2 評価制度

2−1 評価過程について

実績評価システムでも変わらないのは

 被評価者が、受領金額が多ければ喜び、少なければ不満なのは当たり前。
問題は、何故そうなったかを、評価者、被評価者が互いに理解、納得することが、やる気になるかならないかの境目。
肝心のその作業行程が省略されては、実績による貢献度評価制度がたとえあったとしても機能しなかった、目的を果たさなかった、といわざるを得ない。
通常、二年間、6回の評価の機会を活かせば、風土が改善され、有用な人材が居つくが、それでも意識が改善されないとしたら、実績による貢献度評価が納得の元に行われなかった証拠なのだ、すなわち、上記過程が省略されたか不徹底なのである。
これでは、時間の無駄遣いだったといわれても仕方がない。

その理由として考えられるのは

1、小集団部門別実績評価をしていない。(計画比、前年実績比)
2、現場に、決算書に直結する利益計画(営業利益ベースでよい)を建てさせていない。
3、自己評価、上司評価の差を面談により埋めていない。
4、直属部下の評価は7割を委任する、ただし、小集団間、評価者の評価の偏り(上下幅が狭い、甘い、辛い)の調整を上司が行う。
5、評価査定表の項目が、決算書と関係ない抽象的項目が多い。

等である。

要は、決算書と乖離した評価では、貢献度評価にならないということである。
それでは、市場の摂理の中では継続できないのだ。



2−2 自立自助の風土と権限委譲

創業者であり、能力が優れ、業務に精通しているがゆえに、部下が頼りなく、物足りなく思え、任せられない典型的な例。
直接指示が、規模(300人)と体力の限界に来ているのだが、見張り管理がやめられず、社員のやる気を殺いでいることに気がつかない。


社長への書簡

 評価制度がリーダー、後継者の育成が主目的であると、あらためて確認できてすっきりしました。
私のやりかたでは企業はつぶれると言われました。また地域性の難しさを言われました。

 事例を挙げます。
同町内のT精工は現会長(当時社長)より、9年前に業績不振挽回と後継者の育成を依頼されました。
現在、次期社長と社員からも見られているのは現製造部長兼管理部長(40歳)。
5人の課長中一番若く社暦も浅かった男が製造次長、管理部長、製造部長と抜擢され、そして現在実質NO2です。
5年後に先輩の現営業部長、現常務(会長の従兄弟)を抜く事は社員皆認めています。その間先輩課長二人が窓際、一人は定年の経過があり、後進も育ちつつあります。
バブル崩壊後も業種として厳しい中、利益を維持し年間休日を104日と31日増やした実績評価人事です。その間にリーダーとしてふさわしいと周知がされたといえます。
そして、資本と経営の立場が明確になりつつあります。

 依頼の具体的内容が「継続とそれに必要な利益を出す体質にし、待遇は周りより2割良くしたい」と「それを継続できる後継者」。
それに対し認めて貰った条件は、「承認された利益計画を超えたら超えた利益の3分の1を賞与に還元する。但し計画に未達であれば賞与から差し引いて利益を補う」。また、「2万円以上の支出は稟議」を廃止。
人員及び設備投資計画は勿論利益計画に盛り込む。
計画は部長会で審議され、社長に承認を求め承認後全社に周知徹底し、月次決算と対策を報告する。部門別決算と納期管理の為、管理部を新設。

これにより改革された結果は
 *4年で売上が3倍に。
 *在庫が4分の1。
 *納期遅れ件数33%が5%に(受注額の)。
 *超過勤務が1/4に。
 *売上高利益率は赤字から6%に改善。

風土は
 *「抜擢人事が受け入れられる。」
  実績の開示、計画策定や会議での提案等で優劣が明らかになった為、昇格降格が妥当と理解され、特にダメ先輩のいびりは周りから無視された。

 *「抜本策やリストラが不足のない速さで行えるようになった。」
  情報の開示による危機意識の徹底。5%、10%の改善提案では不足、又は焼け石に水と認識されるようになった為。

