Tanclo-0010

 

タンクロ
Tanzawa
Encyclopaedia

                      

       

丹沢の自然保護を巡る動き
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 年号や名称などに諸説がある場合には、「丹沢だより」の記事を優先しました。また、
シカの個体数については、疑問点があってもできるだけ記載するようにしました。
 アンダーラインのあるものは、丹沢自然保護協会についての事柄です。

《自然保護運動が始まるまで。1892〜1958》
1892・ ・  狩猟規則の制定。
1895・ ・  狩猟法制定 →10月1日から雌シカは7月15日まで、雄シカは11月30日まで捕獲禁止。
1902・ ・  神奈川県、旧御料林を恩賜県有林に指定。
1918・ ・  狩猟法改正 →指定鳥獣(シカを含む)のみ捕獲を認める。猟区制度の制定。
1920・ ・  ニホンカモシカ天然記念物に指定。
1921・ ・  神奈川県、大山禁猟区・鳥屋村猟区設置。
1923・ 9・1  関東大地震発生 →丹沢は各地で大きな被害を受ける。
1925・ ・  雌シカを狩猟獣から除外。
1926・ ・  雌シカを狩猟獣に加え、農林大臣の指定地域外での捕獲禁止。
1930・ ・  神奈川県、高部屋村猟区設置。
1935・ ・  神奈川県、青根禁猟区・恩賜県有林猟区設置。神奈川県、札掛に県営丹沢鳥獣飼育所開設。
1938・12・  神奈川県、県条例により津久井郡以外4郡の雄シカ捕獲禁止(1948年まで)→恩賜県有林猟区を除く。
1939・ ・  「日本野鳥の会」発足。
1947・ ・  GHQの指導でアメリカの自然保護思想が日本に入る。狩猟法、雌シカを狩猟獣から除外。
   ・12・22 丹沢ホーム開設。
1948・ ・  神奈川県、周辺住民の要請に対して唐沢林道工事計画を策定。
   ・11・ 神奈川県、県一円の雄シカ捕獲禁止 →メスは全面的禁止。
1949・ ・  狩猟法、雄シカを狩猟獣に再指定。林業が公共事業となる。
1950・ ・  神奈川県、雄シカの捕獲禁止を恩賜県有林猟区のみに変更。
1951・ ・  「日本自然保護協会」設立(1960年に財団法人となる)
1952・ ・  「日本野鳥の会横浜支部」発足 →現神奈川支部
       シカ個体数3000頭(猟友会)
1953・ ・  「札掛山の会」発足。神奈川県、丹沢禁猟区設定。
   ・11・  神奈川県、雄シカ捕獲解禁 →解禁前の推定個体数は3000頭。猟期終了後の推定個体数50頭。(県林務課)
1955・ ・  ニホンカモシカ特別天然記念物に指定。
   ・ ・  神奈川県国体登山部門が丹沢で行われる。
    4・  「三浦半島自然保護の会」発足。
   ・12・  神奈川県、県一円のシカの捕獲を5年間禁止とする →メスは全面的禁止。
1956・ ・  林業の目的が緑地保全から木材供給に変わる。
1957・ ・  自然公園法制定 →特別保護地区。
1958・ ・ 「丹沢の鹿・その保護についての考え方と対策」発表(柴田敏隆著)

