自民党総裁選における麻生太郎候補支持の理由




目次

 1 構造改革継続の視点〜「次の格差是正」の重点は「地方」→麻生太郎

 (1)小泉構造改革の本質=将来と現在世代の格差是正
 (2)小泉内閣主要三閣僚→改革姿勢同じ→次の格差是正の力点に違い
 (3)小泉改革の発展的推進→地方格差是正が最優先されるべき
 (4)麻生太郎の主張


 2 新しい自民党の視点〜派閥規模は無関係にする必要→麻生太郎
 (1)従来の自民党総裁選
 (2)候補者要件の変化の兆し
 (3)優先すべき要件
 (4)麻生太郎が望ましい理由


 3 人気重視という2匹目への懸念・実質本位→麻生太郎
 (1)小泉改革を支えた制度的構造
 (2)小泉登場時との比較
 (3)小泉人気と安倍人気は背景が異なる〜人気先行は危険→自民党の危機に直結
 

 4 健全な保守政治確立の視点〜今後の政局への備え
 (1)国家理念で軸に幅広く結集するためには離党組の一部復帰は必要 
 (2)過渡期における急速な世代交代傾向のリアクションの恐れ
 (3)参院選で過半数割れになった場合、党を割る可能性の人々が他の陣営に存在


 5 小沢民主党との対決の視点
 (1)小選挙区比例代表制(総選挙・参院1人区・補欠選挙)への対応
 (2)反対勢力の結集→阻止の必要 
 (3)乱を好むマスコミの動向
 (4)主戦場の参院選地方1人区


 6 自民党改革への懸念
 (1)派閥力学復活への懸念
 (2)総主流派体制への懸念
 (3)党内ポピュリズムへの懸念
 (4)新人イメージの悪化の懸念




 1 構造改革継続の視点〜 「次の格差是正」の重点は「地方」→麻生太郎


 小泉構造改革の本質=将来と現在世代の格差是正
不良債権処理・郵政民営化・規制緩和 公共事業削減しても景気浮揚
規制緩和による成長維持→最大目的を達成した後の弊害除去
次はどの段階か
@一層の世代間負担格差是正A地方経済格差の是正B個人の機会格差是正

 小泉内閣主要三閣僚→改革姿勢同じ→次の格差是正の力点に違い
谷垣候補→「世代」格差是正に重点→消費税の増税と福祉目的税化
麻生候補→「地方」格差是正     →政調会長・総務大臣 小泉改革の本質を理解
安倍候補→「個人」格差是正     →再チャレンジ議連

 小泉改革の発展的推進→地方格差是正が最優先されるべき
地方の体力衰弱              →歳出削減先決→消費税論議は萎縮効果
地方格差是正が個人格差是正の前提 →医療・学習機会等 機会確保の前提

 麻生太郎の主張
まずは地方経済の建て直しを優先。並行して個人の機会平等確保
日本の底力=個人の底力の総和→しかしその前提の地方整備が優先
次に個人機会格差是正→歳出削減最大限努力後、消費税引き上げ

 2 新しい自民党の視点〜 派閥規模は無関係にする必要→麻生太郎


 従来の自民党総裁選
@理念なき派閥力学   →派閥維持のための談合横行→政策・理念中心
A当選回数・年齢     →嫉妬を買わない年功序列  →年功序列打破
B派閥規模が一定以上  →取引できる規模 拡大志向 →派閥の意味没却

 候補者要件の変化の兆し
@理念と政策中心       →三者とも満たしている
A当選回数・年齢関係なし  →安倍氏は5回 51歳 しかし最大派閥
B派閥規模関係なし     →麻生氏11人・谷垣氏15人

 優先すべき要件
@調整能力:与野党間・党内に理念のねじれ→過渡期において調整能力必要
        →政調会長・総務・外務大臣経験者が過渡期においては適任
A当面のジェラシー緩和:年功序列打破→安倍氏→またジェラシー増幅
       →容易に反安倍化=不安定化→旧勢力復活の恐れ
B最大派閥志向打破→安倍氏=「結局最大派閥志向」強化の恐れ
       →対民主の小選挙区制度は派閥にこだわっている余裕なし
       誰でも総裁候補足りえるという前例の存在が党内活力に

 麻生太郎が望ましい理由
@理念と政策持ちA過渡期の調整能力がありB急激なジェラシーを緩和でき
C派閥規模でなく候補者そのものの資質で選ばれる総裁選にするため

 3 人気重視という2匹目への懸念〜 実質本位→麻生太郎


 小泉改革を支えた制度的構造
@小選挙区比例代表制→小沢一郎が導入→定着
A内閣機能の強化  →橋本行革 →ますます強化
→制度上の担保→小泉氏が最大限利用→リーダーシップを印象付ける
→今回は発揮して当然という見方 発揮しなければ派閥の復活という批判