 *「昇給、賞与時の不服の燻りがなくなった。」
  評価が抽象的主観評価、世間相場とのこじつけ評価、ではないとの認識が定着し結果について納得。 
 等、要は納得してついて来るようになり、諦めに似た暗さがなくなった。
  
 手慣れているのは製造業だから製造業ならうまく行くと云われましたが、単にやる気、か、やらなければならない気、かのどちらかになるシステムを作ったに過ぎません。
生産性、加工、営業、管理、につき講義、研修したことも有りません。
会議のやり方だけは指導しましたが。
要は「気がついて」貰っただけです。とは云え、矢張り10年ワンサイクルです。
危機を感じ、頑張り、驕り油断し、又危機に陥るという、これは宿命ともいえます。
ですから、改革には、いかに早く気付かせるかせるか、そして、速やかな合意形成可能のシステムの構築が不可欠と思われます。


2−3 評価対象は結果か態度か

 トップの鉛筆なめながらの主観的態度評価でやってきた企業の過渡期事情が伺える書簡です。
経営者、現場、総務の足並みがまだ揃わない状態です。

社長どの

 表記に付き21日C部長と会いました。
彼いわく「短時間、説明不足故、誤解されぬよう4月初めに再度行うつもり、それでなくとも部下も云いたいことはいっぱい有る筈ですから」と。
また「評価に対する突っ込みは強烈なので結果からの成果配分を明確にしたい」由、要はインセンティブを計画に表現したいが社長に云いづらいと云うのです。
評価の良否は人件費を含めた前年比で測られる、良ければ増え、悪ければ減らされる、社長が下方硬直は駄目と云うのは当たり前、と。
「次回集会についてのアドバイスを」に対しては、昨日の資料は具体的な前年対比を欠いている故、出来れば部門別、項目別に前年比を出し、問題点及び重要ポイントに気付かせる事。
現在大赤字も問題だが、一気の解消は不可能としても、要は改善を問われていること。
自主放送の充実に基づいた拡販、及び効率的投資、を問われている事。
その結果として3000万円の改善を要望されている由を理解させる要ありと。
また矛盾を感じるとして総務が配布して来た新評価表を見せられました。
「評価の時に呼ばれて、云われることとは違うので」と、要は「態度」と「結果」どちらを問うのかと疑問視しています。



2−4 評価の対象は客観的事実で

 評価システムが、トップの主観評価と態度評価で、士気が落ちている風土を危ぶんでいる書簡である。
社員から、評価の公正を疑われ、やる気を殺いでいる状態に気が付かない経営者への提言である。


社長どの

昨日の席上で、評価制度における私の考えについてまだ大きな誤解をされていることに気がつきましたので書きます。
私は決して金で報いればより良く働くと思っていません。
良く働くのは公正な経過を経た評価と、希望が叶えられる展望があるかどうか、だと思います。
ですから評価者、被評価者両者が納得する数値で評価する必要があり、前年比実績は客観的事実として評価者、被評価者にとって理解、納得を一番得易い数値であるといっているのです。
また評価基準の設定が難しいと云われていますが、商事部、醸造部が作った評価表は目的に対し両者の納得を得ていると思われますがいかがでしょうか。
(他部門についてはラインよりの督促がないためウヤムヤにななりましたが)これは業種、部門の多さに拘らず簡単に作成可能であり、その時点で両者が認める客観的事実にそれを照らせば、ご希望は満せると思います。
但し、目的、目標が明確で両者の意志統一がされていることが前提ですが。
話は遡りますがお手元の部門別改善評価制度の議事録をお読みいただければ、研修に参加したメンバーが公正な手段と了解していることが御理解いただけると思います。
ご承知のように被評価者は他者との上下差1円にもこだわります、金額ではなく評価の彼我の上下にこだわります。客観的公正さにこだわります。
彼らは評価の経過の公正さを求めているのです。
勿論結果としての待遇にはこだわりますがそれは対同業、同規模、対地域とのベース比較であり、評価とは一線を画すると思います。
そしてそれは定着率の決定打ではない。と、私は考えており、金を与えれば気持ち良く働くなどと考えておりません。
まして、態度評価では乱世に生き残れるものではありません。