《国定公園指定から行政組織の確立まで。1960〜1973》
1960・ 5・  神奈川県、県立丹沢大山自然公園の指定(38726 ヘクタール) →神奈川県の1/6 の面積。
   ・10・16 「丹沢自然保護の会」発足(会長: 中村芳男)。雄シカ捕獲禁止を求める動きが活発化。
   ・10・30 神奈川県、「雄シカ捕獲問題公聴会」開催
   ・12・13 神奈川県、雄シカの捕獲禁止を10年間延長。シカ推定個体数400頭 →メスは全面禁止
1961・ ・  神奈川県、県有林大規模伐採 →約25000m2。
1962・7    丹沢大山学術調査開始(〜1963・5 発表1964年) →国定公園指定に向けて。
1963・ ・  狩猟法を「鳥獣保護及狩猟に関する法律」に改正(禁猟区→保護区)→鳥獣保護区・鳥獣保護事業計画。
    ・  神奈川県、丹沢鳥獣保護区(2549ヘクタール)・丹沢大山自然公園鳥獣保護区(14556 ヘクタール)設定。
1964・ ・  神奈川県、第一次鳥獣保護事業計画策定。造林地へのシカの食害続出。
   ・ 4・  神奈川県、県費によるシカへの給餌開始 →丹沢ホームにて実施。
   ・12・  東京陸運局、小田急電鉄に塔ノ岳ロープウェイ免許認可。
1965・ 3・  神奈川県林業試験場「丹沢山塊のシカに関する調査報告」作成。
   ・ 3・25 丹沢大山国定公園指定(26345 ヘクタール) →県立公園の一部を昇格。
   ・ 7・  大山ケーブルカー完成。
1966・ ・  神奈川県、造林地保護柵(シカ柵)設置開始 →1984年での総延長327km。
   12・  神奈川県、シカの生け捕り開始(ショック死が多く失敗)。シカ推定個体数960頭。
1967・ ・  シカ推定個体数1100頭。
1968・ 4・21 「丹沢だより」創刊。
   ・ 5・18 「丹沢自然保護協会」発足 →(会長:甘利 正 理事長:中村芳男)。12月での会員数150名。
1969・ ・ 神奈川県、唐沢林道工事着工。
   ・ 7・  丹沢ホーム本館新築。
1970・ 4・  丹沢自然保護協会、役員改選 →会長: 甘利正、副会長:H・シュトルテ・柴田敏隆、理事長: 中村芳男
   ・ 4・  神奈川県自然保護協会発足。
    12・  神奈川県、猟区設定 →5ケ所(17540 ヘクタール)。雄シカ捕獲解禁 →1982年までに1592頭を捕獲。
   ・12・  シカ推定個体数1700頭。丹沢自然保護協会、会員数370名。
1971・ 6・13 「全国自然保護連合」設立 →丹沢ホームが会場(理事長:中村芳男)。
   ・ 7・ 1 環境庁設置(初代長官:大石武一)
   ・ 8・20 丹沢自然保護協会主催、第一回「自然保護教育セミナー」実施 →23日まで。
1972・ 3・23 神奈川県、小田急電鉄塔ノ岳ロープウェイに凍結勧告。
   ・ 6・  神奈川県、林務課に鳥獣保護係設置。
   ・ 7・11 記録的大雨 →塔ノ岳で452mmを記録。丹沢は各地で大被害を受ける。
   ・ 8・ 1 神奈川県、農政部自然保護課設置。
   ・ 8・27 丹沢自然保護協会主催、第一回「森の学校」実施。
1973・ ・  神奈川県、唐沢林道工事一時凍結。東京電力、大山山頂マイクロウェーブ中継塔建設。

