STREET FINDER GPS FOR
PALM V Review
by SANAI [2000.06.06]
| 最近のPalmOSデバイスアクセサリの充実ぶりには目をみはるものがある。
しかし通信環境やケース類はかなり選択枝が増えたものの、まだパソコンの周辺機器のようにはいかない。そのような環境下、Palm
de COOL! は世の中にないものを自分達で工夫してPalmOSデバイスの可能性を広げてきた。
たとえばPalmVとSONYコロンブスのGPSユニットを組み合わせて一体型ハンディナビPalmGPX-5を99年7月に実現した。しかし、単三電池4本を電源としたために420gとかなりの重量級ナビであった。そんなところへ今年になってようやく市販品でPalmV/WorkPad
c3専用のハンディナビが登場した。 Palmfanで5月15日に紹介されていたので御覧になった方もいるだろう。
それが今回レビューする、米Rand
McNally社のStreet
Finder GPS for PalmVである。
■オーダーして11日で到着■
値段は$199(GPSレシーバ)+$12.95(送料)+800円(通関料、関税等) 製品は右図の様な箱に入っていた。PalmVの箱とほぼ同じ大きさだ。 内容物はCD-ROM 3枚(プログラム1枚、USA国内の地図データ2枚)、シガープラグ,マウントからなる車載キット、布製ケース、AAA電池2本それにStreet Finder GPS for PalmV本体である。 |
PalmV(奥)とGPS(手前) |
| ■外観はアンテナ付きスナコネ■
手に取ってみると、そのコンパクトさと軽さに驚かされる。Snap Connect c3にφ23mm(根元)-φ20mm(先端)、長さ45mmの大きめのPHSアンテナを付けた形状といえば分かりやすいだろう。この筐体は Palm Computing社にHardware Developper登録することで供給されるらしく、Snap Connect c3や純正のモデムと全く共通である。 そのためアンテナが右上に位置し、スタイラスによっては干渉するだろう。またPalmVの固定は背面の各穴にロックをかける方法となっている。 背面を見るとハンディGPSを発売しているMagellan社のロゴが見える。ハードはMagellan社から供給を受け、Rand McNally社が地図データ付ソフトと一緒にシステムで販売しているのだろう。 電源は単四電池2本。PalmVと組み合わせた重量は約220g(実測)である。自作のPalmGPX-5と比べると本体と組み合わせて約半分の軽さ、厚みである。 早速電源を入れ、TermPilotでデータが流れてくることを確認する。フォーマットはGermin社のGPSレシーバなどで採用されているNMEA0183である。
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| 正面
US版WPc3との 組み合わせ |
背面
Magellanの ロゴが見える |
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| 側面 | ||
PalmGPX-5(左)と StreetFinderGPS(右) |
厚さ比較 PalmGPX-5(左)と StreetFinderGPS(右) 約半分の厚み |
| ■添付のStreet Finderを使用する■
次に本体同梱のCD-ROMからStreetFinderをインストールしてみた。PalmVの画面上のアイコンをタップするとデフォルトで入っているサンディエゴ周辺の広域地図が表示される。勿論日本では使えないので単にGPSレシーバが認識されるか確かめるのに使用した。MENUからNavigate→GPSを選ぶと、運転中の使用に関する警告が現れた。GPS Startをタップすると、initialing GPS.. と表示され、初期の広域地図上に Acquiring GPS Signal と表示された。一応GPSを認識しているようなので、次にMapPilotと組み合わせてみることにした。 |
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| 今回使用したPalmware | 初期画面 | MenuからGPSを選ぶ | 測位結果が出ても日本の
緯度経度では表示できない |
| ■MapPilotと組み合わせる■
PalmGPX-5ではayama氏の作ったMapPilotを使用して位置表示させた。これはもともとayama氏所有のDelorme社Earthmate用に開発途上にあったものを、コロンブスGPX-5のフォーマットに対応してもらった経緯がある。そのとき、GPSの世界ではデファクトスタンダードのNMEA0183フォーマットにも対応してもらった。この他、SONYのIPS3000〜5200,さらに最新のIPS-8000にも対応している。 Street
Finder GPSとPalmVを組み合わせ、上空が開けている場所でMapPilotを起動してみた。GPS
Setup画面でNMEA0183を選び次にGPS Info画面で衛星補足を待つ。しかし何も起こらない。
TermPilotで確認するとデータは流れているようだが衛星を見つけていないらしい。それならばとそのまま30分放置した。
※衛星補足に30分かかったのは工場出荷からユーザーの手元に届くまでの間にアルマナック(軌道情報)が消失したためで、条件が良ければ次回からは2-3分で測位開始するだろう。 その後しばらくStreet Finder GPSとMapPilotの組み合わせで使用したが、6月5日時点では以下の不具合が確認された