2−5 手段が目的と間違えられている

 フランチャイズシステム加入店の会議を傍聴して感じたこと。
フランチャイズ本部の審査に合格することに汲々としていて、利益改善、必要利益目標を目指していない。
この企業が、社員にそれを明確に依頼していないために生じている現象。


オーナーどの

表記会議より招請があり、出席しましたので報告致します。出席者はM部長以下9名。4月11日9時より11時。於いて店内。

議題は 1)実績報告。2)HDC強化期間対策。(月間中、本部審査員により3回の審査がある為。3)フリートーキング。

 司会はC店長。会議としての進行、発言度は及第点を付けられるのだが対策の目的が違う。手段が目的と間違えられていると感じました。
店の目的が、支部指針をいかに守るか、何故守れないかが目的になっており、守るに精一杯で応用など無論利かない、であるから、実績を発表しても売上、支出の改善を目的と考えていない為、無関心な顔付き。
何故か?云われたとうり決められた時間働く事が評価の対象と受け止めているから。
利益改善の為、1時間営業時間を延長しようという提案もただ「きつくなるからいや」「他部門からの転籍者がいやがる」等の理由で行えないと聞きました。
また在庫の日計も面倒、時間がないと実行されていないとか。
このままでは売上は自然増しても利益は増えないでしょう、全国平均利益率10%当社2%(月800万売上基準)の現状を工夫改善へと変革させるには、評価を成果改善基準、且つ公正な測定審査を示す必要あり、と感じた会議でした。
また、これへと目的、目標を変えない限り、誰がどんなに良い提案をしても、受け入れる風土にはなりません。


2−6 現場から計画立案、そして実績評価

 コンピューターシステム開発研究部門の会議に出席時の幹部への提言である。
開発研究室と称する部門の会議であるが、早急に目標管理をやらなければならないと感じた。
目的、情報の共有がないため、無管理、放漫経営になっている。
というより、開発研究部門だから、放任しないと開発が出来ないと誤解している。


役員各位

コンピューターシステム開発研究会議

 上記を傍聴したので報告、提案いたします。
今回の収穫として、席上、太田東京室長より「計画は現場から出すべきだ。
いつまでにどうするを出す、また要求されるのは当たり前だ。東京は今年*****を50台売り、来年は赤字0にする計画だ」との発言あり。
他班は苦労話と努力すると云うのみで数字目標なく一線を画する。
結論の出ない会議は意味ないとの批判(安藤)や、欠席(届けも無く抗議めいた主張のみの文書提出。白井)、中途退席(事前届け無し)など新任部長を軽んずる姿勢回を重ねる毎に強し。

 指導を批判、批判を指導としている上下関係が溝を作ってもいるが、その原因は目標管理がされていないことだろう。
対策として、1年ないし3年間目標を問い、実績を測り、評価基準の誤解させぬように指導すればよい。
今は要求が中途半端のため対策も決まらぬが(能力育成案、高柳)、自然と戦略も俎上に乗るようになり、太田室長のごとくスッキリした姿勢に変わると思われる。
現状では批判とお節介が飛び交う会議と成っている。
納期が相変わらず遅延し、売上は伸びず収支は4半期前年比で良化していない。
値段も決めず、優先順位も決めず、納期も決めず、が罷り通っていては仕事をしているとは云い難い。

 開発を旨とするとはいえ、全くの無管理、放任状態であり、これでは、パソコンおたくのお遊び場に過ぎない。
遊び場から、ビジネスが生まれることもあるだろうが、少なくとも期限を切って、自己責任を自覚させるべきでしょう。


2−7 評価の基準作成とその進め方

 規模200人のオーナー経営者が人事評価を独裁している企業への提言である。
社員は、独裁者の顔色を窺い、直属の上司など無視している。
頭越し指示は日常化していて、職位は、ただ、目的遂行のためというより身分の上下を示しているに過ぎず、組織の体はなしていない企業への提言である。


