覚まし対策

社長どの

 表記については、S部門長より、改善を要望しても反応しない部下達についての相談結果の報告です。
改善意欲に目覚めてもらうにはどうしたらいいか?。
現在、売上前年比65%。前年駆け込み需要分を考慮しても2割減の状況に対し、反応しない部下達を問題としての相談です。
何故何故問答で判ったことは、賞与等、評価の対象が業績にあると思っていないと云う結論に至りました。
改善しなくても昇給する、しても差が付かない。
だからアドバイスや提案をしても乗って来ない、かえってうるさがられるだけ、面倒くさいことは逃げる。
結局、対策として提案したのは、評価の基準も甘い計画対比ではなく、前年対比で行くことに落ち着きました。
評価表の内容も目的に合うよう具体的にして、実績を改善したかどうか、に向けた評価が出来るようにしたらどうかと。

本人の言
 前年より待遇改善を望むなら当然であり、口で厳しい事を云うだけでなく次回賞与から実行したい。
ただし期待値は付けさせて欲しい、今回は組織変え後なので特にお願いしたい。
とにかく目覚めてもらえるような評価をしたい。
今までのような評価結果では責任を負えません、社長に良くお伝えくださいと云って帰りました。

 S部長は出来高払いの「原則」。成果に応じた配分。やり方をまかせてやる気を出させる、等、自助が当たり前と理解した上での言動です。
以上、ご報告です、一に、評価制度改革に掛かっていると思います、面談してみてください。


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