大分県司法書士会
 



法律相談 Q&A 第3回

相続手続きの実際
Q
夫が家とその敷地を残して他界しました。相続の手続きについて教えてください。また、相続の登記には期限はあるのでしょうか?
A
まず、「相続する財産はどれだけあるか」と「誰が相続人か」を調べましょう。
相続できる財産には、
  1. 土地や建物などの不動産
  2. 骨董、貴金属、自動車、生活品などの動産
  3. 株券、預貯金などの債権
があります。これらを「プラスの財産」と言います。これとは逆に、借入金、未払金、および債務履行義務などを「マイナスの財産」と言います。通常は、「プラスの財産」と「マイナスの財産」を併せて相続します。
相続人は、戸籍で調べます。亡くなった方(被相続人)の14歳か15歳くらいから亡くなるまでの戸籍がすべて必要です。配偶者(夫から見た妻、妻から見た夫)とその子、子がいなければ配偶者と直系尊属(被相続人の父母、または祖父母)、直系尊属がいなければ配偶者と被相続人の兄弟姉妹の身分関係を調べます。
相続人は、自分が相続人と知ってから3ヶ月以内に、相続を承認するか、相続を放棄するかを決めなくてはなりません。この期間内に相続を放棄しなかったときは、相続を承認したものとみなされます。
相続登記に、とくに期限はありません。ただし、あまり長い間、相続登記をしないでおくと、次の相続が発生したり、相続人の関係が複雑になったりして、費用がかさむことにもなります。早めに相続登記をすることをおすすめします。

参考:「相続人とは?

家を新築したら?
Q
家を新築したので登記をしたいのですが、どのような登記が必要なのか、そしてどのような点に注意したらよいか、アドバイスをお願いします。
A
家を新築したときは、まず最初に建物表示登記をします。建物表示登記とは、建物の現況(建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積、所有者など)を明らかにするための登記です。建物表示登記の専門家は、土地家屋調査士です。
表示登記の次には、建物の所有権者を登記します。これを所有権保存登記といいます。
これらの登記で注意することは、誰の名義で登記するかということです。普通は建築資金を出した人の名義で登記します。ところが、夫婦で建築資金を負担しあったのに、夫だけの単独名義で登記をしてしまうことがあります。この場合は、贈与税の課税対象になります。建築資金を負担したのに共有者としての登記をしなかった妻から、単独の所有者となった夫への贈与があったものとして課税されるのです。所有権の登記は、建築資金の出資割合に応じた登記をすることをおすすめします。 なお、住宅取得資金の贈与に関し、贈与税が軽減される措置もあります。
所有権保存登記をするときに、登録免許税という税金が必要です。税率は、課税価格の1000分の2(平成18年3月31日まで、その後は1000分の4)です。ただし、専用住宅の場合は、税率が軽減されることがあります。

参考:「夫婦の共同所有

相続人が音信不通!
Q
父が亡くなったので相続の手続きをしたいのですが、相続人の一人が音信不通です。この場合、遺産分割はどうすればよいのでしょうか?
A
遺産分割協議は、相続人が全員参加しなければできません。行方不明などで、参加できない相続人がいる場合には遺産分割協議はできないことになります。この場合、ふたつの方法が考えられます。
ひとつは、音信が途絶えて7年以上になる場合は、家庭裁判所に申し立てを行って失踪宣告の審判をしてもらう、と言う方法です。 この審判があれば、行方不明となって7年が経過した時点で死亡したものとみなされ、そのほかの相続人で遺産分割協議ができます。
もうひとつは、家庭裁判所に申し立てを行って、不在者のための財産管理人を選任してもらう方法です。
遺産分割協議は、財産管理人とそのほかの相続人とで行うことになります。ただし、財産管理人は不在者の財産を管理するのが職務なので、遺産分割協議を含めて、財産の処分に関することを行うときには、別途に家庭裁判所の許可をもらわなければなりません。

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