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PC-98クロックアップ概要

《PC-9801BX2を改造しませう》の末尾の文章を
分離独立のうえ加筆したものです。
ここでは、PC-98x1におけるクロックアップ
改造の一般論について述べます。
細かい点は個別の機種により異なりますが、
何らかのヒントにはなるでしょう。

 

★要システムクロック分離機種★

 外部ないしCPUが、5MHz、8MHz、10MHz、16MHz、20MHzという機種では、クリスタルオシレータ(OSC、水晶発振器)の交換に加え、さらにシステムクロックの分離改造という困難な作業が待っています。
 代表的なマシンとしては、初代、E、F、M、VF、VM、VX、RA、DA、FAなどです。すなわち、一部の286マシンを除き、FA以前のほとんどの機種が該当します。(なお、20MHzでもH98Sのように該当しない機種もある。エプソン機も大丈夫みたいです。)

 これらのCPUクロックのマシンでは、39.3216MHzや、31.9488MHz、19.6608MHzのどれかの周波数のOSCが使用されており、これを交換することになります。
 ここで、システムクロック分離を施さずに、ただ単にOSCを高クロックの物に替えてしまうと、タイマが早回しになり、何らかの時間計測するソフトは、異常動作します。また、RS-232Cのクロックも早回しになり、本体シリアルが使用不可になります。さらに致命的なのは、キーボードまで使えなくなってしまうことです。
 これらの不具合を解消するには、システムクロック分離改造が不可欠です。ただ、システムクロック分離は、各機種ごとに方法が異なり、一般的に言うことは不可能です。
 まぁ、キーボードは、キーボード内の基板上のクロックモジュールを、本体を上げた分だけ速いモノに交換することで、いちおう対処は出来ます。

 PC-9801DAのシステムクロック分離方法なら存じておりますので、《PC-9801DAを改造しませう》をご覧下さい。

 この時代のマシンの改造には、1993年に刊行された以下の書籍が大いに役立ちます。
「98パワーアップ改造名人」
(発行:技術評論社、編:技術評論社編集部、ISBN:4874085660)

 

★OSC交換のみの機種★

 外部ないしCPUが12MHz、25MHz、33MHz、それに加えP5以降における一部のマシンでは、該当するOSCを交換するだけです。
 代表的マシンとしては、RX、DX、A-MATE、X-MATEの一部、BX4等々です。

 システムクロック分離を要するマシンと異なり、これらの機種では、OSCさえうまく外せるのなら楽勝です。この辺りのマシンが一番改造しやすいでしょうね。
 外部の2倍、または等倍のOSCが載っているはずですので、これが目的物となります。外した跡地には、丸ピンのICソケットをつけておくとOSCの脱着に便利です。
 改造方法の一例として、《PC-9801Xsを改造しませう》があります。

OSCのピンアサイン(印字面から見て)

長方形タイプ
(+5V)              (CLOCK)
  14                 8
+--+-----------------+--+
|                       |
|                       |
|        80.0MHz        |
|                       |
|o                      |
+--+-----------------+--+
   1                 7
 (NC)              (GND)

正方形タイプ
(+5V)     (CLOCK)
   8        5
+--+--------+-+
|             |
|             |
|   80.0MHz   |
|             |
|o            |
+--+--------+-+
   1        4
 (NC)     (GND)

 ところで、OSCは四角形とは限りません。3ピンの小判型の場合もあります。
 3ピンの小判型OSCは、水晶振動子(2本足)とは別物です。
 3ピン小判型のOSCの場合、機種によってはパスコンが省かれているものがあるので、その場合はパスコンを設置してやりましょう。パスコンは、0.1μFの青い米粒のようなパーツです。104と書いてあると思います。これを、OSCの5VとGNDの間につなぎます。

 

★ICD2028DSC-27搭載機種★

 FELLOWシリーズのクロックアップについては、世代により異なります。

 FELLOWの1代目(PC-9801BA、BX)は、OSCを交換します。39.3216MHzまたは19.6608MHzです。それに加え、システムクロック分離を要します。CPU・メモリ周りのクロックと、システムクロックとが分離された設計になる直前の、ちょうど過渡期のマシンだったわけですね。

 2代目FELLOW(PC-9801BA2、BS2、BX2)はOSCではなく、PLL-ICの「ICD2028DSC-27」が載っています。改造方法は、《PC-9801BX2を改造しませう》に詳細に述べています。もはや、システムクロック分離は不要です。

 3代目FELLOW(PC-9801BA3、BX3)もOSCではなく、PLL-ICの「ICD2028DSC-27」が載っています。《PC-9801BX2を改造しませう》の外部クロック33MHzを超えたいをご覧下さい。
 2代目の安定動作は外部40MHz程度まででしたが、3代目FELLOWの基板も、すくなくとも外部40MHzは大丈夫とは思います。ひょっとすると50MHzいけるかな?

 4代目FELLOW(PC-9801BX4)は、OSC交換です。66MHzが載っていると思います。
 PC-9801BX4では、基板のバージョンによっては、40MHzはもちろん、外部50MHzを超えることも十分可能だそうです。

 

★原発乗っ取り機種★

 P54C、P55C、P6、P2のほとんどの機種では、いわゆる原発乗っ取り改造となります。
 これらのマシンでは、CPU、メモリクロック周りは、14.318MHzの「水晶振動子」(2本足)の横にPLL-ICが載っている、という構成になっていると思います。

 ここでいうPLL-ICは、14.318MHzの基準周波数をもとに、各種クロックを作り出せるというものです。このリファレンスとなる水晶振動子(=原発振)を高い周波数のものに交換し、PLL-ICからその分だけアップしたクロックを出力させることから、「原発乗っ取り」と呼ぶわけです。(従って、486マシンの単なるOSC交換は、原発乗っ取りとは呼べません。)

 AT互換機では、14.318MHz(RTC)、24MHz(FDD)、48MHz(USB)の出力ピンを足上げし、そこには別途、OSCで正しいクロックを入れます。これらのクロックは変わってはいけないクロックだからです。そのためには、PLL-ICの型番をしらべ、インターネット上でデータシートをもらってきて、どこにコテをあてるか、確定します。
 で、14.31818MHzの2本足の水晶振動子を大きめの周波数にかえると、CPUやPCIに行くクロックのみ速くなり、クロックアップできるというわけです。
 なお、PCIに行くクロックは速くならなほうがよい(設定可能なら非同期にする)、という考えもありますが、せっかく改造するなら、PCIデバイスが耐えてくれる限り、PCIもクロックアップさせたほうがいいと思います。

 PC-98x1でもAT互換機と基本的に同様で、水晶振動子を交換します。あと、変わってはいけないクロックには、別途、OSCで14.318MHzさえ与えてやればよいみたいです(14.318MHzはオンボードGAに使用されていることがあります)。
 うまく動かないようなら、AT互換機と同様に24MHz、48MHzも与えてみて下さい。

 水晶振動子を交換することにより、実際にどんな周波数が得られるかについては、《原発乗っ取り後の周波数一覧》をご覧下さい。

 

1999.10.12-16 (1.2訂)
じゅんけ <junke.tsutsui@anet.ne.jp> (@は半角で)

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