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| NMEA0183を選択 | GPS画面から一度GPS Infoに | DATUMはWGS84のこと | 現在位置が○で表される |
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Street Finder GPS購入直後、MapPilotの作者ayama氏にお会いする機会に恵まれた。早速その場で生データを取得し、デバッグを依頼した。近日中にStreet Finder GPSに対応していただけるとのことなので、また後日レポート出来るだろう。このような優れたPalmwareを開発してくれただけでなく、快く様々なフォーマットに対応してくれるayama氏に感謝したい。 |
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| ■GPS基本性能■
2000年5月2日、それまで測位精度悪化の原因だったSAが廃止された。詳細は省略するが、いままで意図的に精度を落としていたのが、1桁精度が上がり誤差10m程度で自分の位置が分かるようになった。日本ではGPSといえばカーナビの感があり、いままでもジャイロや車速パルス、D-GPS(FM局のVICS経由で送られてきた情報を基に位置補正するシステム)、マップマッチングを併用することにより10m程度の精度を実現していた。それが今回のSA廃止によりGPS単体でも精度が上がったのは朗報である。 30分ほどStreet Finder GPSとMapPilotの組み合わせでGPS画面を見た限り、おおよそ直径5mの円の中をふらふらしている程度であった。ハンディナビとしては十分な精度だろう。 さてその受信感度をPalmGPX-5と比べるとかなり良いようである。例えば電車に乗りながらの測位を比較すると、Street
Finder GPSは窓を背に座席に腰掛けて肩の手前にアンテナを持っていけば窓を通してGPS衛星からの電波を受けることが出来る。しかしPalmGPX-5ではアンテナを窓に付けないと受信できない。ここ4-5年の半導体デバイスの進化のおかげでアンテナを小型化してもそれを補う感度が得られるようになったようである。またSONYのIPS-8000との比較でも優秀な性能を発揮した。
気になる電池の持ちは、取扱説明書によると8〜10時間となっている。単四アルカリ電池2本でこれだけ持てば充分だろう。但しPalm本体側もシリアル通信を続けているのでこちらの電池消耗も気になるところである。 |
| ■問題は地図データ■
GPSシステムはハード、ソフト、地図データの三者がそろって初めて実現される。カーナビならCD-ROMまたはDVD-ROMという大容量の地図データを持ち歩くことが出来るがメモリが8MBしかないPalmVxやWorkPad c3(50J)では地域を限定するしかない。またその地図データをどうやって得るかが問題だ。 MapPilotを使用するときの地図データは同じayama氏が作成したWindows用のmapMakerを使う。白黒二値データに緯度経度情報を与えてPDBファイルを作成する。気になるサイズは1880×1024−940×512−470×256の3階層地図を作成して311KBだから、Windows上のファイルサイズ合計そのものである。 縮尺にもよるがこれで1−2時間歩き回るには十分な広さの2km×1.5kmくらいの地図が作製できる。自転車での利用の場合はもっと縮尺を考えて、より広域地図にするか、他のPalmwareを排除して8MBを全てMapPilotとその地図データにすればよいだろう。カーナビと比較しても無理な話である。割り切りが肝心だ。 地図データはアルプス社の「ProAtlasシリーズ」やゼンリン社の「Zi:」等電子地図から変換して使う。緯度経度情報さえ分かるなら、紙地図をスキャナーで読みとる手もあるだろう。但しこれらは著作物なので、たとえPDBに変換しても配布や公開出来ないことは言うまでもない。個人的な利用にとどめて欲しい。
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| ■内部構造■
最後にその内部を紹介する。4本の小径ネジを回して裏蓋を取ると基板1枚、電池ケース、アンテナしか見あたらない。アンテナ部のケースを外そうと試みたが爪で強く固定してあるので分解は出来なかった。どの方向から電波を受けやすいかアンテナの形状を見て推測するつもりが残念である。 アンテナからの配線は左側のシールドされた部分に接続されている。1.5GHz帯の微弱な信号を処理している部分である。さすがに半田付けを外してまでシールド板の中身を見る気にはなれなかった。下側のシールド部も同様である。下にいくに従いケースの厚みが薄くなっているのでシールド板は斜めに取り付けられている。これらの詳細な機能は不明だが、最後に電池ケース下側のチップでデジタル処理され、NMEA0183フォーマットで出力されるのだろう。 電池ケースの左下に見える黒い四角の部品はスーパーキャパシタと思われる。電池交換時にアルマナック(軌道情報)を消失しないように付いているのだろう。ワンチップマイコンと思われるIC上に品質検査を通ったことを示す「PASSED」のラベルが見える。品質には定評のあるMagellan社のことだ、ハードの作りは間違いないだろう。 [6月17日追記] 基板を取り出して裏側を見ると、部品は全く付いていない。シンプルな作りだ。 続いてアンテナ部のケースにネジが見付かったので外してみた。 4本のパターンが螺旋状にフレキシブル基板上に配線され、筒状に丸められている。これを見る限り、特定方向に強い指向性は無さそうである。 |