《自然保護運動の発展。1974〜1984》
1974・ 1・  丹沢自然保護協会、会員数800名。
   ・ ・  神奈川県、唐沢林道工事再開。県、「自然保護奨励金制度」制定 →森林経営者に1ヘクタールあたり1万円。
   ・ 3・ 7 「神奈川ゴミ持ち帰り運動推進協議会」発足。
   ・ 6・ 5 「自然保護憲章」制定。
1975・ 7・10 神奈川県、林道へのマイカー乗り入れ規制開始。
   ・12・ 4 神奈川県主催「丹沢大山地域振興懇談会」 →農林業振興について・野性鳥獣の保護と防除について。
1976・ ・  神奈川県、山北町世附猟区設定。
1977・ ・  神奈川県、「神奈川県環境部自然保護課」設置。第四次鳥獣保護事業計画策定。
   ・ 2・ 1 丹沢自然保護協会、東電の送電線「新多摩線」に対して、建設反対声明発表。
   ・ 7・10 神奈川県、阿夫利神社に対してモノラックの「現状回復に替わる措置命令処分」を出す →事実上の追認。
1978・ 2・25 丹沢自然保護協会、「新多摩線」に対して抗議文提出。
   ・ 3・  神奈川県、「丹沢山塊のシカ個体群管理調査報告書」発行 →1977年での推定個体数950頭。
   ・ 3・20 丹沢自然保護協会機関誌「丹沢だより」創刊100号。
   ・ 3・30 「丹沢大山地区ゴミ持ち帰り運動推進協議会」発足。
   ・ 6・25 三ツ矢林業、神奈川県に対してシカ食害についての損害賠償を求める →5億3000万円。
   ・ 7・15 日本自然保護協会主催、第一回「自然観察指導員講習会」開催 →開催地神奈川県「足柄青年の家」
   ・ 7・20 環境庁「鳥獣保護及狩猟に関する法律」に従う告示 →猟期を11月15日から2月15日までとする。
   ・ 7・28 三保ダム(丹沢湖)完成。
   ・10・19 県立自然保護センター開設。
1979・ ・  宮ケ瀬ダム補償交渉始まる。東京電力、送電線「新多摩線」着工(1980年12月完成)
1980・ ・  神奈川県、阿夫利鳥獣保護区設定(1996ヘクタール)。
1981・ ・  平塚土木事務所、丹沢林道舗装工事開始。
    8・  宮ケ瀬ダム水没住民補償協定調印 →補償交渉完全妥結は1984年6月15日。
   ・11・ 3 丹沢ホーム中村芳男夫妻、「神奈川文化賞」受賞。
1982・ ・ 神奈川県、第五次鳥獣保護事業計画策定。
   ・ 4・ 神奈川県、「県民手づくりの森」事業開始 →1986年に植林完了。
   ・ 5・26 南条完二氏逝去。
1983・ 2・  神奈川県、「かながわ環境プラン」策定。
   ・ 3・26 丹沢自然保護協会、安藤為次教育記念財団より特別記念会賞受賞。
   ・ 4・17 神奈川県立自然保護センター本館落成。
   ・ 8・  シカ推定個体数800〜900頭。
1984・ 3・  東京電力、新秦野変電所完成。
   ・10・26 H・シュトルテ氏、「神奈川環境文化賞」受賞。

《新しい時代。1985〜  》
1985・ ・  東京電力、送電線「新山梨線」建設計画発表。
   ・11・16 神奈川県、「丹沢山塊におけるニホンジカ生息実態調査」を農工大学古林研究室に委託。
1986・ 3・23 記録的大雪 →丹沢では標高200m〜500mで植林地が大被害を受ける。
   ・ 7・ 神奈川県、「県有林総合利用構想」発表 →東丹沢県有林の新規大規模利用計画。
   ・ 7・20 丹沢自然保護協会機関誌「丹沢だより」創刊200号。
   ・11・ 1 宮ケ瀬ビジターセンター完成。
1987・11・ シカ密猟防止キャンペーン「第一回くくりワナ外し」行われる(西丹沢玄倉上流)→回収ワナ約200個
1988・ 8・11 丹沢自然保護協会主催、第15回「自然保護セミナー」実施 →1976・77・79年は実施せず。
     8・13     〃      第12回「森の学校」実施 →1976・77・78・79・80年は実施せず。
1989・ 3・25 唐沢林道完成
1990・ 8・ 8 丹沢自然保護協会会長 中村芳男氏死去 →協会葬9月20日


《参考文献》
・丹沢自然保護協会「丹沢だより 創刊号〜230号」・ 宇都宮深志「環境創造の行政学的研究」(東海大学出版会)
・柴田敏隆「私の愛鳥講座」(東書選書)      ・ 中村芳男「丹沢・山暮らし」(どうぶつ社)
・財団法人日本環境協会 1981 「丹沢山塊のシカ個体群保護と林業」

(浅井邦臣)

 

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