社長どの
                             
評価の基準作成とその進め方

表記課題につきお答えいたします。

 企業は永続を目指す。そのための競争力の強化と維持には、合目的評価が必要であると考えております。
企業が、有限な個人の寿命を超えて永続するには、後継者の育成を必要とし、選抜は公正を期待される。
適正配置とは組織内の認知を以てはじめて言えるものと思えます。
またやる気への動機付けにも不可欠です。
故に評価は昇降格、昇降給、賞与について求められます。

 評価の基準について。
どの企業でも、公正な評価をと被評価者は望みます。それは何かと問えば、煎じ詰めると。

1)目標を明らかにして欲しい(達成度で評価)。
2)客観的事実に基づいて欲しい(感情的主観の排除)。
3)評価決定方法(誰が、どのような項目で、行うのか)を知らせて欲しい( 密室化の排除)。

評価者から言わせれば、痛くない腹を探られているような、この3点に要約されるようです。
しかし、これは当グループも例外でないことは、部改制議事録にアンケート結果としてとして記録されております。

したがって対応するに。
1)達成度で評価には、永続への貢献度を評価する。すなわち永続に貢献する提案と業績を対象とし達成度を測定する。
2)感情的主観の排除には、比較実績表。
3)密室化の排除には、評価者(複数の場合は影響度構成比)の公知及び同一考課表にての自己評価を行い、実績を前にしての食い違いの説明責任を果たすこと。

種類別勘案基準。
1)昇降格。将来への提案及び前3期業績。
2)昇降給。前期業績。
3)賞与。前6カ月前期比較業績。
  を明示すれば良いのではないでしょうか。評価の結果は当事者の納得を得る事が不可欠でしょう、したがって考課表の運用は本人自己査定、直属上司査定を中心とし、認知と協調に役立てるものとする。

具体化への提案。
1)実績の公開については経常利益ベースは役員迄とし、部長以下は営業利益ベース、販管費も直接のみ計上。その理由は責任範囲内評価。
2)評価の制度化。部長クラスのプロジェクトチームに案を委嘱する。
  理由は、目的の理解を通じ経営幹部としてのOJTと幹部間の意志統一のため。(進行役として私を加えてください。調整役として)
3)課長クラスの考課表作成作業への参加。
  理由は、制度の認知浸透と評価精度の不満に対し精度を得ることの難しさへの理解を図るため。
  その後、被評価者クラスを含め、項目摺り合わせ作業など行います。
  目的は、被評価者から、目的と項目の整合性の理解、納得を得るためです。


 以上目的要旨と進め方の骨子です。
支払い能力払い(出来高払い)の原則は、目標、情報の共有化により問題の共有化となり、それによる危機感のシンクロナイズは意志統一の速さを得、また、
休日増、フレックスタイム等にも対処出来ると考えております。
なによりも市場の原理との整合性に優れているのではないでしょうか。
多価値観、多業種、多業務と言えども目的、目標さえ明確にすれば、それぞれが何をなすべきか自明と成り、自覚するのではないでしょうか。
欲しいのは、認められる喜びが生まれる評価制度です。
それが、行動力やアイデアを産み育てると信じているのですがいかがでしょうか。


2−8 何故何故問答をしてみよう

 見張り管理を採って拡大してきた創業者は、やがて、組織の遂行度不足と体力の衰えによる挟み撃ちに会う。
一人では見張りきれなくなり、ざるから水が漏れるような組織は混乱し意思統一は不能となり、一方、現場で、陣頭指揮する体力は失われてゆく。
ワンマンであればあるほど、後継者は育たない。
権限委譲しなければ、後継者は育たない。
それらを解決するには、後継者が、人材が育つシステムが必要となる。
それが、貢献度評価システムである。