 小泉登場時との比較
小泉登場時 次期政権
@前内閣の人気 不人気の森内閣
→誰でもまし
支持率50%の小泉内閣
→誰でも見劣り
A選挙までの期間 野党の攻撃時間余裕なし
→都議選・参院選直前
野党攻撃の時間的余裕
→統一地方選・参院選まで時間
その間臨時国会・通常国会
B政党の分布 野党が民主党と
自由党などに分立
民主と自由合併後の小沢民主党 政権交替の可能性
C劇場型 既得権益・既成秩序の「破壊」→ドラマになじむ 丁寧な説明必要な「建設」
→ドラマになじまない
D派閥 強く残存
→抵抗勢力と位置づけ可能 判官びいきも
融解
→かえって排除しにくい 安倍氏は最大派閥に依存
E人事 3度目挑戦予想覆しての勝利→人事フリーハンド 準総主流派的・最大派閥出身
→かえって派閥の論理に巻き込まれる可能性
F主要ポスト 少数派閥か他党に
(財務・総務・国交相・政調会長)
準総主流的な形だと主要閣僚等の取り合いの可能性
ライバルが育ちやすい
Gメディア利用 ワンフレーズポリティックス 解説型が必然的に求められる
→TVメディアになじみにくい
Hキャラクター しがらみの乏しい人間関係 小泉後継という位置づけから
個性の演出がきわめて難しい
I地方 不人気自民党への危機感
地方の結束
「平常への回帰」願望 地方組織・経済の建て直し急務

 小泉人気と安倍人気は背景が異なる〜人気先行は危険→自民党の危機に直結 
 背景異なる中で小泉型の追求・一極集中型は危険
 実績重視・漸進型の麻生太郎の方が自民党の安定的発展には好ましい

 4 健全な保守政治確立の視点〜 今後の政局への備え


 国家理念で軸に幅広く結集するためには離党組の一部復帰は必要
 
郵政法案は国家観では瑣末 国家観軸→離党組の復帰必要(平沼・保利氏)
@安倍氏:小泉直系→復帰の批判がおきやすい →民主に追いやる恐れ
A谷垣氏:国家観異なる者の結集の核になる恐れ→分裂・再編の火種に
→スムースな保守系政治家結集・党内の火種の除去必要
→結集しやすい麻生氏が適切 健全保守の大きな柱

 過渡期における急速な世代交代傾向のリアクションの恐れ
@飛ばされた世代を「反対のための反対」に駆り立てる可能性
 →国家理念中心に移行前に、世代間抗争を惹起→党にマイナス
A若さ重視傾向→自民党をかつての民主党化する可能性
B元に戻すのに安倍氏に的を絞りやすい(民主党の前原→旧体制復活)
 →保守政党の自民党を麻生・安倍連合にするためには麻生氏が先が適切

 参院選で過半数割れになった場合、党を割る可能性の人々が他の陣営に存在

小沢民主がアプローチしやすい者が存在→揺さぶりの原因に
かつて敗れた新進党→党移籍・徐々に引き抜きの可能性
→自民党の安定のためには麻生氏が適切 安倍政権でも麻生氏は重要基盤に

 5 小沢民主党との対決の視点


 小選挙区比例代表制(総選挙・参院1人区・補欠選挙)への対応
@党対党の戦い→派閥無関係の総力戦 紹介名簿提出の徹底→小沢一郎
 →党首は派閥へのこだわり・縛りが少ないほうが強い
 →麻生氏が最も派閥の縛りが少ない→相対的に党全体を考える
A二者択一型→否定形が強い(ストップザサトウ・都市博中止・脱ダム・駅中止等)
 →否定形の対象が絞られることは不利→安倍氏は攻撃しやすい
 →一極集中は危険→球を散らすことが得策

 反対勢力の結集→阻止の必要
@野党      :社民・共産・国民新党・新党日本→連立の可能性も視野に
A離党組無所属:平沼氏・保利氏           →誰が融和的に見えるか
B自民党非主流:山崎氏・加藤氏(マスコミ報道) →追い詰めすぎないために
   →現時点で反対勢力が結集しやすい安倍氏 一極集中は危険

 乱を好むマスコミの動向
@乱を好むマスコミ→ガス抜きできず→盛り上がらない総裁選
   →補選・統一地方選・参院選に持ち越し→政権交代論調強まる可能性
A上げて下げるマスコミの常識→人気先行は危険

 主戦場の参院選地方1人区
@地方は「平常への回帰」期待→ある種の改革疲れ
A政調会長・総務大臣経験と経営者出身は地方から好感

 6 自民党改革への懸念


 派閥力学復活への懸念
@小選挙区制度→総力集中型→派閥の縦割りが致命傷になりかねない
A「勝ち馬」志向→派閥生き残りの苦肉の策に見える
B派閥の論理 →「理念なき政党」のイメージを強める 見苦しさの印象

 総主流派体制への懸念
@全てを道連れにする構造→リクルート事件
A均衡型人事・不足    →不満予想→ダイナミズム喪失
B擬似政権交代見えず  →自民対民主に力点 自民党求心力喪失→一極集中危険

 党内ポピュリズムへの懸念
@国民的人気→メディアへの露出面で官房長官有利
  →一般議員の露出志向に拍車→奇をてらった行動に拍車
A飽きへの不安→議員の長期的視点喪失の可能性→自民党の安定感の喪失
Bチェックアンドバランスの喪失→民主党の攻撃容易に

 新人イメージの悪化の懸念
@小泉人気で当選→理念と政策でなく人気重視という世間の見方
  →党の顔にひたすらすがる姿勢→チルドレン→自民党新人議員の質への疑問
A次期総裁選挙時に人気ある保障なし→風任せ体質に拍車→自殺行為
B選挙区固めが本来の仕事→総裁選で一部論功行賞に関心持つことへの疑問
  →総裁に関わらず党と自分の足腰を強化が本来の姿→明らかに逸脱