旅する生物 第3話 
〜死滅回遊魚・季節来遊魚・無効分散〜

 夏になり水温が上がってくると、静岡県の伊豆にも南からの使者がやってきます。それらの魚は死滅回遊魚とか季節来遊魚と呼ばれています。何故暖かい海にしか住めない魚達が冬には水温が下がってしまうようなところまでやってくるのでしょうか?

 もちろんそれには理由が有ります。生物には子孫を(自分の遺伝子を)残そうとあらゆる努力をします。その努力の中には新たな新天地を探すと言うのも含まれます。海流に卵もしくは小さな稚魚を運んでもらい生き残れる場所を探しつづけているのです。

 私達が秋に見ているのは、その万が一の可能性にかけた必死の生物の営みなのです。小さな南からの使者を見て「可愛い!」と言うだけでなく、その努力に声にならない声援をしてあげてください。

 ところで、サブタイトルにあげた死滅回遊魚季節来遊魚・無効分散とは何の事でどこが違うんでしょう。以前からダイバーの中では夏から姿を見せ冬に姿を消す南の温かい海に住む魚の事を死滅回遊魚と呼んでいました。ところが、回遊と言う言葉には「行って戻ってくる」と言う意味があるのです。行きっぱなしで死滅してしまう魚の事を回遊とは呼べないと言う事で季節来遊魚という傾向が現れました。そして、秋には死んでしまう有効ではない努力の事を無効分散と言うのです。

 

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