貢献度評価制度準備の件

社長どの

 当事者が納得しないと実現は覚束ない。
そうです、部課長クラスは特にトップの認知と、自らも目的に適っていると納得しなければ事を進めません。
でありますから、部長クラスによる「評価制度を考える会」を発足させ、急がば回れでじっくりと「問題」の確認作業から始める必要ありと考えます。
何故人事評価が必要か?。
そしてどのような評価制度が必要かを考えて貰うことが認識と認知の鍵であり成否の鍵かと思います。
その為には現状の「問題」は何か?から始めるのはどうでしょうか。
社長が何故人事評価制度が必要と考えたかの経路を辿って、自分達も問題を問題として確認できて始めて対策に向かう気になり、またOJTともなります。
会での「何故何故問答」は必ず問題の確認と対策の提案、促進、につながると思います。
現在、新規提案、新規事業開発が不足の状態、或はあっても物にならない状態があります。
これは、その前段階の改善出来ることを改善していない、或は改善する気になっていない。
問題を問題と感じていない故に改善もされない、ましてや改善の限界を感じていないから新規を必要とは感じない。
これは問題を知らないか、気がついていないか、やる気がないかの現象と見られます。
いくら云っても駄目なら気がつくようにするしかありません。
故にその対策として情報の共有化と評価制度は有効と思うわけです。
*「経営サイドから見ると評価制度とは責任の取らせ方になるわけで、任せる範囲(予算、期間、)を明確にする必要があります。」
遠回りと思われるかもしれませんが「評価制度を考える会」をお勧めします。
司会として参加させていただければお役に立てると思います。
いまから作業を始めれば夏の賞与期に方針を予告、冬の賞与に間に合い、来期計画は具体的提案が期待出来ます。


2−9 何故、評価に不満が出るか 03・12・20

 評価不信問題。
関連企業の好業績部門に頼り、独立採算制を採らず、したがって評価も納得を得られていないため、無気力状態の部門会議に出席を依頼されての報告、提言である。


考課表検討会議に出席して

社長、専務どの

 表記会議に、K部門長の要請により傍聴人として(困った時には振りますとのことで)出席しましたのでご報告します。
出席者、部門全員。

 始めは例によって口数少なく(K部門長談)暗かったが、中盤以降はなかなか活発で主だった人達は評価出来ると思います。
一時間の予定が2時間半になったのもN課長、K係長達の前向きな姿勢故でしょう。
議題は考課表の見直し。2年前に作った項目が、実績に基づいた評価をする場合,適当かどうか部署ごとに見直し、全体会議で他部署と意見交換をし、現場案を作成,専務に提案する事。

 最初は実績での評価は納得だし、見直しはしてきたが、一体意味があるのかという類の話が交わされた。
何故ならば今まで,
* 自分がどこをどう評価されたかも知らされなかった(R、K、Y、)
* 意見を書いても返事がなかった(R)
* 頑張ったつもりでも結果に現れなかった(R、K、他営業4人)
* 去年の夏はこんなの(自己評価査定)は書かなかった(全員)。
* 専務や社長は居ないのに採点出来るのか、居る人に評価して貰いたい(全員)。
等の意見が出、その辺が変わらなければやっても意味がないが、というところ
で私に振られましたので、
* 誰が評価するか一次、二次、三次と記名欄があることで明確になる。
* 全体から見てバランスが狂っていない限り、直属上司の意見が尊重される
  こと。
* 面談も直属上司中心に行われること。
* 上司と部下の評点の食い違いを、出来るだけ少なくする目的で、見直しの必要を感じ現場にも意見を訊いており、そのために考課表案も募っていること、したがって項目は、出来るだけ具体的であることが望ましい事。
等を話し議事進行した。
 結局、出た意見と他部門のものを参考に見直し、K2さんは自分が内勤責任者ということも聞いてないし、仕事もまだ理解してないので今回はこれで提出させて欲しい、ということで散会。

会議を通じて問題と感じた点。
1)上司と評価,提案について意志疎通がなかったことに、不満と不信を抱いている。
2)現在,管理,監督者の職責が当人にも部下にも、認識が徹底されていないため、指示が不徹底、したがって遂行も必要を満たしていない。

提案として
1)については評価作業の中で、自己評価と照らし直属上司が対話し、それが部門長、専務、社長と伝わり、反応が帰れば解消に向かうと思われる。
2)については再度、職位名はともかく、次の人達の指示系統を通知徹底の必要があります。
部門長対課長二人の立場。K2さんの分担。二次評価者も明確でなかったようです。
以上ですが、1、2に対策すれば風向きは変わります。
ただし、手遅れ(退職者が出ぬうち)にならぬよう、早急な作業が必要です。


