【肺炎球菌ワクチン 乳幼児と高齢者と肺炎球菌ワクチン】
Hibワクチンとともに、今肺炎球菌ワクチンを乳幼児に接種することが推奨されています。
これをQ アンドAでまとめてみます。
Q 今肺炎球菌ワクチンという言葉が話題になっていますが、この肺炎球菌ワクチンとはどういうものなのでしょうか。
A 従来大人にも商品名ニューモバックスと言う名前で肺炎球菌ワクチンが接種されてきましたが、2010年から
子供用のプレベナーというワクチンが発売されるようになりました。
Q 従来のニューモバックス(大人用)は子供さんには使えなかったのですか?
A 成人用のニューモバックスというワクチンは23価ポリサッカライドワクチンという不活性ワクチンです。これは
主に高齢者に接種され肺炎の予防に使われます。しかしこのポリサッカライドワクチンは乳幼児に接種しても効果が
ありません。というのは専門的になりますが、このポリサッカライドはT細胞という免疫に必要な細胞を活性化
できないのです。
ところが・・最近の研究で子供の、特に乳幼児でもT細胞依存性の免疫反応を惹起できるワクチンが開発されました。
小児用のプレベナー(7価結合型ワクチン)は乳幼児でも抗体を作る(免疫的に効果がある)ようにできた特殊な
蛋白質を結合して作られる、不活性化ワクチンです。2010年から発売されています。
Q 肺炎球菌というのはどういうものでしょうか?
A 肺炎球菌そのものは、子供のかぜ、急性中耳炎、粘膜の抵抗力が落ちたときに発症する「粘膜感染症」を
引き起こす、結構普通にある細菌です。肺炎球菌感染を極端に怖がることはありませんし、それに対して
大人でも子供でも抗生物質が発達しています。
ところがこの肺炎球菌には体内に侵入して命にかかわるような重症感染を起こすことがあります。
これをIPD と略される浸襲性肺炎球菌感染症と呼ばれています。これには菌血症、髄膜炎や重症肺炎があります。
Q 子供で気をつけるのは、このIPD こと浸襲性肺炎球菌感染症でしょうか。
A まず菌血症ですね。これは普段は粘膜に定着してる肺炎球菌が何かのきっかけで、血液の中に浸入して高熱が
出ることがあります。発熱以外はほとんど症状がない、潜在性菌血症と呼ばれ、乳幼児に高い発熱をもたらすことが
あります。これは適切な治療で治ることがほとんどです。
Q では気をつける病気とはなんでしょうか。
A やはり細菌性髄膜炎でしょう。特にインフルエンザ菌(インフルエンザウイルスではなく細菌です。ワクチンに
Hibワクチンがあります)と肺炎球菌は細菌性髄膜炎の15歳未満の4分の3の原因菌といえるのです。
別の言い方をすればインフルエンザ菌と肺炎球菌をワクチンで防げば、かなりの確率で「髄膜炎」までは
発展しないと言われています・髄膜炎(ずいまくえん)
Q 菌血症と細菌性髄膜炎の数を教えてください。
A 年間大体1万8千人くらいが菌血症にかかっていますが適切な処置で治る場合がほとんどです。
しかしまれに重篤化したり、その菌が髄膜に進入して細菌性髄膜炎になる乳幼児が200名ほどいるのではないかと
いわれています。
Q 従来の抗生物質では効きにくいのでしょうか。
A 今肺炎球菌の場合、抗生物質に耐性(反応が悪いもの)があるものをPRSP
PRSPが中耳炎で起こってるといわれています・・・・・・PRSP ペニシリン耐性肺炎球菌感染症(ピーアールエスピー)
中程度のものをPISP
耐性菌でなく抗生物質が効きやすいものをPSSPと呼んでいますが
最近ではこのPRSPがとても増えています。特に潜在性の菌血症を起こした肺炎球菌では3/4
がPRSPの形を持つといわれていますし、それを殺すためにまた新しい抗生物質を出しても、また
それに耐性菌ができるといういたちごっこになりつつあるのです。
Q 子供の場合随分幼少期に接種するのですね。
A そうですね。というのは子供さんの場合、生後6ヶ月から1−2歳(あるいは生後半年から)それから3歳までががIPD こと浸襲性肺炎球菌感染症
のピークなのですね。
体力が弱っていらっしゃる大人の場合は逆に60−80歳がIPD こと浸襲性肺炎球菌感染症のピークになります。
Q 子供の標準スケジュールを教えてください。
A 一番罹患しやすい生後半年から2歳半までにIPD こと浸襲性肺炎球菌感染症に感染しないようにする
あるいは免疫をつけてしまう、4回接種のケースが望ましいのですね。
まずプレベナーを
1回目 生後 2−6ヶ月からスタートします。
27日以上の間隔をあけて
2回目
27日以上の間隔をあけて
3回目
この3回で初回免疫をつけます。
そして60日以上の間隔をあけて
大体生後12−15ヶ月くらいで
追加免疫(結局は4回目の接種となります)をします。
Q 大人は違うのですか?
A 体力が弱っている高齢者対象に1回のニューモバックスを施行します。
Q 接種もれの幼児にはどうするのでしょうか
A
例1 初回免疫として 7−11ヶ月のお子さんなら1回目をして、27日の間隔をあけて2回目。それから60日以上の間隔をあけて大体月例12ヶ月の後に
追加免疫をします。(合計3回)
例2 初回免疫として12−33ヶ月(生後)のお子さんに1回目の初期免疫をして、追加免疫を60日以上あけて行います。(合計2回)
例3 これは24ヶ月から9歳ですので、1回のみです。大体IPD こと浸襲性肺炎球菌感染症にかかるピークを越しています。
ここまでで後はいい点、あるいは心配でもある副反応など考えてみましょう。
インフルエンザb菌結合型ワクチン(Hibワクチン)も参考にしてください。
またここまでは書きかけなので今からの子供さんに是非摂取を進めるワクチンもまとめてみましょう。
接種後に乳幼児の死亡例が相次いで報告され、接種を一時見合わせていた小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンについて、厚生労働省は25日までに、4月から接種を再開する方針を決めた。専門家会合が24日開かれ、死亡した7人について検証。いずれも接種と死亡に因果関係は認められず、同時接種による副作用の増加もないと評価されたため、同省は再開可能と判断した。