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図解はきわめて強力なツールである。伝達にはもちろん,自分の理解を深めるためにも,図解は有効な手段だ。このサイトは,図解のよさを理解してもらい,そのための基本手法を学んでもらうとともに,図解についてさらに学びたい人のための講座を提供するためのものである。
なお,私の図解に対する考え方は,宮城大学教授・久恒啓一先生の著書から多大な影響を受けている。先生とはまったく面識はないし,直接教えていただいたこともないが,ここに記して敬意を表したいと思う。
図解の種類について考えてみよう。まず,目的から見ると,大きく2種類があるように思われる。自分の理解を深めるための図解と,他人に理解してもらうための図解だ。自分の理解を深めるための図解はさらに,他人の文章を読んで理解するための図解と,自分のなかの漠然とした考えをより明らかにするための図解に分けて考えることができるだろう。これを簡単に示すと以下のようになる。なお,こうした枝分かれの図解は基本パターンの1つである。
冒頭のロゴマークをにもこうした意味が込められている。図解を用いて読解し,理解を深めたり,他人に自分の考えを理解してもらったり,何かを解明したりする,という意味を込めた。図解は明解,という意味もある。
図解の構成・内容から考えた場合,項目間の関係を図解する「関係図」と,それよりはイラストに近い「概念図」(ただし,この名称はさらに検討の余地がある)とに分けることができると思う。これは例で見た方が手っ取り早いだろう。上の図解の目的の図も関係図の一例である。関係図の例としてさらに,英語の副詞paradoxicallyの論理関係を図示したものを挙げる。
※詳しくは「図解による英文読解」(『院試塾の現場から』)を参照のこと。
概念図はさらにいくつかの類型に分けることができるが,ここでは異なる2種類を紹介しておこう。まず,Ethnic minorities are disproportionately represented in prison.のdisproportionatelyの意味を説明するための図解は以下のようになる。
※詳しくは「高度な英文読解」(『院試塾ブログ』)を参照のこと。
さらにイラストに近いものとして,尺度・基準を表す英語の前置詞againstの意味を図解したものを挙げておく。人物やものさしをピクトグラムで表現している。
※詳しくは「語法とイメージ—measure A against B」(『院試塾ブログ』)を参照のこと。
久恒先生もおっしゃっているが,図解の基本要素はマルと矢印である。キーワードをマルで囲んで示し,それを矢印でつなぐわけだ。ごく簡単な例として,以下の図解をコンピュータで作成する手順を解説しよう。特に図解が有効であるプレゼンテーションに多く用いられるMicrosoft PowerPointでの作成方法を説明する。なお,コンピュータで図解を作成する場合,マルよりも四角のほうが画面が有効利用できるので,四角を主に使用することを私は推奨している。
まず,図解を作成しやすくするための設定を行う。[図形描画]ツールバーの[図形の調整]ボタンをクリックし,[グリッドとガイド]を選択すると,以下のダイアログボックスが表示される。
このダイアログボックスで,「描画オブジェクトをグリッド線に合わせる」「描画オブジェクトをほかのオブジェクトに合わせる」の2つのチェックボックスをチェックする。前者をチェックすることで図形が揃えやすくなり,後者をチェックすることで図形と図形をうまくくっつけることができるようになる。また,「グリッドの設定」の間隔を最小の「8グリッド / cm」(設定後の表示は「0.125」)にする。こうすることで,図形の位置を細かく決めることができる。
それでは,「理性」という文字の入った四角を描いてみよう。[図形描画]ツールバーの[オートシェイプ]-[基本図形]から[四角形]を選ぶ。続いて,描きたい四角形の対角線をドラッグで指定する。後からサイズは調整できるので,この段階ではだいたいの大きさでよい。
次に,四角形の塗りつぶしの色を変更する。まだ選択されたままになっているはずだから,そのまま[図形描画]ツールバーの[塗りつぶしの色]ボタン(下向き三角印の部分)をクリックして,[背景色に合わせる]を選択する。
それでは文字を入力しよう。選択されていればそのまま「理性」と入力すればよい。必要に応じて文字サイズを変更しよう。続いて四角形のサイズを変更する。サイズ変更は「ハンドル」をドラッグして行う。
このように,まずは1つ図形を完成させる。これは,今後コピーして図形を再利用するためだ。設定前にコピーしてしまうと,1つ1つの図形に同じ設定を繰り返さなければならないが,一通り設定しておくことで,文字やサイズを変更するだけですむ。
それではこの図形をコピーする。コピーの方法はいくつかあるが,ここでは2つ紹介しておこう。1つは,Ctrl+Dによるものだ。素早い操作ができるので,アイディアを図解する際などにはこの方法が適している。もう1つは,Ctrlキーを押しながらドラッグする方法だ。この方法だとコピーと位置合わせが一度でできる。ここでは後者を使うことにしよう。コピーしたら,新しくできたほうの図形の文字を「感情」に変更する。
図形をコピーしたら,次にこの2つの図形を「コネクタ」でつなぐ。コネクタとは,図形上のポイントに吸着し,図形を動かせばそれにあわせて動く線である。コネクタを作成するには,[図形描画]ツールバーの[オートシェイプ]ボタンをクリックし,[コネクタ]を選ぶ。ここでは,「双方向矢印コネクタ」を選択する。
選択したらドラッグを開始する。この際,始点となる図形上に吸着のポイントが4つ表示されるので,吸着させたいポイントを「つかむ」。
そのまま終点となる図形までドラッグしていき,やはり吸着させたいポイントをつかんだらマウスのボタンをはなす。これで,2つの四角形が両矢の矢印で結ばれる。
いよいよ最後の仕上げだ。コネクタの太さと矢印のスタイル・サイズを適宜変更する。Officeの描画機能では,各種の設定を行う場合,設定対象をダブルクリックすればよい。コネクタをダブルクリックすると,以下の「オートシェイプの書式設定」ダイアログが表示されるので,「色と線」タブから設定を行う。
図解はもちろん手書きで作成してもよいが,作成が簡単であることや再利用が可能なことも考えると,コンピュータで作成したほうがよい。Microsoft Officeの描画機能が利用できれば十分だが,私は主にMicrosoft Visio(Amazon.co.jpアソシエイト・リンク)を利用している。
※リンクはAmazon.co.jpのアソシエイト・リンク
院試塾では,「図解ワールド」の実践講座を開講しています。図解表現を実際に行いながら,各場面での実践的な方法を身につけるためにご利用ください。なお,講座名から各講座の内容説明ページにリンクしています。
1段落程度の英文を題材とし,主要な語句・表現や構文について主に概念図による図解を行ったうえで,内容全体を関係図として図解して理解し,最後に内容を日本語の文章で表現する講座です。
図解(テンプレートはこちらで提供します)を作成しながら,研究概要からはじめて志望大学院についての調査を進めながら,志望理由を明確にし,大学院進学の心構えをしっかりさせつつ,最終的には800字の志望理由書作成を目指す講座です。
高校「政治・経済」の経済分野から選定したトピックについて,検定教科書や用語集,さらに百科事典などを参照しながら図解することで,各トピックについての理解を深めるとともに実践的な図解表現の技術を学ぶ講座です。
図解を活用しながら,論文の読解→小論文の執筆→プレゼンテーション作成という,大学教養レベルの知的生産の基礎を総合的に学ぶ講座です。基本的な知的生産活動で図解をどのように活用するかを学ぶことができます。なお,題材として文藝春秋編『日本の論点』の論文を使用します。
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