2−10 何故、やる気が出ないか 03・12・21

 部門長より、面談を依頼されたケースの報告と提言である。
いままで見張り管理でやってきた企業の営業課長だが、認めてもらいたい、同僚に部長職を越された口惜しさも窺がえる面談でしたが、前向きな内容だと思います。
トップがそれを汲めればいいのですが、反応は鈍いもので、彼はその後一年ほどで辞職したそうです。

N課長面談報告

社長、専務、部門長各位

T部門長のやる気のないN課長との面談要請により*月**日3時より5時45分まで面談。
今回の目的:何故、やる気が出ないかと現状の問題とその対策の聞き取り。
職歴及び家庭状況まで話してくれたので、予定時間が倍になりましたが、前向きの理解と姿勢の、良い時間を持てたと思います。

問題とは

営業部としては、同業他社に押されている。新規もない。他社に比べ意欲が弱い。
理由。
1)立場とそれぞれの責任範囲(自責、他責)、目標、がはっきりしていないため、営業内がバラバラ。
2)結果ではなく時間で仕事をしている、結果が出なくても上がりが早い。工夫がない。
  自分自身今回は楽な方(営業から配送)へ逃げたので言えないのだが危機感を感じる。
ルートセールス
  営業兼任でなくなったのでやり易くなったが、数字がないので評価もしずらく、具体的な改善にもつなげられない。
内勤
  欲しい数字が出てこない。頼んでも工夫なしに断る。
等の話があり、

やる気にならないのは何故か?に対して。
1、ウソをつかれた。アルバイトなしで頑張れば、その分を見ると云いながら実行せず理由を聞くと経費が増えたからと云われた。であれば経費の中身も知らせるべきだ。
実績で評価する、は当たり前だが約束を守るのか疑わしい。
2、良くても悪くても評価が変わらないため、嬉しさも厳しさも感じられないため。
3、T部門長の立場が、部内どころか営業にも正式に認められていない。
現場のトップであることを公式発表すべきだ、でないと特に営業はまとまらない、感情問題はあるが今のままではかえってまとまらない。
4、評価が公平に行われると納得させるには必要な実績数字を出せるようにすべきだ。
等の意見が出された。

 結局、現状は客先や仕入先の要求をこなしているだけで、利益を増やそうとはしていないということか、との問いに全くその通りでそっちへ目がいっていないとの事。
実績主義へと転換したわけだが反応はどうか、との問いに今まで甘やかされてきただけに一時的には、陰でぶつぶつ云うかも知れぬが信用できる数字で、約束を守れば、皆給料は上がって欲しいんだし、チャンと評価さえすればやると思うと。
云いたいことは云いますが、やることはやりますので、宜しくお願いしますと云って帰りました。

まとめ。
 リーダー意識も欲もあるので、やり方を任せて結果を求めるならばやるでしょう。
部門長にも一目置いていて協力的ですし、約束を守ってやる気にさせたいものです。
利益の改善が仕事であることにも、目標を定めてやることにも賛成しており、当面策を考える能力は有り、情報を共有化しておけば、抜本策にも付いてくると思います。
やはり、一日も早く実績評価制度を軌道に乗せることが鍵です。

 上位職を同僚に越されれば感情的にも穏やかでないが、こういった現象はどこにでもあること。
結局、彼は辞めていったそうが、惜しい人材をなくした。
トップにもう少し配慮があり、敗者復活戦のチャンスを与えるなり、希望を与えればそれは防げたと思う。
人材こそ財産という認識が薄い経営者であったのが惜しまれる。


