パソコンいじりが仕事ですか?〜パソコン集中管理のススメ〜「1.会社は電脳無法地帯」
1.会社は電脳無法地帯

 経営者のみなさま,御社でお使いのパソコンの年間費用はいくらになりますか?

 ワープロソフトなども含めてコミコミで1台あたり10万円だから,5年償却で,1年当たり2万円?
 御社では,人件費はコスト計算に含まれないのですか?

 現在,多くの企業で,社員ひとりに1台パソコンを配置しています。そして,その維持に膨大な費用が発生しています。その中で,パソコン本体の価格などは,たいした金額ではありません。費用の大部分は,人件費です。会社の仕事ではまず使わない機能をためしたりする時間,そんなことをしているうちに本来必要な機能が使えなくなり,それを回復させている時間,人件費だけは確実に発生しています。
 ある調査によると、パソコンの利用にかかる総コストの中で購入費用はわずか約五分の一で、残りは主に人件費だそうです。この調査は5年前のものなので,その後のパソコン価格の下落を織り込めば,現在では,十分の一,二十分の一となるでしょう。

 パソコンを大量に使っている企業のほとんどで,いま,こんな問題が発生しています。
(1)機密漏洩
 たとえば,機密情報を持ち出す。
 うちには,そんな悪い社員はいない?
 そう言い切れるでしょうか?
 人間というものは弱いもので,簡単な操作で不正ができて,しかもそれが発覚する危険が少ないとすれば,つい出来心で不正をしたくなりますし,偶然に機密情報に出会えば好奇心で見たくなるでしょう。コンピュータをそのような環境にしておくのは,社員を誘惑して不正を犯すのをそそのかしているともいえます。そのような危険から社員を守るのは,企業の責任です。
 また,仮に社員教育が行き届いていて悪い社員はいないとしても,機密漏洩の機会は枚挙にいとまありません。
 中古パソコンの中に残っている顧客リストのような機密情報をさがしだして売ることを商売にしているひとがいます。このような時代にあっては,パソコンのセキュリティは致命的に脆弱です。
(2)違法行為
 会社ぐるみでのソフトウェアの違法コピーは問題外ですが,たとえ個人の判断でやったことであっても,会社の業務目的のためにやった場合は,会社が法的責任を問われる可能性があります。
(3)怠業
・パソコンゲームを持ち込み,仕事を怠けて遊ぶ。
・怪しいソフトウェアを持ち込み,いじりまわす。
・会社のパソコンを興味本位で改造する。
 パソコン好きにとって,遊び道具が用意されている会社は天国です。
(4)本業に寄与しない作業時間
 パソコンは,利用者自身が,複雑な設定作業をする必要があります。
 これは,本業の業務遂行に必要な知識・経験とはまったく異質の知識・経験です。
 テレビにたとえれば,テレビを見るためにテレビの組立から始めなければいけないというようなものです。
 設定初心者がてきとうに設定作業をしたためにトラブルが発生し,それがまた人件費を奪うというのも,よく見かける光景です。
(5)パソコンが存在するがために発生する非生産的時間
 パソコンが故障して1日分の仕事がむだになり,やり直しになったら,1日分の人件費を損失します。
 重要なデータが行方不明になれば,さがすために人件費が発生します。万が一見つからなければ,致命的です。
 いま,世間で騒がれているコンピュータウイルスも,そもそもパソコンがあるから感染するのです。

 

 以上挙げたことは,現実に,オフィスの現場で毎日起きていることです。
 こまごまとしたことは,経営トップには報告がされないかもしれませんが,積み上げれば,会社全体では非常に大きな損失を招いているのです。OA化が進んでも事務部門の生産性が上がらないのは,このようなところに原因があるのかもしれません。経営者が知らないうちに,会社は電脳無法地帯と化しているのです。