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| 内部構造正面 | 内部構造拡大 | 内部構造側面 | 基板裏側 | アンテナ拡大 |
| ■総括■
Street Finer GPS for PalmVを使ってみての感想は、いままで欲しくて自作までしたPalmを使ったハンディGPSがいとも簡単に実現できた事への驚きである。 2000年6月現在、KDD研究所のJaMaPSのように公衆電話回線経由でベクトルデータを受け取り、さらにGPSと連動させるPalmwareが開発中である。他社からも地図だけでなくGPSを利用してPalm上でレストラン等の位置情報を提供するようなシステムを開発中との話も聞く。 これらのソフトがStreet Finder GPSに対応するか未知数であるが、ハードとしての完成形はこの形しかないと感じた。あるいはこれらのソフト開発もRand McNally社同様、ハードはMagellan社から供給を受けて、システムとしてソフト、地図データと一体化して出してくるかも知れない。 地図データを自分で作れる環境を持ち、これらのGPS連動地図情報システムの完成まで待てないPalmV/WorkPad c3ユーザーはStreet Finer GPS for PalmVとMapPilotの組み合わせで一足先にハンディGPSの世界を楽しんでは如何だろうか。 |
| ■JaMaPSと組み合わせる■[8月13日追記]
6月のStreet Finder GPS Reviewの最後で紹介したKDD研究所のJaMaPSは6月17日よりマップデータをネット経由でダウンロードし、PalmOS搭載機にキャッシュすることでGPSを使った位置表示にも対応した。高度なテクニック無しにマップデータが利用できる点が画期的であったが、6月17日時点では秋葉原など限られた地域しかマップデータが用意されていなかった。 この度、全国マップサーバが一般公開されたのでPalmV+Street Finder GPSと組み合わせたときの使い勝手をレビューする。 JaMaPSでマップデータをキャッシュする
JaMaPSを起動すると予め都内主要駅周辺データをダウンロードする設定(ブックマーク)が登録されているが、その他の地域のマップデータをダウンロードするにはコツが必要だ。MENU-OptionからMRL editを選び、ダウンロードしたい地域の四隅の緯度経度を指定する。ブックマーク名をつけて"add"ボタンをタップしたら初期画面に戻る。 次にブックマーク名を選び"Connect Network"をタップする。ネットワークに接続しサーバからマップデータをダウンロードしてくれる。このとき当然ネットに接続できる環境が必要である。モデムやSnapConnectといった通信アクセサリ及びネットワーク環境設定が必要だがここでの説明は省略する。 データ量にもよるが14400bpsのモデムを使って、接続から地図1枚のダウンロードまで約1分半かかった。表示された地域が思惑から外れていた場合、 |
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| 必要なアプリ | JaMaPS初期画面 | MRLeditでダウンロード する範囲を緯度経度で設定 |
ダウンロードされた地図 |
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GPSはJaMaPS Memoで
このマップ画面ではある程度地図の拡大や縮小、スクロールが可能であるばかりでなく、画面をタップすることことによりアイコン付きのメモが登録可能である。 |
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| JaMaPS MEMO 初期画面 |
「GPS」画面
緯度経度等を表示 |
秋葉原の駅前で 測位したところ 十字で現在位置が 表示される |
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以上のように日本におけるPalmOS搭載機を使ったGPSシステムの中では最も安定してかつ手間のかからない組み合わせと思う。その理由として以下の点があげられる。
その一方、まだまだ使いづらいと感じられる点は以下の通りである。
JaMaPSの目指すところは単なるハンディナビの実現だけでなく、複数の異なるサーバからの情報、たとえばマップデータと店舗情報を重ね合わせて表示することにより、総合的な地図情報を提供することである。データ提供側が未整備だったり、PalmOSの通信環境が貧弱(GPSからのシリアル信号を受けながらネットワーク接続できない)といった現状ではあるが 、今後徐々に整備、改良されていくだろう。今後のKDD研究所の動きに期待。 一方我々ユーザーも積極的に使用してその使い勝手、感想を開発側にフィードバックする事により、JaMaPSの完成度を高めると共に、GPSや地図情報を使った新しいサービスを提案していこうではないか。 | |||
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■おまけ:Street Finder GPS入手情報■ StreetFinderGPSの入手が日本でも可能になった。オンラインショップVis-a-VisがRand McNally社から輸入して販売を始めるらしい。ご丁寧に参考情報としてこのページへリンクがはってある(笑)。 (水谷店長お知らせありがとうございます) またティンバーテックの製品情報にGPS for Palmと称してStreetFinderGPSと同じ形状の商品が掲載されている。詳しいスペックは不明だがティンバーテック独自のルートで製造元のMagellan社から供給を受けているのかもしれない。 | |||