2−11 良貨が悪貨を駆逐するシステム

 目標管理、貢献度評価システム構築の運びとなり、具体的な進め方の打ち合わせ段階の書簡である。
ここまで来ても、従来の見張り管理、年功序列制度から、認識を変えるのは容易ではない。
理屈では理解できても、抜本的改革に踏み出すのは勇気が要る。
まして、危機感が不足していれば。
結局、この段階まではいったのだが、経営者に危機感が不足していたため、踏み切れずに終わった。
が、この企業は危機感が募った1年後に再び依頼に訪れ、実施に踏み切った。


目標管理、貢献度評価システム構築の事前打ち合わせ願い

社長どの

全体会議、新年会にて言明された方針について、具体的な進め方のお打ち合わせをお願いしたいのですがご都合はいかがでしょうか?。

1)目的。2)情報公開レベル設定。3)評価のやり方。等、承認をいただいた上で進めようと思います。
以下に私案を記します。

1)について。
個人の自立意識による<やる気>又は少なくとも<やらなければならない気>を引き出す風土造り。結果としてリーダーが育ち、良貨が悪貨を駆逐する自立した少数精鋭集団が育てます。

2)について。
1を惹起する為に、現状認識と目標確認及び評価内容の理解を必要とし、故に実績比較及び計画額等数値を以て周知徹底を図る。
すなわち部門長以下が直接関わる固定費及び変動費、言い換えると間接販管費を除き直接販管費を含む営業利益レベル数値の周知徹底です。
これにより部門長以下の計画案と経営側の必要計画との審査、摺り合わせも可能となり、結果においての測定評価も納得を得られるものとなります。

3)について。
評価査定の納得度を高め、指示者、被指示者を明確にするためにも一次、二次、三次評価者の明確化と直属上
司査定の重視。(直属上司の権限明確化のため、2対1以上の比率は必要です)

* 2、3の資料により、直属上司との個人評価面談でも理解、納得を得られ、部門としての合意形成も得られます。

以上の件を明確にし、営業及び内勤とグループ別研修に入りたいのですがいかがでしょうか。
今期計画案作成、給与査定を事例に取り上げながら行いたいのです。
以上ご検討の上、面談時間をいただきたく。


2−12 不信感  03・12・22

評価表見直し会議の報告である。
経営者への不信感は、長年にわたり培われて根が深い。
この企業も、先々代からだから100年に近いが、三代目はよくいえば温厚、進取の気概はなく、一般論で終始する優柔不断が、部下達の信頼を損なっている。
目標管理、貢献度評価、へと移行する過程で不信感がネックとなっている。
払拭するには、2年間6回の評価機会を経なければなるまい。
すなわち、給与改定、と夏冬の賞与評価で納得を得なければ定着しないのだ。


評価表見直し会議

社長どの

業務目的の確認とやる気促進を目的に、評価表の見直し会議が予定通り行われました。
出席者。専務以下、役職者全員、N課長が家族の入院で欠席。

評価表の見直しを通して会社が、1)依頼していることの確認。2)やる気が出ないと現場から意見が出ている点の確認と対策。
第一回として二週間後に現場案の提出と期限を切り、質疑を繰り返しながら会議を進めました。

1については、
過去の評価表及び叩き台として亀井案を検討しながら、結局依頼されている業務は決算書の各項目の良化であり、その中の自分の分担に対しての評価であること、決して出社時間数や売上のみに拘ったり、取り引き先の云うことを聞くことではない、等の確認を質疑を重ねて行い、部下達と2次3次とまとめるについてもその目的を外さぬよう指導するが、作成に着手後の質疑により理解を深める要あり。

2については不信感の根はかなり深い。
「せっかく案を提出し社長の審査承認を得ても本当にその評価表で評価が実施されるのか」との質問が出、また面談の機会を必ず作って欲しいとの要望あり。
これらは欠席した中村さんの不信感と共通しており実施時の留意点と思われる。


この企業は、実施寸前で目標管理を取りやめた。
理由は、任せたら潰される、という専務の意見を社長が信じた、というより、自信のない社長が専務のいいなりになったのである。
専務は、部下とのそれまでの確執が表に出てきたのを臭いものに蓋をしたのである。
この企業は、3年後に同業に吸収された、無論、社長と専務は放り出された。
能力もなく、見識のないトップの悲劇である。


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