感染症へ

【破傷風】

破傷風トキソイドの続きです。
今の所は日本ではめったに見る疾患でないといえ(三種混合ワクチンの普及など)
海外での罹患や、海外からの日本に渡った人には起こり得ます。
まだ深く挫傷をおった際やあるいは犬に噛まれた時、念のため
破傷風トキソイドワクチンも打ちます。今でも本国で1年に50人程度は発症が
報告されています。世界では100万人以上です。

  どういう疾患かは書いておきます。というのはまず耳鼻科に開口障害とか
舌がふるえる、えんげできないなどから初発するので来ることも有り得るからです。

破傷風菌  Clostridium tetaniによります。

この破傷風菌の芽胞が創傷面から体内に侵入することによって感染します。
この芽胞は土壌に分布して、体内に傷口から入り、そこから
細菌(グラム陰性桿菌)の形を取りますが
主症状の筋亢進は破傷風菌毒素(テタノスパスミン)が神経伝達のシナプスの
所に作用して神経伝達物質の放出を阻害するからと言われています。

潜伏期は挫傷、創傷後3から21日です。

人から人への感染はありません。

臨床症状は

肩凝り、舌のもつれ、顔がゆがむ(この舌のもつれとか顔の歪みで耳鼻科に
来ることもあります)開口障害、しだいにえんげ障害(飲み込むのができなくなる)
発語発音障害(舌を動かすとか発声するための筋肉への侵襲)ここまでは
初発症状で来院することは耳鼻科でもありえます。
特に開口障害は痙攣がない初期なら、よく顎関節症と間違うことがあります。


その後筋肉痙攣が発生してやがて全身状態に発展します。ここでの鑑別は
関節炎やヒステリーなどさまざまです。

特徴的な横紋筋の硬直、鍵反射亢進、病的反射になるとかなりはっきりとしますし
意識が清明です。

創傷したところから破傷風菌の分離が確定診断といえ、必ずしも分離されないことも
多いので、まず問診でケガ(軽いものも含め。たとえば庭いじりでもありえます)
の有無を聞きます。

まず創傷のデブリトマン(奇麗に洗う徹底した消毒)ことを徹底的に行った後
早期に破傷風ヒト免疫グロブリンを投与。新生児500単位、 乳幼児200単位/キログラム
成人3000-5000単位を投与します。

必要に応じてペニシリンG、テトラサイクリン投与、さらに全身痙攣の時には
抗痙攣剤を使用します。必要に応じて気管切開などを行います。

特にこの破傷風菌の場合同定は破傷風菌の創傷からの同定と
さらに分離菌からの破傷風毒素検出ですが、病気の経過が速いにかかわらず、
同定できないことも多く、傷をおった後疑われる例には治療を培養結果を
待たずして治療開始することが多いです。

また破傷風になる疑いがある場合は、あらかじめ破傷風トキソイドを犬に
噛まれた後とか傷をおった後に打つことは、すでに書いておきました。

致死率は非常に高く、早期発見ならグロブリンの作用が効きますが、全身痙攣に
なると呼吸筋を初めとする、筋肉の運動阻害や全身痙攣などのため致死率も高く
なり、集中管理が必須になります。

今は三種混合ワクチンで確実に、そして生涯免疫を得れますが、そのワクチン接種を
してない場合とか、生涯免疫以上に感染率が高い傷(犬に噛まれたとか
土壌で擦傷したなど)の場合疑われる場合などもあります。

まず三種混合は確実に幼少時にうけておくことです。それをしていない場合
大人になって、どういう傷でも絶対かかってないとも言えないのです。だから
大人でも三種混合あるいは破傷風トキソイドをワクチン接種して予防することは
必須でしょう。母子免疫(受動免疫)も参考にしてください。
三種混合ワクチンとしても書いておきます。
また人から人へ感染はありません。看病してる人が罹患することはありません。

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