|
応急手当の知識
☆出血の手当てについて
・血を止める前に傷口を良く洗いましょう。傷の奥にゴミなどが残って居ると化膿し
切開手術が必要となることもあります。
・傷口の洗浄が終わったら、清潔なガーゼなどを傷口にあて、強めに押さえましょう。必要以上に強く押さえる必要はありません。
・出血が激しい場合には医者に行きましょう。患者や保護者が不安感を訴える時も医者に行った方が安心です。
・止血帯はリスクも大きいので手足切断のような重大事故のとき以外は使用しない。
☆クラゲの手当てについて
・触手が残っていたら除去します。この場合箸やピンセットを使い、直接手で触手を触らないようにしましょう。また、触手に酢をかけるとそれ以上刺されることを防止できます。
・傷口を水で洗います。
・痛みが激しい場合は暖かいお湯に浸したタオルを絞って患部に当てると、痛みが引く事が多いです。
・症状が軽い場合は抗ヒスタミン軟膏や副腎皮質ホルモン入り軟膏等を塗ります。
・症状が激しい場合は薬は使用せず、医者に行きましょう。
・顔を刺された場合は跡が残ると問題ですし、関節の内側など皮膚が弱い部分を刺されたりした場合は医者に行った方が良いでしょう。
・フリッカークラゲやハブクラゲ、カツオノエボシのような強力な毒にやられた場合は呼吸困難〜呼吸停止を招くことがあるので人工呼吸などを施す必要があることもあります。
☆ウニ(ガンガゼ)による傷の手当てについて
*ラッパウニ・イイジマフクロウニに対してはクラゲに順じます。
・ガンガゼの棘は折れやすいので無理に抜こうとしないようにしましょう。
・痛みが激しい場合は温かいお湯に浸したタオルを絞って患部に当てると、痛みが引く事が多いです。
・体内に残った棘は2週間ほどで吸収されて無くなるので、無理に取り出そうとしない。無理に傷口を触ると化膿したり傷が悪化したりする可能性があります。
・腫れ、痛みが激しい場合は医者に行くようにしましょう。
☆ウツボ・サメの咬傷の手当てについて
・手当ては出血の手当てに順じます。噛まれた場合は出血が激しく感染症の心配もあるので医者にかかる事をお勧めします。
◎痛みを止めよう!
被害を受けたとき最も苦痛なのは痛みです。安全な場所に逃れた後(ダイビング中なら陸に上がった後)、苦痛を取り去るだけで精神的にも安定します。
すでに記載しましたが、海中生物による毒の被害を受けたときには温かいお湯(我慢できる限り熱いほうが良いようです。45度程度が目安)に浸したタオルなどで患部を覆い暖めるだけで苦痛は低減します(毒が入るほど深くウミヘビにやられた場合など、毒が強く多量に体内に入った場合は除外します)。
噛み付きによる被害の場合、傷口を洗浄し、清潔な布やガーゼなどで患部を押さえるだけでも痛みは若干引きます。これは神経回路に接触刺激を与えることで、痛みの感覚のみを脳に流すことを阻止するために起こることで、実証されています。
◎市販薬と医師の診断
怪我をしたからといってすぐに市販の薬をつけてしまうと、医師の診察の邪魔になることがあります。すぐに病院に行くことにしているなら、市販の薬などは使わず、洗浄と消毒くらいに留めておいたほうが無難です。この際でも上記の痛みをとる方法を実践することが有効だと思います。
◎応急手当の講習を受けましょう!
止血のやり方を一つ取って見ても、直接圧迫止血、関節圧迫止血、止血帯等その状況 に応じて様々な方法が有ります。万が一の事故に対処するためには本などから得た知識では限界があります。各ダイビング指導団体などでも講習を開いているようですし、消防署でも実費で講習会を開いて頂けるそうです。講習日程は5日ほどかかりますが、日本 赤十字社の救急法講習は日常起こり得る事故の対処法をほとんど網羅し講習費は実費のみと大変優れた講習を各地で開催していますので、お薦めです。また、1歩進んで自ら能 動的に事故防止やレスキューを行ないたい人は日本ライフセービング協会の講習会を受けるのも良いと思います。
このような講習で学んで欲しいのは応急手当の大変さと大切さ、そして何より事故を起さないことの重要性です。
願わくば、皆さんが安全で楽しい毎日をおくれますように
刺された時の応急手当の「伝説」
クラゲに刺された時にお湯をかけると良いとか、海の砂をまぶすと良いとか、酢をかけると良いとか聞いたことは有りませんか?それぞれに意味はありますが、治療の意味はハタしてあるのでしょうか?それぞれ検証して見ましょう。
お湯
海洋生物に被害を受けた場合、お湯などで暖めると確かに痛みは引きます。また、海洋生物の毒には「タンパク毒」が主成分な物が多いのです。この2つを根拠としてタンパク質は熱を加えると変成するから暖めると良いんだ、と言う人がいます。が、ちょっと待ってください。人間の皮膚だって「タンパク質」です。
ミノカサゴ等の毒は50℃に加熱して30分で、60℃で2分で毒性が失われると言います。オニヒトデも60℃、カツオノエボシの毒は60℃で5分間で毒性が失われると言われていますが、皮膚の下の毒が回っている部分を60℃に加熱するためにはもっと高い温度で暖めなくてはいけないはずです。すると、当然人間の皮膚もヤケドするのではないでしょうか?考えて見ても判るように50℃の風呂にすら人間は入れないのだから。結果としてタンパク毒を熱で分解するのは不可能だろうと思います。暖かい蒸しタオルで痛みを取るだけにしておくのが無難だと考えるのです。
では、砂をまぶすのはどんな意味が有るのでしょうか。
クラゲに刺されて触手が残っていた場合、砂を被せる事によってまだ発射されていない刺胞に刺激を与え刺胞を取り去る事がでます。が、その場合は酢を使ったりピンセットを使ったりするほうがより衛生的で安心です。
では、酢はどうでしょう?
酢はクラゲの刺胞を収縮させ、体についた触手からそれ以上の被害を受けることを防ぐ事ができます。が、治療効果は全く有りません。アンモニアも同様です。ハチに刺されたらアンモニア。。。と言うのも全くのデマですので、ハチやクラゲに刺された時に尿をかけるのは意味が有りません(尿は基本的には無菌のはずですので洗浄には良いかもしれません)。
さて、みなさんは他にどんな伝説を知っているでしょうか?
|